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エピローグ

後編

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花の守り手の花が咲き乱れるようになる頃には、フォントネル国は活気あふれるくに変貌していた。

それに比べてトゥスクルム国は、見る影もないものになっていた。それだけでおさまらず、フォントネル国以外の国は天変地異に見舞われることになり、酷いものだったようだ。

だが、フィオレンティーナのおかげでフォントネル国は、周りの国々とは真逆に天変地異なんて起きることもなかった。

不平不満を持つ者たちが、一斉に追放処分になったことも大きかったようだ。特に烙印持ちたちが行く先々で酷いことになったようだ。

何はともあれ、フィオレンティーナはこの世界で花に囲まれ、愛してやまない人たちに溺愛され、幸せいっぱいの日々を送ることになった。

ちなみにオギュストは、王の代理となっていたが、リュシアンが新しい国王として即位して、フィオレンティーナは彼の妻となり、他の婚約者たちは花の守り手の守護する者とされ、複数の夫をフィオレンティーナは持つことになった。


(逆ハーレムってやつだよね。……いいのかな?)


まぁ、フィオレンティーナには理解しきれないことが多々起きることになって、時折、目眩やら頭痛を覚えることもあったが、もう慣れるしかなかった。

もっとも、慣れる前に色んなことが起こって身が持たないようなことになったが、逃げも隠れもできないフィオレンティーナは、フォントネル国で奮闘するしかなかった。

そんなフィオレンティーナたちに負けず劣らず、仲睦まじくしていたのが、キャトリンヌとジョスランだ。

血が濃いだけあって、キャトリンヌは年々美くしさが増していっているようで、ジョスランはそんな彼女を妻にできて幸せでならない顔をしていた。

それを見て微笑ましそうにフィオレンティーナはよくしていた。

すると王や守護する者たちは……


「まだ、あの方々を羨ましく思っているのでしょうか?」
「私たちの愛が足りないのだな」
「……夫を増やしては?」
「それも、考えないといけないのかもな」


フィオレンティーナは、リュシアンたちにとんでもない誤解をされて、更に大変な日々に忙殺されていくことになるが、この時はキャトリンヌが、ジョスランに心底愛されている姿が美しく見えてならなかった。

断じて羨ましそうに見ていたわけではない。

だが、花の守り手となったフィオレンティーナは、キャトリンヌのように妖精の血が濃い者と同様に長寿となったようで、前世でやりたかったことを全て思いつくままにやり尽くしても、まだ終わりが見えないほどの寿命の中で幸せであり、愛いっぱいの日々を送ることができたのだった。



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