10 / 12
第二章:図らずも始動
夜風と怒号
しおりを挟む
夜も更けた頃、ケネット家の客間で1人考える。
アレンくんに感じる陰、人間関係という意味深な言葉、アリスのエメラトピア進出。
いろんなものが悪い方向に噛み合ったと考えるのが妥当だろう。何者かの陰謀、というわけではないと思いたい。彼らに嫉妬する者が仲を引き裂くため……あるいはどちらかを手中に収めるために?
両者の才能は目を見張るものがある。強い光を手にしたいと思う気持ちもわかる。自我の芽生えかけた子供相手なら上手く言いくるめることも可能だろう。
「……そうは思いたくないけどなぁ」
「アレン様とアリス様についてですか?」
起きていたのか、ミチクサさんが問いかけてくる。ちなみに彼は私の枕元で座って眠っていた。テディベアみたいで可愛いね。
「はい。二人とも子供の頃は上手くいってたのに、どうしてって思います。一緒に歌っていてほしかったです」
「人と人ですからね。奥様の言っていたように、すれ違いから疎遠になってしまうこともあるかと思います」
外部からの悪意によって引き裂かれたなら修復はしてあげたい。とはいえ、アレンくんにはアレンくんの、アリスにはアリスの言い分があるだろう。両者の意志の擦り合わせは時間がかかるだろうし、物理的に距離がある以上容易なことではない。
――歌っていれば、いつか巡り合う日も来るんじゃないか。
そう思うのは私のエゴだろう。アレンくんもアリスも、もう顔も見たくないと思っている可能性だってある。憶測で動いてミスするのは新人時代に散々やらかしてきたのだ、同じミスを二度犯さないのができる社会人である。
もやもやはすれど、私の知らないところで起きた諍いなのだ、下手に首を突っ込む必要もない。
「して、明日にはエメラトピアに発つんですよね」
「はい。そのつもり……だったんですけど、もう少し滞在しようかなって思います。アレンくんのことも気になりますし」
「お言葉ですが、あまり干渉するのもよろしくないかと……年頃の男の子は気難しいので」
「あれこれ口煩く言うつもりはないですよ。気晴らしになれば、ってくらいです」
アレンくんには笑顔でいてほしい。ただそれだけ。私でよければできることはなんだってしてあげたい。
歌を聞いてほしいなら聞く。遊びたいなら遊ぶ。それだけでも胸のもやもやは晴れていくものだ。溜まったガスは抜かなければ毒にもなる。それは理央がよく知っている。
おばさんのお節介だけど、若者に笑顔に陰が差すのは見たくない。かっこつけたっていいじゃない、三十代だもの。
なんとなく窓を開ける。海風は落ち着いており、このまま浴びていたさはある。あまり長く当たっていては風邪でも弾きそうだが……。
「うん? なんだろう」
「如何致しましたか? ……ん?」
窓に身を乗り出すミチクサさん。私と同じものを感じているのだろう、耳を澄ませる。
「……歌みたい」
ゆったりとしていて深く、柔らかさと力強さが共存する歌声。バラードだろうか? 歌詞までは聞き取れないが、心が惹かれる。惹かれる、なんてマイルドな言葉では足りないくらいだ。
心臓を直接鷲掴みにされるような衝撃、圧倒的な歌唱力。こんな歌声、出せるのは一人しかいない。
「アレンくん?」
「あ、牧野様!?」
ミチクサさんの制止を振り切り、階段を駆け下りる。売り場に直接降りるわけだが、一つ。問題に気が付いた。
「勝手に開けられない……!」
これで泥棒にでも入られてみろ、私の勝手な行動で店が大きな損失を被る可能性がある。
ただ、アレンくんが歌っているなら聴きたい。すぐそばで、あの日のように。彼なら歌ってくれる、また聴かせてくれる。そう信じたい気持ちが先走っている。
背後からぱたぱたと耳をはためかせて姿を見せるミチクサさん。ひいひいと息を荒らげている。
「ここからでは出られませんよ」
「わかってます……はあ、諦めた方がいいですね」
「リオちゃん?」
びくりと肩が跳ねた。穏やかな男性の声。振り返ると、細身の男性――赤茶の髪に眼鏡をかけた、アレンくんのお父さんが立っていた。
「旦那様? すみません、起こしてしまいましたか?」
「いいや? 部屋で商品の発注をしていたらこんな時間になっていたんだ。それより、聴いたのかい?」
その問いかけにはなんて答えるのが正解なのだろう。聴かなかったことにすればいいのか?
いいや違う。なんて答えればいいのか、簡単な話。嘘を吐いて拗れるくらいなら正直に話してしまった方がいい。社会人経験が嘘という選択肢を握り潰した。私は頷く。
「アレンくん……ですよね?」
「うん。あの子、ああやって毎晩歌いに行くんだ。アリスちゃんと歌っていた港にね」
「歌が嫌いになったわけじゃないんですよね?」
「勿論。いまも歌っていたいと思っているはずだよ」
「ではどうしてこんな時間に、人目を避けて?」
「なにか後ろめたく思うことがあるんだろうね。僕たちにもわからないんだ、話してくれないから」
両親にも話していない? 頼れない親とは思えないし、一般的な家庭の愛情も確かにある。甘えられない親には見えないが、どうしてアレンくんは1人で抱えてしまっているのだろう。
アリスとの確執としか思えないが……これはアレンくんに訊くのも酷な話なのだと思う。
「リオちゃん、あの子を迎えに行ってあげてくれるかい?」
「え……私でいいんですか?」
「家族が行くより、きみが行ってあげた方が気が楽だろうから。こんな夜更けに女の子を1人で歩かせるのはよくないとは思うけれど」
「あ、その点についてはご心配なく。毎日日付を跨いでから家に帰っていたので。チグサもいますし」
「ふふ、意外と悪い子なのかな? じゃあお願いするね、鍵はこれ」
違うんです、社畜で帰りが遅かっただけなんです。か弱い生き物に見えるでしょう? 社会を戦い抜いた戦士なんです。
などと言えるはずもなく、旦那様から鍵を預かる。これもう実質家族では?
馬鹿なことを考えている場合ではない。ひとまずアレンくんのところに向かおう。
「じゃあ行ってきます」
「うん、気を付けてね」
旦那様に見送られ、夜のミカエリアへ繰り出す。街中ではないし、怪しい人に声をかけられたり襲われたりすることもないだろう。いざとなれば私の用心棒がなんとかしてくれる。
港への道を急ぐ。歌声は次第に鮮明になり、歌詞も聴こえてきた。
「……“一番星になれたなら”だ」
エメラトピア皇国を代表する男性アーティスト、マティウス・レアード一番のヒット曲。夢追って、破れ、立ち上がれなくなった方々へ向けたというメッセージ曲。
この曲を選ぶのはなにか理由があるだろう。歌に込められたメッセージを確かなものに、輪郭を鮮明にするために歌っているように思える。
自然と速足になる。歌声にも力が入っていることがわかる。早く、早く会いにいかなければ。
そう思ったと同時。歌声が急に止まる。音声ファイルを途中で停止したような、あまりにも不自然な止まり方。
なにかあったのでは? 全速力で駆け出し、あの日のステージへと急ぐ。建ち並ぶ倉庫を走り抜け、コンテナがあった場所。角を曲がれば――
「アレンく」
「いまさら……! なにしに来たっ!」
震え、微かに湿度を含んだ怒声が沈黙を切り裂いた。
アレンくんに感じる陰、人間関係という意味深な言葉、アリスのエメラトピア進出。
いろんなものが悪い方向に噛み合ったと考えるのが妥当だろう。何者かの陰謀、というわけではないと思いたい。彼らに嫉妬する者が仲を引き裂くため……あるいはどちらかを手中に収めるために?
両者の才能は目を見張るものがある。強い光を手にしたいと思う気持ちもわかる。自我の芽生えかけた子供相手なら上手く言いくるめることも可能だろう。
「……そうは思いたくないけどなぁ」
「アレン様とアリス様についてですか?」
起きていたのか、ミチクサさんが問いかけてくる。ちなみに彼は私の枕元で座って眠っていた。テディベアみたいで可愛いね。
「はい。二人とも子供の頃は上手くいってたのに、どうしてって思います。一緒に歌っていてほしかったです」
「人と人ですからね。奥様の言っていたように、すれ違いから疎遠になってしまうこともあるかと思います」
外部からの悪意によって引き裂かれたなら修復はしてあげたい。とはいえ、アレンくんにはアレンくんの、アリスにはアリスの言い分があるだろう。両者の意志の擦り合わせは時間がかかるだろうし、物理的に距離がある以上容易なことではない。
――歌っていれば、いつか巡り合う日も来るんじゃないか。
そう思うのは私のエゴだろう。アレンくんもアリスも、もう顔も見たくないと思っている可能性だってある。憶測で動いてミスするのは新人時代に散々やらかしてきたのだ、同じミスを二度犯さないのができる社会人である。
もやもやはすれど、私の知らないところで起きた諍いなのだ、下手に首を突っ込む必要もない。
「して、明日にはエメラトピアに発つんですよね」
「はい。そのつもり……だったんですけど、もう少し滞在しようかなって思います。アレンくんのことも気になりますし」
「お言葉ですが、あまり干渉するのもよろしくないかと……年頃の男の子は気難しいので」
「あれこれ口煩く言うつもりはないですよ。気晴らしになれば、ってくらいです」
アレンくんには笑顔でいてほしい。ただそれだけ。私でよければできることはなんだってしてあげたい。
歌を聞いてほしいなら聞く。遊びたいなら遊ぶ。それだけでも胸のもやもやは晴れていくものだ。溜まったガスは抜かなければ毒にもなる。それは理央がよく知っている。
おばさんのお節介だけど、若者に笑顔に陰が差すのは見たくない。かっこつけたっていいじゃない、三十代だもの。
なんとなく窓を開ける。海風は落ち着いており、このまま浴びていたさはある。あまり長く当たっていては風邪でも弾きそうだが……。
「うん? なんだろう」
「如何致しましたか? ……ん?」
窓に身を乗り出すミチクサさん。私と同じものを感じているのだろう、耳を澄ませる。
「……歌みたい」
ゆったりとしていて深く、柔らかさと力強さが共存する歌声。バラードだろうか? 歌詞までは聞き取れないが、心が惹かれる。惹かれる、なんてマイルドな言葉では足りないくらいだ。
心臓を直接鷲掴みにされるような衝撃、圧倒的な歌唱力。こんな歌声、出せるのは一人しかいない。
「アレンくん?」
「あ、牧野様!?」
ミチクサさんの制止を振り切り、階段を駆け下りる。売り場に直接降りるわけだが、一つ。問題に気が付いた。
「勝手に開けられない……!」
これで泥棒にでも入られてみろ、私の勝手な行動で店が大きな損失を被る可能性がある。
ただ、アレンくんが歌っているなら聴きたい。すぐそばで、あの日のように。彼なら歌ってくれる、また聴かせてくれる。そう信じたい気持ちが先走っている。
背後からぱたぱたと耳をはためかせて姿を見せるミチクサさん。ひいひいと息を荒らげている。
「ここからでは出られませんよ」
「わかってます……はあ、諦めた方がいいですね」
「リオちゃん?」
びくりと肩が跳ねた。穏やかな男性の声。振り返ると、細身の男性――赤茶の髪に眼鏡をかけた、アレンくんのお父さんが立っていた。
「旦那様? すみません、起こしてしまいましたか?」
「いいや? 部屋で商品の発注をしていたらこんな時間になっていたんだ。それより、聴いたのかい?」
その問いかけにはなんて答えるのが正解なのだろう。聴かなかったことにすればいいのか?
いいや違う。なんて答えればいいのか、簡単な話。嘘を吐いて拗れるくらいなら正直に話してしまった方がいい。社会人経験が嘘という選択肢を握り潰した。私は頷く。
「アレンくん……ですよね?」
「うん。あの子、ああやって毎晩歌いに行くんだ。アリスちゃんと歌っていた港にね」
「歌が嫌いになったわけじゃないんですよね?」
「勿論。いまも歌っていたいと思っているはずだよ」
「ではどうしてこんな時間に、人目を避けて?」
「なにか後ろめたく思うことがあるんだろうね。僕たちにもわからないんだ、話してくれないから」
両親にも話していない? 頼れない親とは思えないし、一般的な家庭の愛情も確かにある。甘えられない親には見えないが、どうしてアレンくんは1人で抱えてしまっているのだろう。
アリスとの確執としか思えないが……これはアレンくんに訊くのも酷な話なのだと思う。
「リオちゃん、あの子を迎えに行ってあげてくれるかい?」
「え……私でいいんですか?」
「家族が行くより、きみが行ってあげた方が気が楽だろうから。こんな夜更けに女の子を1人で歩かせるのはよくないとは思うけれど」
「あ、その点についてはご心配なく。毎日日付を跨いでから家に帰っていたので。チグサもいますし」
「ふふ、意外と悪い子なのかな? じゃあお願いするね、鍵はこれ」
違うんです、社畜で帰りが遅かっただけなんです。か弱い生き物に見えるでしょう? 社会を戦い抜いた戦士なんです。
などと言えるはずもなく、旦那様から鍵を預かる。これもう実質家族では?
馬鹿なことを考えている場合ではない。ひとまずアレンくんのところに向かおう。
「じゃあ行ってきます」
「うん、気を付けてね」
旦那様に見送られ、夜のミカエリアへ繰り出す。街中ではないし、怪しい人に声をかけられたり襲われたりすることもないだろう。いざとなれば私の用心棒がなんとかしてくれる。
港への道を急ぐ。歌声は次第に鮮明になり、歌詞も聴こえてきた。
「……“一番星になれたなら”だ」
エメラトピア皇国を代表する男性アーティスト、マティウス・レアード一番のヒット曲。夢追って、破れ、立ち上がれなくなった方々へ向けたというメッセージ曲。
この曲を選ぶのはなにか理由があるだろう。歌に込められたメッセージを確かなものに、輪郭を鮮明にするために歌っているように思える。
自然と速足になる。歌声にも力が入っていることがわかる。早く、早く会いにいかなければ。
そう思ったと同時。歌声が急に止まる。音声ファイルを途中で停止したような、あまりにも不自然な止まり方。
なにかあったのでは? 全速力で駆け出し、あの日のステージへと急ぐ。建ち並ぶ倉庫を走り抜け、コンテナがあった場所。角を曲がれば――
「アレンく」
「いまさら……! なにしに来たっ!」
震え、微かに湿度を含んだ怒声が沈黙を切り裂いた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

転生しても山あり谷あり!
tukisirokou
ファンタジー
「転生前も山あり谷ありの人生だったのに転生しても山あり谷ありの人生なんて!!」
兎にも角にも今世は
“おばあちゃんになったら縁側で日向ぼっこしながら猫とたわむる!”
を最終目標に主人公が行く先々の困難を負けずに頑張る物語・・・?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
カガスタ!~元社畜ドルオタの異世界アイドルプロジェクト~
中務 善菜
ファンタジー
【※注意!】こちらの作品はバーチャルタレント事務所Re:ACT様主催プロジェクト【KAGAYAKI STARS】、およびその関係者様とは一切関係がございません。
ブラック企業の営業職に就いて十周年間近、牧野理央はドルオタだった。
いつも通り終電で帰宅中の理央だったが、その日ばかりは浮足立っていた。
現在推している若手のアイドルグループ、セブンスビートの1stライブを翌日に控えていたから。
気が逸った理央は、あろうことか信号無視をしてしまう。運悪くパンプスが壊れてしまい、迫り来るは千鳥足の車。抵抗の余地もなく跳ね飛ばされてしまう。
意識が戻ると、目の前にはスーツの男性。霊魂案内所 不慮の事故課のミチクサという男性は異世界でのセカンドライフを提案する。
アイドルのいない世界に渋る理央だが、ミチクサは言う。
「ご自身の手でアイドルをプロデュースされてはいかがでしょう!?」
かくして、異世界初のアイドルを自らの手で輩出する決意を固めた理央。
多くの出会いを経て、苦難を越え、ドルオタは異世界にスターを生み出す。異世界アイドルプロジェクト、ここに始動!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!

騎士団長のお抱え薬師
衣更月
ファンタジー
辺境の町ハノンで暮らすイヴは、四大元素の火、風、水、土の属性から弾かれたハズレ属性、聖属性持ちだ。
聖属性持ちは意外と多く、ハズレ属性と言われるだけあって飽和状態。聖属性持ちの女性は結婚に逃げがちだが、イヴの年齢では結婚はできない。家業があれば良かったのだが、平民で天涯孤独となった身の上である。
後ろ盾は一切なく、自分の身は自分で守らなければならない。
なのに、求人依頼に聖属性は殆ど出ない。
そんな折、獣人の国が聖属性を募集していると話を聞き、出国を決意する。
場所は隣国。
しかもハノンの隣。
迎えに来たのは見上げるほど背の高い美丈夫で、なぜかイヴに威圧的な騎士団長だった。
大きな事件は起きないし、意外と獣人は優しい。なのに、団長だけは怖い。
イヴの団長克服の日々が始まる―ー―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる