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俺の名はアーロン・ダナヘギス
アーロって呼ばれる事が多い
西の辺境伯 イーサリアム・ダナヘギスの伴侶。通称イーサン。
俺が子供の頃から遊び相手をしてくれていたイーサンとは10歳違い 
何も知らず遊んでもらっていたが、
伯爵家の父上とイーサンの辺境伯である父君が友人だったのもあり俺とは昔からの許嫁だったらしい。
俺は一人っ子だったから兄が出来たみたいで嬉しくて、いつも虫みたいにくっついていた。それを困ったようにしながらも結局抱き上げてくれるイーサンを好きになるのは時間の問題で、自覚した時は父上に感謝したものだ。
俺が17歳、イーサンが27の時に結婚してから1年、今はイーサンの領地で暮らしている。
政略結婚のようなものとは言え、俺はイーサンが大好きだし イーサンもきっと俺が好き 
俺と頭ひとつ分も違う高身長に、見合った逞しい体。夕日を閉じ込めたような髪を短めに切って、凛々しく形のいい眉 瞳の色は珍しい黒色だった。
俺が瞳を褒める度、よく見たら茶色なんだぞ

って水を指してくる。いいじゃんね!黒で!

俺はと言うと翡翠色の髪は珍しいが、ほんのり程度。瞳の色は平凡なパープル。体格も良いとは言えず 頭は良くない。伯爵家の一人っ子で蝶よ花よと育てられた。普通なら後継者だが、母上が正妻で無く地位があまり宜しく無い上、色々問題を起こしたらしく俺を跡継ぎに据えるのが難しくなった。
結果、従兄弟を後継者として養子に迎えている
つまり、なんの責任も負わず 甘やかされて育った俺は、「俺」なんて一人称使ったり、声を上げて笑ったり、裸足で庭を走り回ったり ご飯をもりもり食べたり 貴族ではNGな行為をしまくって生きてきた。まぁ教育はされたから貴族の振る舞いは出来るので 父上も眉間を抑えて目を瞑ってくれた。

さて、前置きが長くなったけれど相思相愛の俺達夫婦に最近問題が起きている。

「奥様。旦那様がおかえりです。」
庭の池の鯉に餌をやっていると、メイドがやってきた。微かに馬の蹄の音が聞こえる
俺は庭からぐるっと回って正面玄関の方に向かった。
遠い!素直に屋敷の中から向かえば良かった!

暫く走ってると夕日が見えた

「イーサン!」
大袈裟に喜びすぎただろうか

「アーロ」
彼は俺を呼んで目元を和らげて手を広げてくれる。

「おかえりー!」
「はは、走ってきたのか」
危なげなく俺を受け止めて汗を拭ってくれる。
優しい手つきと優しい眼差しで俺を見下ろす瞳にうわー!って気持ちがギューンってなる
イーサンの逞しい胸に頭を髪がぐしゃぐしゃになるまで押し付けた。
はぁー好きだなー好き好き

「ルカはどうしてる」

あぁ……ほらきた。最近の問題がこれです
ピタリとグリグリを止めてふくれっ面をしてみるがイーサンは表情を変えず返答を待つ

「知らない、今日は部屋から出てないと思う」

ルカとはイーサンの病弱な弟くんだ。
イーサンはブラコン
病弱な弟が心配だからって普通新婚ホヤホヤの屋敷に身内入れる?しかも嫁が出迎えたのに俺の事じゃなくて弟くんの事先に聞くとか本当に納得行かない!これみよがしに話そらして俺は納得いってませんアピールをしておこう。

「な、このまえ池に金魚放したって言ったろ?そしたら今日凄い地味な魚がさ」

「後で聞く。まずは着替えさせてくれ」

イーサンは俺をズルズル引きずったまま屋敷の中に入っていった







「後でっていつさ」
無駄に広い奥の間の真ん中で更に無駄にでかいクッションに埋もれながらボヤいた
ちなみに奥の間は奥さんの部屋である。そのまんまだね
イーサンが水浴びをする前に俺はべりっと剥がされて部屋にポーイと放り投げられてしまった。それから約2時間 
イーサン長風呂するタイプじゃないし服だって家で着る服なんだから着付けなんて無いし時々自分の馬自分で手入れする時あるけど風呂入った後に行く事は無いし じゃあ2時間はかかり過ぎでは??もしかして俺の事忘れてる??いやいやイーサンに限ってそんなまさか  3日ぶりの再会ですよ旦那さん

とノンストップで悩みながらも俺の足は動いていた。侍女を待つのではなく自分から行った方が早い なんてったってイーサンの部屋は隣なのだ。 

「イーサン 入っていー?」

一応ノックするよ プライバシー大事だよね

「返事が聞こえないぞーイーサンくーん!」

居ない…ということは…?



ずんずんとふくれっ面で廊下を進む俺にすれ違うメイド達がギョッとしている。なんだコラ 今の俺は怒って当然なんです

「イーサーン!」
ノックはしません 怒ってるんで
扉を開けるとやたら緑ばっか目につく
過保護なイーサンが外に滅多に出られない弟くんの為に植物を沢山部屋に持ち込ませているのだ。羨ましくてイーサンに俺も欲しいと強請ったけど 
「興味無いだろ」とピシャリ。おっしゃる通りです

「アーロ、ノックぐらいしろ」
「こんにちは アーロンさん」

溢れんばかりのクッションに背中を預けてベットにいるのがルカ
髪はイーサンと同じ色で、真っ直ぐ長い。イーサンはちょっと癖毛 だよ
如何にも病弱な細い身体に青白い肌 儚げな美人です 男だけど

「こんにちはルカ。イーサン、なんで」
「後で行くと言っただろう」
何が、とならない当たり俺が突撃してくることは予想範囲内だったんだなイーサン
そして余裕そうにこちらに微笑んで挨拶をしてくるルカ  美人だけど騙されない 優しそうだけど騙されない いつも不貞腐れたように挨拶を返す俺になんとも思わないのだろうか 凄く嫌な人間になっている自覚はあるが、俺からしたらルカの方が嫌な人間だもの 遠慮ってものをだね

「兄さん、アーロンさんに言ってこなかったんですか?」
「たった1時間程度の話だろう 」
「多分アーロンさんは、先に会いに来てくれなかった事に怒ってらっしゃるんですよ」

その通り!だけどルカにそれを言われるのが悔しい、ルカはいつも本当に余裕なのだ

「……悪かったアーロ」

「あんまり悪いと思ってない顔だ」

俺が不貞腐れた時の顔にちょっと似てる
因みに今の「あんまり悪いと思ってない顔だ」は俺が言ったんじゃない、ルカです。
仲良いアピールですか!僕はイーサンの色んな顔知ってますよってアピールですか!

「そんなことは無い」
「あはは、その顔もっ」

笑ったルカの顔を見てイーサンの表情が緩んだ。え?俺は?


ルカが来てから、イーサンの中の優先順位が変わった。3人が揃うと必ず俺は置いてけぼりな気がする 俺が必然的に口数が減ってしまうのもあるけど、
だってずっと納得いかない。
ご飯の時イーサンとルカが隣同士なのも、俺に1番に会いに来てくれないのも、俺以外に目が和らぐのも、俺ばっかり叱るのも、アレルギーのあるルカのお土産が特別なのも、ずっとずっと納得がいかない 

「もーいーです!」

俺がこうやって不貞腐れたり、拗ねたりする事でしか意思表示をしないからきっとイーサンは呆れてるんだと思う。めんどうだなとか思われてるのかな  思われてるか。俺だったらウザイもん

ルカの部屋を出て自分のベットでだんごむしになってるとイーサンが入ってくる。
いつものお決まりの流れだった。

ベットにイーサンが座った気配がしてギュッと掛け布団を更に強く体に引き込むと、上からトントンと叩かれる

「アーロ」
「そんな人はいません」
「機嫌を治せ」
「別に普通ですけど」
「アーロ」
「ルカの部屋ではいないも同然のアーロならいますよ」

イーサンがため息をついた 
なんだよ 怒るのは俺の方だろ

「悪かった。来週遠乗りに連れて行ってやるから」
「本当に!!?」

それを聞いちゃあ拗ねてらんない!と思いっきり起き上がったせいでイーサンのデコと激突した。
額を抑えて上半身をベットに沈ませるイーサンに構わず体を揺すった
「遠乗りってどっち?馬?それとも?それとも?」

「わかった、わかったから揺らすな 相変わらず石頭だなお前は。 火竜に乗せてやる」

「やったーー!」











「お済みですか」
「うん」

メイド達が目の前の食事を下げていく
本当はまだ食べられるけど、もりもり食べるのは本当は良くないって言ったよね。

実家ではそれが許されてたし、イーサンも気にせず食べろって言ってくれてたから最初は本当に気にせず食べてたんだけど、屋敷の人達は不快みたいだ。基本皆俺を受け入れてないのが分かる。
立派な当主様に家柄だけの躾のなってない美しくもない我儘ボンボンが相応しいはずが無いのだ。

不安なまま屋敷に着いた時、周囲の人間の視線に萎縮してしまって、それからこの屋敷での俺の位置決まったっぽい。
俺の方が地位は上だからこそ、俺の一言でここの人達が路頭に迷うのだから下手なことは言えない。
つまり、今日もまだ食べてるのだから置いといて  とは言えなかった。

イーサンと一緒にご飯が食べれる時はお腹いっぱい食べられるから嬉しい
でもそれも最近はルカのせいで……!

「うおぉ……」

思い出したら腹が立ってきて変な声が出た。
食事下げた事に威嚇の声上げたと思われてる。メイドが凄い嫌そうな顔してる  
もう少し隠した方がいいぞ……

昨日火竜の興奮状態から色々マシンガントークをかましアホみたいに寝落ちした俺。
目が覚めたらイーサンは居なくて慌てて部屋に行くと丁度夕ご飯の時間だったので、食堂に向かった。絶対居るだろうと思ってたルカが居なかったので不思議な顔をしていると
「少し熱が出た。座って食べるのは難しいだろう」
との事で、普段ならほんの少しの熱でもルカに付きっきりになるイーサンが俺と食事する事を優先してくれたが嬉しくてあからさまに表情に出た。でもそれがルカがここに居ない事に対する喜びだと思われたらしく目線で割とマジの注意をされた。ヒュンッてなった


3人の時よりイーサンは食べるスピードが早かったのでやっぱりルカが心配なんだと思う。もっと居て欲しくていっぱい話しかけたけどどういう技術なのかきちんと返答をしながらも食べるスピードは落ちない。
くっ、強い…
基本俺は食べるのがゆっくりのくせに大食らいだから時間がかかる。待たせてると気になるから先に行っていいよって言ったのは俺の方。あの時の俺を今は恨む
イーサンは案の定早く食べ終わって、たくさん食べろって俺の頭をぐしゃぐしゃ撫でて、メイドに料理を増やさせたりしてた。
イーサンが居なくなったら意味無いのにな

結局イーサンが食堂から居なくなってからメイド達が料理を下げてしまって増えた料理はほとんど手をつけられなかった。
美味しそうだったなぁあのチキン……。

それよりも何よりもやっぱルカじゃん!って俺は怒ったね!言ってないけど!
だって熱出してたらなんも言えんよ!


「いーもーん!」
なぜなら火竜に乗せてくれるって約束してくれた!くふふ、っていう気持ち悪い笑いがとまらない。火竜は全男の子の憧れと言っても過言では無い!希少な上捕獲が難しく、調教するのはさらに難しい。金を積んでも訓練された火竜は買えない。所有は王族に既存し、竜騎士か栄誉として頂戴するかしかその姿を見ることは無い

今まで2回乗せてもらった事があるけど、
そのどちらも結婚する前だからほぼ2年ぶりぐらいでそりゃはっちゃけ過ぎて寝落ちするよね

ちなみに何故イーサンが火竜を所持してるのかは知らない。聞いたらわざと怖い顔してニヤリとしてくる。多分普通に陛下から頂戴したんだろうけどイーサンが俺に思わせぶりな事を言うのが楽しいみたいなので、決まって「やっぱいい!」と返すようにしている。
俺も楽しい

「早く来週来ないかな~」

高い高い空で後ろからイーサンに抱き込まれながら2人きり 
ギュッとお腹を腕でしっかり抑えられて、地上なんてもはや見えないのに全然怖くなかった。後ろ振り向いて凄いねって目で伝えるとイーサンはそうだろうって目で返す。
その瞬間、この世で1番幸せなのは俺だって確信する。


「…早く乗りたいなぁ」




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