私は途中で仮装をやめましたが、周りはハロウィンが好きで毎日仮装を続けていると思ったら……？

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想像しようとしても、あの世界で就職したユズカには穴の安定をし続けることより、ハロウィンを仮装なしでも満喫できそうな面々が、人間たちに紛れて家族で旅行を楽しむのを見ていると人間を楽しく驚かせている姿の方に携われている方がいいと思えてならなかった。


（もしかすると私も、ハロウィンであんな風に出会っていたかも知れないわね）


ハロウィンで、子供同士でお菓子を交換してはしゃいでいた。それを大人は微笑ましそうに見ていた。

この時期は、仮装している人間が多いから人間ばかりが住んでいるところだとは気づいていないのかも知れない。ハロウィンを満喫できる場所として旅行しているようだ。


（そりゃそうよね。人間ばかりしかいないところだとしたら、騒ぎになってしまうもの）


そんなことを思って、懐かしい生まれ育ったところのハロウィンを傍観していた。やはり、本物は存在感が違う。


「あなたの仮装、凄く素敵ね」
「っ、ありがとう。君は、えっと、凄く可愛いね」


幼い子供たちが種族の壁を越えて、そんなことを言って褒め合っていたりしているのを見聞きして、ユズカは社長がしていることで平和が保たれていることを思い知ることになった。

だが、社長を見て逃げ出したり、気絶する者が多い中でよくここまでになったものだと逆に感心してしまってもいた。


（そう考えると私の図太すぎる神経のおかげもあるのよね。ここまで全く気づかずに生きて来ちゃったわけだし）


それが、真実を知ってしまい、ぶっ倒れてしまったのだ。今も高熱で生死の境を彷徨いながら、見ていることにまだ気づかず呑気にしている。

何とも言えない平和な光景を見ながら、ユズカはこんなことを思ってしまった。


（やっぱり、本物を一回り以上も見ていると目が肥えるものね。本物とそうでない者が、よくわかるわ。……そう、こんなにも違っていたのね）


本物をずっと仮装していると思っていたこともあり、どこが人と違うのかを気にかけて見てしまう癖がついてしまっていたことにも、ユズカは苦笑しながらも泣きそうになりながら見ていた。

子供たちが仲良くしているのを大人たちは見ていて、にこにことしていた。大人も、仮装を楽しんでいるようで、気合の入った仮装だと褒めるのが聞こえてユズカは吹き出しそうになっていた。


（全部を知ってから、見聞きすると面白すぎるわ。……私も、周りに同じようなことをしていたのよね。どれだけの人に笑われていたことやら）


ユズカは、それに気づいて肩をすくめずにはいられなかった。

それでも、ユズカが見渡す限り、ハロウィンを心から満喫して楽しげにする人たちばかりだった。

まぁ、中には羽目を外しすぎて喧嘩になっているところもあったが、誰かが死ぬなんて物騒なことになることはなかった。