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「エル!」
「こらっエルっ」
「うわぁ、エルッ?」
「ダメ!エル、ダメだってば!」




アラヘルドはとうとう眉間を抑えた。
毎晩抱くつもりでソイの部屋を訪れるが、毎度毎度この様子では気も削がれるというもの。犬を外に出そうとすれば「躾をしろと言ったのは貴方です…」とささやかな抵抗をされる。その通り、その通りだ
アラヘルドは自身の言った言葉と行動に矛盾が綻びるのを嫌う

今ソイは、下履を咥えてベットの下に潜り込んだ犬を捕まえようと床に這いつくばっているのだ
その様子を眺めているのもある意味息抜きではあるが、アラヘルドも暇では無い
仕事に戻らねばならない時間がやってきて、立ち上がったと同時にソイがベットのヘリに頭をぶつけながら起き上がった。
「こら!離しなさいっ」
離すまいと唸る犬を抱えながら頭に埃を付けたソイ
メイドの杜撰な掃除に1つ脳内でやるべき事を1つ追加する。
「朝食は私の部屋でとる」
「…」
「口が聞けないのか」
黙るソイの代わりに犬が甲高い声で鳴く。
無視をしてもう一度問うと「…はい」と不満げな声を出した















ソイが城に来てそろそろ1週間が経とうとしていた。田舎者の平民とは思えぬ生活に、ソイのストレスは溜まる一方だ。常にジハや村が気になり、眠る前は自責の念に駆られ苦しむ。このままではアラヘルドが飽きる前に自分が壊れてしまうと怯えたソイを救ったのはエルだ。
やんちゃ過ぎるこの子犬は目が離せない
アラヘルドの許可なくこの部屋から出ることが出来ないため、運動量が余っているのだろう。部屋の端から端を走くりまわるのはもはや日課で捕まえるのに一苦労だ。昨日なんてアラヘルドが使っていたテーブルに突撃しお茶が溢れ、重要そうな紙にかかっていた。

どうせこの国や他国に不利益なものなのだから知ったもんかとソイは思いたいが、エルが仕置きされるかもしれない。最悪殺されるかも、とエルを抱いて思わず謝罪の言葉を口にしてしまった。
だがアラヘルドはちらりとソイを見たかと思うと、濡れた書類を持って「うるさくてかなわん」と部屋から出て行っただけだった。

アラヘルドとは眠るベットが同じ日もあるが、まだ1度も抱かれていない。
というより、アラヘルドが部屋に来る時間が遅いので、エルの世話で疲弊したソイは先に寝てしまっているのだ
もしかしたら飽き始めているのかも、と希望が見えだしたソイはエルに感謝を告げた。
本気で躾する気なんて無いのだ。
元々野生で暮らしていた子犬が部屋に閉じ込められるなんて苦痛に決まっているし、エルの世話に追われるおかげでアラヘルドと向き合わなくて済む


「……エル?」
埃がついたエルを拭こうと濡れた布巾を用意する間僅か15秒。
大人しくさせる為に取り上げた下履をもう一度与えていたのだが、今は無惨にも破れたそれだけが床に放置されている。
嫌な予感がした

「うそだろ」
外に出るドアが、少しだけ開いていた
アラヘルドがちゃんと閉めなかったのだろうか。いや、あの男の几帳面さは僅かな時間を共に過ごしただけでうんざりって程分かる。
となると、エルがこじ開けたのか
食料が豊富にある城でわざわざ犬の肉を食う人間はいないと信じたい。
ソイは迷わず廊下に踏み出したが、この広大な城の中どうやって

直ぐに近くにたっている護衛兵に「部屋にお戻り下さい」と止められる
「子犬が逃げたんです!早く連れ戻さないと!」
「お戻りください」
護衛兵は頑なで、鎧を纏った大きな足を開いてソイの行く手を阻む。こうしている間にもエルは遠くに行ってしまっているだろう

「…っアラヘルドに会わせて下さい!」

















護衛に連れられ、長い長い廊下を進む。その間もエルを呼び続け、カーテンの裏や花瓶を置く背の低いテーブルの下を覗き込み探す。本当に困った子だ
ジハの時はここまで手がかからなかった
早く見つけてやらないと、危険な目にあっていたらどうしようとソイは手のひらに異様な汗をかく

「こちらでお待ち下さい」
護衛に案内された部屋に入る。
ここでアラヘルドを待てとの事だった
その時間が惜しいというのに、とソイはソワソワと部屋を歩き回る
部屋の中にはメイドが控えていて、お茶を出そうとしてくるが要りませんと断る。

暫くしてからノックも無しにドアノブが回ったので駆け足で寄ると、立っていたのはやはりアラヘルドだった。
「っあの!エルがいなくな…ちゃ…」
ずいっ、と目の前に差し出された毛むくじゃらに目を丸くする
「エル!」
「私の執務室まで入ってきたぞ、メイドや護衛の目を掻い潜って。まるでネズミだ」
アラヘルドからエルを受け取り、顔を見る
「エル!ダメでしょ!」
叱るが全く響いていないようだ。
ソイの腕をガブガブと噛んで、中途半端に垂れた耳は呑気だ。
「…あの、あり…がとう」
この件に関しては、礼を言わずにはいられなかった。
「礼なら別のものを寄越せ。お前のやる気の無い躾に付き合うのももう飽きた」
縮こまったソイの礼を冷たく切り、言い放つ。
ソイは体が硬直した。勘づかれていたのだ
目を合わせられなくなり、俯くしかなかった
「明日の夜、私の部屋に来い。それは置いていけ」
アラヘルドはソイの返事など待たずに部屋から出ていった。














その日緊張と恐怖で眠れず、寝不足のまま言われた通り朝食をアラヘルドと共にとり、昼は相変わらずエルの世話をした。
空が暗くなっていく度に手が震えてくる
逃げ出したい、だが逃げてはいけない
たかが身体だ。少女でも無い、義理を果たすべき相手ももういない。目を瞑っていれば、終わる
「エル、今日はお留守番。わかる?お留守番」
声をかけるがソイの言葉なんてまるで聞いていない。ボロボロになったソイの靴下を仰向けなりながら咥え、中途半端に垂れた耳がプラプラと揺れている
正直、その少しおバカな姿はソイを癒した

風呂に入った後メイドが呼びに来て、ついに。と手を握りしめた
愛したもの以外に犯されるというのは、計り知れない屈辱を感じるのだ。1度ソイはそれを経験している
自分は壊れずにいられたのは、ジハが産まれたからだ
「エル、いい子でね。」


メイドに着いて冷たい廊下を歩くと、香を塗ると一室に案内された。確かに甘ったるいような、爽やかであるような不思議な匂いが鼻につく。
慣れない匂いは深く吸えば気持ちが悪くなりそうだ
椅子に座らされ、メイドがテキパキと準備している様子を他人事で眺めて不安を紛らわせていた。その時、不意にバルコニーに目が吸い寄せられた。普段暗くて見えないはずの外だが、やけに明るい事に気付いたのだ
「少し外の空気が吸いたい」と言えば、ここは3階で逃げられるわけもないと思ったのだろう、メイドはバルコニーへの扉を開けてくれた。外の空気が吸いたいのは本心だ。山とは空気の美しさが違うが、柔らかな風が心地よかった。

そして何の気なしに下を覗き込み

『まぁ、生きて連れていかれても地獄だ』
『前回の班が取り逃した内1匹でしょう。』

ソイは愕然とした
理解できない発言を以前いくつか聞いた。
自身に関係の無い事だと思い、深く考えることすらしなかったが











引き止めるメイドを推しのけ、バルコニーから木に飛び移る。片足がまともに使えぬ中、この行為は余りにも危険だったが その状況把握すら上手くできない。
手や腕を木肌で傷付けながら降り、ソイはその光景を更に近くでみる。

芝生で覆われた宮殿と違い、広い面積が剥き出しの地面で覆われている。
至る所に焚き火がされ、恐らく裏口にあたる門から馬車で次々と搬入されてくる。
馬は興奮して口から涎を垂らし、荷台から外された途端後ろ足を蹴りあげて暴れ始めた
怯えているのだ

「酷い…っ」  

搬入されてくる檻の中に、狼達がいたのだ。
既に檻ごと地面に乱雑に降ろされている個体もいて、逃げ出そうと牙を剥き出しにしている。

皮を剥ぐつもりなのか
昔居た村で、戦争には莫大な金がかかると聞いた事がある。だが、資金集めにしては狼の毛皮はささやかなものだ
今目に見える分だけで数十体はいるか


ソイの心臓は壊れそうだった
あの中にジハがいたらどうしよう

そして、こうも思わずにはいられなかった
サランがいたらどうしよう


「貴様そこで何してる!!」
沢山の兵がいるのだ
見つからないわけがない。
鎧を纏った手で肩を思い切り掴まれ悲鳴が出る。バルコニーからはメイドが身を乗り出し、「乱暴な真似はよしなさい!!」と大声をだす。元は王族に仕えていたメイドだ。貴族の娘がそんなはしたない真似ありえないが、ソイに何かあれば物理的に首が飛ぶのだ。
なりふり構っていられない

「あの狼達!一体なんでこんなことを…!」
「貴様スパイではあるまいな!!生かしておけぬぞ!!」
「うぁっ…!っあの中に子狼はいないか!!瞳が左右違う色なんだ!!」
「黙れ!!」
この兵、アラヘルドの国の者では無い。
寝返ったのだ。そして今、我が身可愛さに手柄を上げようとしている。
「ジハ!いるのか…!ジハ!」
「黙れと言っておろうが!」

バルコニーからメイドが止める悲鳴が聞こえる。


















目の前で人が死ぬのはもう沢山だ。
と、ソイは吹き出る血を見て思う
「何故外に出た」
「……ぁ」
どさりと鈍い音に青ざめながら、ソイは顔を上げた。アラヘルドが無感情な目でソイを見ている
死んで行った村人達が目の裏を駆け巡り意識が遠のくが、次第に強く聞こえてくるのは狼達の叫び
ソイはハッとなった。
「…なんで、こんな事を…!」
胸倉を掴もうとしたが、情けない事に力が入らず立てなかった。アラヘルドの足にしがみつくようになりながらも問い詰める
「お前に関係の無いことだ」
「俺は森で生きてきたんだ!こんなの乱獲だ!1番やっちゃいけないんだ!」
「使えるものは使う。戦争とはそういうものだ」
「使う…?」

使うとはなんだ。
狼など売っても大した金になどならない。
何に使うと言うんだ、何に

「これらは兵器だ、ソイ」
















アラヘルドが攻め込む国は、多くの獣が人として生きていた。
獣人と呼ばれる彼らは、人よりも身体が大きく、肉体は鎧のように硬い。加えて身体能力が人の比では無かった。
そんな獣人達を懐柔していたその国は、自分たちの意思で国を守る兵器を持っているに等しい、それは世界的に見ても稀なことだった。

この国を通過点にしたひとつの理由に、獣の数の豊富さもあった
同盟国にも呼びかけ、既に多くの獣が送られてきている。だがひとつ、問題があるとすれば
ただでさえ御し難い獣をどうやって短期間で兵器にするか。中でも狼は多く生息しており、他の獣に比べてサイズも程よく群れで暮らすため一度に大量に仕入れることができる。だが、人型になるくらいなら死んだ方がマシだと思う個体が殆ど。

しかし、アラヘルドだけは知っていた。
狼はとても愛情深い生き物だと


















ソイはアラヘルドに折れそうなほど強く腕を掴まれ、石畳の階段を降りていた。
中は暗くじっとりとしている

地下にあたるだろうここに一体何があるというのだ。あの狼達の中にジハがいるかもしれないと、探させろと怒りをぶつけた結果がこれだ。この中に獣達が閉じ込められていると言うことだろうか
ひらけた場所に出ると、アラヘルドが兵達に明かりを灯せと指示を出した。

一斉に松明がつき、この地下室の全貌が明らかになる。

「…こんなの…あんまりだ…っ」

壁一面の檻の中には、弱った狼や子狼が沢山いたのだ。
ソイはアラヘルドの手を乱暴に引き剥がし檻の傍に行く。誰も止めない
向かってくることが出来ないほどこの狼達は衰弱しているのだ。負傷した狼を治療するでもなく、子狼の痩せた体を見るに餌を与えているわけでもない。生かすつもりの無い狼をわざわざ捕らえている理由は1つ。
狼にとって、家族は人質として十分なのだ
「ジハ…!ジハ…!いるのか!」
見れば見るほど気が狂いそうだった。
もしこの中にジハがいたら、アラヘルドを殺してやる。と怒りの炎を燃やして自我を保つ。 
「ジハ…!」
「お前が探しているのはあの時の子狼だろう、ここにはいない。」
「そんなの信じられない!あんた達が嘘をついてるかも!」

振り返ったソイの目は涙で濡れており、悔しげに表情を歪めていた。
ソイは今更ながら、戦争の実感がわいたのだ。
都がうばわれて、見知らぬ兵がそこらを歩き回っているよりもこの光景はソイに強いショックを与えた。森で生きてきた人間なら皆悲しみ、深い怒りに襲われるだろう。
これは生き物への冒涜だ

目線を檻の中に戻した時ガンッ、と強い音が通路の奥から響いた。
「止めろ」
アラヘルドはソイが向かおうとしているのが分かったのだろう。ソイの1番近くにいた兵にそう告げたがもう遅い、ソイは走り出してしまった。「馬鹿者めが」
青ざめた兵に吐き捨てるように言うと、自身で後を追った
















薄暗く、でこぼことした石畳の通路は奥に向かえば向かうほど足音が響く。打撃音の後にじゃらり、と鎖が揺れるような音も聞こえ始めた

ソイは嫌な予感がしてならなかった。


そして、暗闇に慣れてきた目と、背後から近付いてくる明かり。

次第に姿を現したその音の正体に、ソイは崩れ落ちた。



「…サラン……」



鎖に繋がれたサランが、暴れている
その姿はソイが知っているものとはかけ離れていた。美しかった銀の身体は血にまみれ黒く染まっており、毛並みも固まっていた
何より、目が違う

「サラン…!サラン!」
憎みきれたらどれだけ楽だった事だろう

ソイが手を伸ばすと、ぐわりと牙をむき出しにしたサラン
「…サラン、俺を忘れたの…あの時のまま…」












サランは、完全に正気を失っていた。
春の訪れに絶望し、ソイの土に染み込んだ血を嗅いだ時  全てを思い出したのだ。

泣き叫びながら自身を呼ぶソイの姿が脳を駆け巡る。家族が、兄弟がソイに覆いかぶさり代わる代わる犯していく

サランは、それを見ているだけ
狂わずには居られなかった

それでもソイが死んだ可能性を受け入れられなかったサランは、兄弟を殺した。
そして森を走り、食べる事も水を飲むことも忘れソイを探し続けたが
走れば走るほど狂気に呑まれ、サランがサランでは無くなっていった
 

暫くして、アラヘルドの軍に捕まった。
たった1匹で、やせ細った体ながら沢山の兵を殺したサランは、獣人捕獲の責任者に目をつけられる。
例え手がつけられなくとも、使い道があるはず。馬鹿な兵よりも


















「サラン…っ、」
ソイは、背後にアラヘルドが立っているのも気付かずにサランを呼んだ
会えば、痛いほどにわかる。
ソイはあんなことがあっても尚、サランを愛している。ソイの中の何処か冷静な自分が、『愚かだ、あんな目にあってまだこんな感情が抱けるなんて。お前は結局前に進めていない、』と語りかけてくる。
そんな事分かっている。お前に何がわかる。
愛は純粋なものだけでは無い、この感情はソイだけのものだ。理屈も正論も、聞きたくはなかった

だが、それでも
「サラン、サラン…子供、出来たんだ…」
追い縋る己をみっともなく感じる心は誤魔化せなかった。それでも止められない、思い描いた未来がソイを雁字搦めにする。
「サランにとても似てる、きっとサランの子。凄く強い子で、優しい」
ああ、なんて情けない

「ジハっていうんだよ」













アラヘルドの心が、激情に呑まれる

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