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しおりを挟む泣くだろうか、怒るだろうか
きっと瞳は困惑に揺れ怯えているに違いない
そう確信していたのに、またも答えは違った。
「…俺、あんたの事何も知らない。子供が大きくなった時、父親について聞かれたらなんて答えるんだ」
今度はアラヘルドが目を開く番だった
初めて見たかもしれないその表情に、ソイは微かに笑った。アラヘルドを見て笑ったのだ
「1度妊娠してるから、何となく察しはついてた。 」と自分の腹をゆっくり撫でるその仕草に決して憎しみや怒りは無い。
ソイはもう、子に罪は無いと知っているのだ
「なぁ、何て言えばいい?」
見上げてくるソイの真っ直ぐな瞳は、余りにも澄んでいて アラヘルドは悔しく思った。
産んで、育てる以外の選択肢が無いソイの強さはアラヘルドの知り得ない物だ
アラヘルドは、その眩しさに瞳を閉じた
目蓋の裏にまるで走馬灯のように広がる光景は
祖国で、風通しも見晴らしもよい部屋の椅子にゆったりとかけての自分の子を胸に抱くソイだ。
アラヘルドが帰ると、こちらを見て微笑む
「っ、ソイ…!」
若者が焦った声を出す。
兵士達がアラヘルドを探しているのだ
祖国の要を火事ごときで死なせるわけにはいかなかった。熊が足止めをしていたが、限界だ
アラヘルドはソイの腰を抱いてアテヤに乗せ
、足元で動き回るエルをソイの膝に乗せる
そして、煤に汚れた軽い手をとった
「こう伝えよ。お前の母を愛したただの男だと」
この時微かに、ソイの瞳が潤んだ
意外だったのだ。力のみを信じ、強者である事に誇りを抱いているアラヘルドが、自分をただの男だと評したのが。
この時ソイは恐らく初めて、アラヘルドの心に触れた
ソイが口を開こうとする前にアラヘルドはアテヤの臀を叩き、若者に手綱を投げ渡した。上手く騎乗した若者と共に走り出したが、ソイが振り返り「サラン!!」と呼ぶ。しかし、若者はアテヤの足を止めなかった
小さくなって行くソイ達を見送ってアラヘルドは静かに振り返り、迫る火と共に狼を見た。
まるで炎を背負っているようだった
「何故行かぬ」
「俺を殺して欲しい。出来うる限りの、残酷さをもって」
「その猛火に身を投げればよい」
「足りない。それでは、ソイの苦しみの欠片にもならない」
「ならば生きよ。」
サランは目を開いた。
「貴様の断罪などに興味は無いが、個人的な恨みはある。今は生きてその情けない様をソイに晒し続けるがいい。私はあれを諦めたわけでないぞ、私の血に流れる獣の言葉をあえて使うならば、ソイの番は私だ。
貴様では無い
取り戻すその日、望み通り八つ裂きにしてやる。ソイの目の前でな」
アラヘルドは、崩れ落ちる火を伴った瓦礫と共にサランに背を向けた
「なぁ、泣くなって」
「戻って…!サランも!エルも!」
馬の上で暴れるソイを抑えながら、若者は眉を下げた。ソイがサランと呼ぶのはあの巨大な狼の事だろうが、まさか山犬の子も飛び降りるとは。
走ってる馬の上から落ちるように飛んだのでソイが悲鳴をあげた。ごろごろとひっくり返ったがすぐに起き上がり、元気に元いた方向に走って言ってしまったのだ。エルはアラヘルドを好いていた
城での行動を見れば一目瞭然だったが、まさか別れも告げず去ってしまうなんて
サランのように
「もう!なんで…!皆好き勝手して…!」
「お、おいおい」
今度は怒り始めたソイに、若者はたじろぐ
「いつもぐちゃぐちゃにして!自分勝手に大事なものだけ置いていって…!俺を雁字搦めにするんだ!!ほんっとさいてい!ばかぁ!」
妊娠すると情緒が不安定になると言うが、ソイのこれもそのひとつだろうか
今まで溜めに溜めていた理不尽なものに対する怒りが爆発している
そしてそれはもしかしたら、悲しすぎて、嗚咽するのを誤魔化しているのかもしれない
若者は次第に肩を揺らし始めたソイを自身の胸板に押し付け、城下を一気に駆け抜けた
長く長く走った末、何処で気を失ったかは分からない。ただ、肌に感じる柔らかい感触が心地よく意識が浮上し、自分は今横になっていると知った。
そして、白く立派な前足が目前に見える
「…サラン…?」
わふっ
ソイはばちりと目を開けた
「…ジハ、ジハ…!!ジハ!!」
愛しいオッドアイが、記憶よりもずっと大きな身体でソイを包むようにして傍にいたのだ
これは夢かもしれないとソイはジハを強く抱き締めた「あぁ、ジハ…!俺の大事な子…!」
ジハはソイと同じく嬉しくて堪らないとでもいうように、耳を寝かせ必死にソイの顔を舐めてくる。喉からは寂しかったと切ない鳴き声をあげて。ソイもジハの顔中にキスを落とした
「ジハは1匹、立派に森で生きていた」
「…母さん…っ」
熊である母も傍におり、ソイはジハごと抱きつく。「ありがとう、母さん…ありがとう…っごめんなさい、ごめんなさい」母になぜ謝るのかと問われたが、母の背についた固まった血に触れると言わずには居られなかった
どちらも生きていたことが嬉しくて堪らず、興奮気味になったソイは軽い貧血を起こす
それでも顔色を白くさせながらもジハの身体に異常がないかをくまなくチェックしては抱き締めるを繰り返していた。
「ソイ、まだ寝といた方がいい」
若者が熊に怯えるアテヤの鼻面を撫でてから、こちらに歩いてくる。
ここは森の入口で、村まではまだ丸一日かかるとの事だった。ささやかな火の焚き火は、熊やジハを気遣ってだろうか
若者は城に忍び込んでから、捕らえられた母と会ったそうだ。
ソイを救う為だけに動いてくれた事を思うとただただ申し訳ない気持ちが強くなった。
しかし、それは決して口に出すべきではないとどこかわかっていた為、感謝を述べる
ソイとの約束通り、熊が探し見つける前ジハは兵に追い回されていたらしいが、上手く逃げていたようだ。これはソイがアラヘルドに頼んだせいだ、やはり怖い思いをさせてしまったと抱き締める。
「大きくなったね…ジハ」
成長を見守れなかった事が悔しかった
「ジハ、ごめんな。エル連れて来れなくて」
「山犬の子は、あの男の元にいる。無事だ」
母がソイに鼻面を近づけて慰めるように鼻息で前髪を揺らした
やっぱり。と何処か安堵する
火にのまれないかが不安で堪らなかったのだ
それに、エルが決めたことならばソイは何も言えない。アラヘルドはエルを邪険にしないだろう。
撫でたりはしてやるだろうか
どうか沢山撫でてやって欲しい、まだ子供だから遊んでもやって欲しい。
一人ぼっちのソイを支え続けたいたずらっ子のエル、エルバヤ
もう会えないのだろうか。今となっては、どうか元気でいて欲しいと願う事しか出来なかった
熊はサランについては、何も語らなかった。
「…っ、ぅ」気分が悪くなって冷や汗が出る。慌てた若者がソイを寝かした。
「とりあえず今は眠るんだ。何も考えるな、ソイ」
そんなの無理だ
いつだって大切なものは決して揃うことがない。
サランが過去について苦しんでいたと知った時、前に進める可能性を感じたのだ
しかし、サランは来なかった。
希望を持ったのはソイだけだった
「ジハ…おいで」
匂いを嗅いでソイの体調を探ろうとするジハに手を広げて、胸に抱く
確かな呼吸と、しっかりとした瞳を見る
サランに振り向いてもらう為に、ジハを利用しようとした自分がいた。
なんて恥ずかしい、情けない、親失格だ。
これ以上ダメな親になっちゃいけない
父親が居なくても、ジハを立派に育てると決意する
そしてお腹の中には、新たな命もいる
父親について話せることなどほとんど無い、
それでもジハと母、こうして助けに来てくれた若者 改めて迎え入れてくれる村がある
家族がいる
「ジハ、お兄ちゃんになるんだよ」
ソイは腹の子ごとジハをしっかりと抱きしめ、母の温もりを感じ眠った
「ジハー!あーそーぼー!」
窓の外から元気な声が聞こえてくる。
しまった、今日は約束の日だったと2階へ続く扉を閉めようとしたが、遅かった。
大きな声にびっくりしたのか、更に大きな声で火をつけたように2階から泣き声が聞こえ始めソイは慌てて泡だらけの手を拭き2階にあがった。
「ジハ、見ててくれてありがとう。遊びに行っておいで」
3歳にもなっていないジハは狼なら既に成体だが、ソイの血が混じっているのもあってかある一定から身体の成長がゆっくりになった。まだ大人になりきれぬ体と脳内はまだ子供といえるジハは遊びたい盛りで、近所の子達とほぼ毎日遊び回っている
ワクワクと1階に降りていく姿が可愛くてたまらない「ジハ、優しくね。遠くへ行かないで」ガフッとほとんど空気の声で返事をしたジハが、ジハ専用に作った出入口から出ていく音がした。
「はいはい、びっくりしたねぇ、ジハのお友達が来ただけだよ。いい子だから泣かないで~」人間の子と、狼の子では子育ての大変さが違う事を知った
「エレティア、明日は水遊びできるよ」
「…おんも…?」
「うん、おんも。」
「しゃんしゃんちやう?」
「うんうん、お日様が優しい日なんだって」
エレティア。
アラヘルドに女なら付けよと言われた名を、ソイは迷わずに付けた。
この子にとって、唯一父親が残したものだからだ
「チハいっしょ」
「うん、ジハも一緒」
あどけない顔に大粒の涙を零しながら何度も確認をしてくるエレティアにソイは何度も答えてやる。
「たえたい」
「え~?さっき食べたばっかだよ~?ほら~お腹ぽんぽこりん」
「たえ!たい!」
エレティアは、村の女性達に可愛がられ過ぎて覚えてきた言葉が少し訛っている
可愛いので全く問題はないが、少々女王様気質になっている気がする
血の影響だろうか、とソイは出来なかった家事に肩を落としながらエレティアを抱いて1階に降りた。
「よーし!ここまできたら大丈夫や!」
「気付けてやジハ!」
「また木の実持ってきてなー!」
「次は私らと遊ぶねんで!」
ジハは子供達の声に背を押され、森の中に入っていく。
これは、ソイには秘密
秘密の相手と、会っているからだ
慣れた足取りで森の中をぐんぐん進んでいくと、草木の影で冷えた風が心地よかった。
小川を大袈裟に飛び越え、人の足では登ることの出来ぬ斜面を尻尾でバランスを取りながら走り抜ける
苔の生えた大木が見えてきた、ジハは砂を飛び散らせながら止まった。
大きな岩の上にいたのは、銀色の毛を纏った巨大な狼だ。
銀狼はジハを静かな目で見ると、背中を向けて岩から降りる。ジハはぐるりと周りその後を着いて行った
狩の訓練だ
「落ち着け、まずは獲物を決めろ」
興奮で毛が逆立つジハを落ち着かせる
単独の狩の方法は何度も仕込んだが、今度の獲物は大きい
仲間との信頼と意思の疎通が上手く取れないと成功はしない。
「あれは疲れやすい。体力がきれるまで追い回せ。川には行くな、逃げられてしまう。トドメは俺が」
ジハは、巨大な銀狼よりも更に倍ある獲物の中で、年老いて弱そうな個体を見つけ伝える
「上出来だ」見極めるのも訓練が必要なのだ。やっと当てることが出来たジハは嬉しくて銀狼を見た。
「前からは行くなよ」
促され、ジハは茂みから飛び出した
追いかけて追いかけて、こんなに走ったのは初めてという程の距離を走った
ジハは初めて、自分の体力が底を尽きるのを感じたのだ。それは喜びでもあり、悔しさでもあり。
しかし、目の前の獲物もとうに限界を迎えている。ジハは背後で未だ余裕を持って走る銀狼を見て、力を振り絞った。
限界を超えた先に、何かがあると本能的に分かるのだ。
しかし、どんどん引き離されてしまう。
力を振り絞っているのはジハだけではない。獲物も正に命懸けなのだ
「よくやった。それでいい」
銀狼は息も絶え絶えのジハの隣を軽く通り過ぎ、その巨体で獲物に飛びかかった。
絶叫しながら倒れる獲物の喉笛に噛みつき離さない。ジハは圧倒された
すごい、すごい!いつか自分もこの銀狼のように強くなりたい!そして母と妹を守るのだ!
「俺の倒し方は体がでかいから出来る。真似はするなよ。お前もいつか群れを作るだろう、その時導くのはお前の役目だ、1匹1匹役割を果たして狩りを成功させ、子に食わせ、群れを守る」
教えることはもう何も無いと言ったふうに、倒した獲物をジハに譲った銀狼は立ち上がった。
引き止めるジハに、銀狼は振り向いた
「お前は強い子だ、ジハ。母を守れ
…それと、帰りはそこの茂みを通って行くといい」
ジハは名残惜しげに銀狼の背を見つめ続け、言われた通りの茂みを通って家に帰った
「わー!ジハ!」
「きゃー!チハ!」
ソイはジハを見て額を手で覆った
エレティアが真似して小さな手を顔に当てる
「どこで遊んできたの、ひっつき虫だらけ!」
「めっ、チハ、め!」
ひっつき虫だらけにも関わらず何処か誇らしげに胸を張るジハが可愛くて仕方がない。前に屈み、笑いながらその毛に触れた時。
強い記憶がソイの身体の中を巡った。
サラン、ずっと昔
サランとソイが番だった時
よくこうしてひっつき虫を付けてきていた
「……まーま?」
「…うん?なんでもないよ。今日はお風呂だね、ジハ」
ガンッとした顔をあからさまにするジハの顔をぐしゃぐしゃと撫でた
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