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美穂は、新しい家庭を持つ前のことで、自分の推理が当たっていないことを願っていた。

幼い頃に亡くなった父が一番最悪で、姉はそんな父や父方の祖父母に似ていて、母や美穂には全く似ていない。

最悪なのは父方の血だと思っていたが、母も酷い人だと思いたくはなかった。母に似ている美穂は、優秀で優れているのだと思っていた。そう思いたかった。

でも、それは母を色眼鏡で見ていたに過ぎなかったことを思い知ったのは、祖父が亡くなってからだった。その前から美穂に頼り切っていた。いや、美穂が母の迷惑にならないようにと色々やってしまったのが問題だったのだろう。

母の自慢になり続けようとしていた。姉が、父方の方にそっくりなのだ。自分だけが、母にそっくりでいようとして、理想の母のようになろうと必死になっていたが、実際の母は全く美穂の理想のものと違っていた。


(父では理想なんて持つまいとしていたけど、母では変な理想を持ってしまっていたのよね。でも、ぶちまけてよかったわ。あちらからでなくて、私ができたことが何よりよかった。結婚式の前に散々な目にあったけど、披露宴でもっと散々な目に合うとは思わなかったけど)


結婚記念日が来るたび、美穂は母と姉がどうしてるのかが気になっていた。

でも、そのことを夫や伯父たちに話すことはなかった。






絶縁してから、数年して母が再婚をしたことを美穂は耳にした。それと姉が美穂より先にとっくに子供を産んで育てているものと思っていたが違っていたことも耳にした。


(母さんが再婚したのか。まぁ、どうでもいいや。それより、姉さんの子供のことよ。妊娠してないのがバレたから、別の女性と結婚したってこと?)


美穂は、わけがわからなくなっていた。母のところや伯父のところには、姉は婚約者を連れて行っているのだ。それなのに結婚は別の女性としたのまでは、美穂たちの披露宴の時に聞いていた。

それこそ、忘れたかったが、記憶力の良すぎる美穂は忘れられずにいた。

その続きが気になったかというと美穂は、その後のことなど、どうでもよかった。だが、美穂はすぐに想像できた。


(結婚できるなら、どうでもいいと強行しようとして、向こうは逃げる気満々で計画立ててたとかっぽいな)


母は、何事もなかったように伯父のところに再婚の報告をして、美穂にも再婚の報告をしたいからと何食わぬ顔で連絡先を聞いたようだが、それですんなり教えることはなかった。


(そんなことで、すんなり教えるとどうして思ったんだか)


美穂は、それを聞いて遠い目をしてしまった。それだけでも、びっくりだったが、伯父から更にこう言われたのだ。美穂の父の時みたいにダメ男に熱を上げて籍をいれた報告に何の連絡もなく来たらしく、その辺は由美にそっくりだったようだ。


(姉さんが、やったことを非常識だと思っていたはずなのに。数年して、自分が同じことをやるんだもの。あの親にして、あの娘ありってことよね。それか、姉さんが先にしてるから、自分もしても許されるとか? ……よくわからないわ。母さんって、優秀だと思っていたのに。そんなことなかったみたいね)


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