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しおりを挟むフランソワーズが、一番しっくり来た話を兄のファビアンにしたら……。
「流石だな。それが1番ありそうだな」
「……流石は、余計です」
幼なじみのことで変な風に感心されても全く嬉しくなかった。
「そうか。私は、聞くたび、数日でここまで変わる噂は初めてだ」
「そこが、あの2人っぽい」
「そうだな。さて、もう、会うこともないだろうから、このくらいで面白がるのをやめて忘れよう」
「……」
兄は、面白がっていたようだ。そう言ってからは、話題にのぼることはなかった。
幼なじみたちが勘当され、両親がそれぞれ離婚したと聞いて大喜びしたのは、フランソワーズたちの母親だった。
「いい気味だわ!」
「「……」」
フランソワーズは、兄と浮かれる母を見ていた。フラグな気がしてならなかったが、何も言うことはなかった。
ただ、ひたすら嫌味を言う母親にそのままブーメランで戻って来るばかりのことを言葉にしている自覚のないの
目の当たりにして兄と妹は、付き合う気になれずにそれぞれ部屋に戻った。部屋に子どもたちが戻っても気づかないくらい、好き勝手にべらべらの話し続けていたようだ。
週1で朝から晩まで話をしていたのがなくなって、相手がいないのに慣れないようだ。つまり、相手の話なんてろくに聞いてなくて、自分の話を聞いてくれていればよかったのが、それすらいなくなって暇を持て余しているようだ。
だが、そんなのに付き合っていられない。しばらくして、父が帰って来たらしく、上機嫌だった母は父に散々叱られてやめるように言われたことをすっかり忘れていたようだ。
妻が全くこりていないことがわかり、離婚した友人を笑って、罵っていることに父は怒るのをやめた。
そして、離婚すると言い出したようだが、この時、母は冗談だと思ったようだ。
次の日の朝。
「離婚することにした」
「そうですか」
「わかりました」
「……え?」
母親は冗談ではなかったことを思い知ったようだが、フランソワーズたちは離婚のことを納得して大人しくしていると思っていたのにそうでなかったことに驚いていた。
それは、父も一緒だったが、母以外が納得している状態は長くは続くことはなかった。
「離婚なんて、冗談よね?」
「笑えない冗談だわ。いい加減にしてほしいわ」
それでも、数日粘りに粘って、ようやく追い出された。いい加減にしてほしいのは、フランソワーズたちだと思っていたが母は最後まで潔くなかった。
フランソワーズたちは、母親のことを周りに一切言うことはなかった。
まぁ、言わなくとも、これまでのことがあって色々言われることになっても、それが長続きすることはなかった。
そもそも、色々と言われることの大概がその通りのことすぎて、何も言う気にもならなかった。
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