すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら

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などと馬車に揺られながら笑顔で手を振りながら応でもいい事を考え、現実逃避をしたら何とか城に着いたのでホット一息。



「カナデ、頼めるかい?」



「畏まりました・・・・・・・どうぞ」



さてお話をしようか。





「皆聞こえるね、今日女王となったジャンヌダルクだ、今あたしは従者の力を借りて皆にあたしの声が聞こえるようにしてもらっている、そのまま聞いて欲しい」



チラッとカナデを見ると微笑んだ後頷いてくれたので、あたしはそのまま話を続ける。



「あたしは【アラビータ】を旅していた時に疑問を感じた、内戦でボロボロになった国内を見ていたにも関わらず、隣国に宣戦布告をした王を、『何故国内をそのままにしておくのか』と『今隣国に戦争を仕掛けてしまえばあたし達はどうなるだろう』・・・・・・・と」



本当は神様に言われて仕方なしに来ました!!とは言えないのでレビィンと会った時に言ったことをベースに話をする。



「そんな時にケネスダスで街を攻めようとしている騎士団を見た、国を街を村を守るべき騎士がだ!あたしはその時に決意した、国のやり方は間違ってる、だから喧嘩を売ると、その時に出来たのが『反乱軍』と呼ばれた【ドラクーン】だ」



もうかなり前の話みたいな感じがするけどまだ一年経ってないんだよね。



「【ドラクーン】として活動し、あたしの考えに賛同してくれ、仲間を増やし・・・・・そして愚王を討つ事が出来た」



チラッと周りを見るとラッチさんやアルベルドがあたしの事を見つめていた。



「けど・・・間違えないで欲しいあたしは英雄じゃない、皆があたしの事を『英雄』だの『灼熱の聖女』と言うがあたしは決してそんなのじゃない、あたしは悪人と変わらない、何故ならあたしが戦い、そしてあたしの部下に戦わせていた相手は同じアラビータ人だからだ」



内乱だから仕方ないとは言えない、他に何か方法があったのかもしれないしね。



「これから国は新たな体制で動き始める、だから皆は今回の事、そして内乱で起きた事は忘れないで欲しい、そしてもうこのような悲劇が起きないように皆の力を貸してほしい、一人一人がもう内乱や戦争が起こらないように協力して第二・第三のジャンヌダルクを生み出さないようにして欲しい。それがあたしの望みだ」



市民や仲間が死ぬところなんてもう見たくないからね。



「だから皆で【ゴスペラータ】を楽しく平和な国にしていこう、あたしが言いたかったのはそれだけだ、

これから少しの間忙しくなるが皆でのりきるべ!!」



そう言った後遠くの・・・・城下町がら物凄い歓声が聞こえた、良かった罵倒的な声じゃなくて!!





城についてあたしに宛がわれた部屋で一息つきながら紅茶を飲む。



「シン、今日エルスさんが来るって言ってたけど何処に居るの?」



紅茶を入れてくれたシンにそう聞くと口を開く。



「城下町にてレン様のパレードを見て、それから城に来るそうです」



「へ?直接くればいいのに」



何でまた城下町から此処に来るのさ?



「レン様の勇姿を見たいそうですよ」



ミズキとカナデが『クスクス』笑いながらいって来たのであたしは顔をしかめる。



「知り合いには見られたくないよあんな姿」



思いっきり顔が引きつってた気がするよ!!

さてうちの従者達とアニマルズとドラゴンズしか居ない時に頼むとしよう。



「シン、ミズキ、カナデ、頼みがある」



シン達が真顔になったのであたしは用意してあったリストを3人に渡す。



「これは?」



シンが代表して聞いてきたので説明する。



「【アラビータ】で腐敗・不正などをしていた奴が書いてあるリストだよ、ラーニアに怪しい奴をリスト化してもらった、3人にはそいつらの裏を取って欲しい」



カナデの『風』を使えば腐敗貴族の『ヤバイ話』を調べる事が出来るからね、裏を取ったらガラム達に捕まえてもらう。



先ずは国の膿を取り除くための大掃除をしなきゃね!!

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