ありがとうの花～命の大切さを教えてくれた君に届けたいありがとうを～

プロローグ

桜が満開の春。並木道を人々が楽しそうに歩いている。その並木道は病院の前にあった。窓には人影が。その人は桜をしばらく眺めていた。そして一粒の涙が。桜の木はなんでも知っている。この人がなぜ泣いているのか。この人がどんな人生を歩んできたのかも、その時爽やかな暖かい春風がその人の頬を撫でた。まるで桜の木が大丈夫だよと言っているかの様に。
　人にはいつか死が訪れる。その死のときまでに懸命に生きるのが生まれてきた使命。一つとして無駄な命はない。しかし病気や飢えで生きたくても生きられない命がある。誰かの犠牲になって命を守り消えてしまう命もある。だから無駄な死もない。二度と同じ事が起こらないようにするための教訓となる。
　
　ある一つの死を除いては。。。。

　自殺だ。まだまだ生きていける命を無駄にして消えてゆく。あなたの勝手な判断でまた誰かが命を無駄にする。悪循環の始まりとなる。
　
　だから伝えたい命の大切さを。

　この命を無駄にしない様に。