11 / 31
11
しおりを挟むよくよく周りに聞かれたりしていたことを鑑みていたら、兆候はいくらでもあったのだ。
それにあの修学旅行で、部屋を間違えたと言っていたのも怪しかった。彼女が間違えた部屋で長居するような友達が、凛以外にいなかったのだ。
きっと、凛以外はそんな嘘に気づいていて、どこで何をしていたのかもわかっていたようだが、凛はそれにも気づかないままだった。凛は修学旅行のみならず、文化祭の実行委員を引き受けたりしていて、本当に忙しなかったのだ。
(やばい。安請け合いしすぎたかも。あー、でも、こういうのも経験だよね)
前は、いつ引っ越すことになるかがわからずに途中からだと委員会の仕事もできなかったこともあり、高校に入ってからは色んなことを引き受けていた。
持ち前のポジティブさを活かして乗り切っていた。そんな忙しいさなかでも、勉強はしっかりとやっていたのだから、凛も我ながらよく頑張っていると思っていた。
「文化祭の実行委員までやってるんだ」
「めっちゃ、忙しくて楽しいよ」
「それ、おかしくない?」
忙しすぎて、凛のテンションはかなりおかしくなっていたが、色んなところに転校しまくっていたこともあり、面白い文化祭のエピソードを委員会で話したことで採用されることになり、2年生の文化祭は今までにないくらい盛り上がった。
だが、そのせいで湊と会えなくなってしまったが、その分、親友が暇を持て余してよく一緒にいるのを凛ですら見かけた。
(クラスの方の手伝い、ちゃんとしてるのかな?)
凛は、やたらとよく見かける二人にそんなことを思っていた。カレシと親友なこともあり、二人で一緒にいるのをやたらとよく見かけても、浮気しているとまでは思っていなかった。カレシにぞっこんだったら妬いたのかも知れないが、全くなかった。
どちらも、友達が少ないことも知っていて、凛を介して仲良くしているだけだと思っていたのだ。
その判断が間違っていたと痛感することになるとは、この時の凛は思ってもみなかった。
(あー、次は何やるんだっけ?)
凛は、遅れ気味なところを見て回ったり、アクシデントで途方に暮れているところにアドバイスをして、更にいいのができたと学年問わずに感謝されて、交友関係がより深まることになった。
まぁ、その間に湊たちは暇を持て余しすぎて、2人で文化祭を回ることもなく、参加する気もなかったようでサボったようだ。
元より、あてにしてなかったようで、2人のクラスはサボっている2人がいない方が良かったようだ。それはそれで世知辛いと思ってしまったが、満喫しまくった凛には、2人の楽しみ方がいまいち理解できなかった。
36
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

片思いに未練があるのは、私だけになりそうです
珠宮さくら
青春
髙村心陽は、双子の片割れである姉の心音より、先に初恋をした。
その相手は、幼なじみの男の子で、姉の初恋の相手は彼のお兄さんだった。
姉の初恋は、姉自身が見事なまでにぶち壊したが、その初恋の相手の人生までも狂わせるとは思いもしなかった。
そんな心陽の初恋も、片思いが続くことになるのだが……。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる