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梅の思念6
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夕方、思った通りあの男はお姉様を送り、一人になった。
何時も通りに香りで思考を奪い家に連れ込めばいい。不自然にならない様に声をかけるには……。と考えを巡らせていると、私をちらちら見ている男が通る。
私はすかさず彼に声をかけた。
「こんばんわあ」
甘えた様な声に、驚いた顔をするのと同時にニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「よお、ねえちゃん可愛いな。男待ちかい? いくらだい?」
これ幸いと私は大きな声を出す。
「触らないでください!」
「え? 自分から声をかけておいてなんだ……」
「やめて! 私違います!」
次の瞬間、男の腕を掴む人物が現れる。それはもちろん姉の婚約者である如月菫太郎だった。
「な、なんだお前!」
「この人はお前が声をかけていい様な女性ではない」
「は? 何言ってんだよ、立ちんぼがどこぞのご令嬢だとでも言うのか~? 大体、声をかけてきたのはその女の方だ!」
その言葉に私はさっと菫太郎の後ろに隠れ、がたがたと震えるふりをする。
「梅子さん、どういう事なんですか?」
「急に体調が悪くなってしまったので、この人に少し休憩できる場所は無いかと尋ねたら……」
「なるほど、場所が悪かったですね」
この菫太郎という男、やはり女を買って相当遊んでいる。この辺りがそう言う場所だという事を知っているのがその証拠だ。
こんな男がお姉様の婚約者だなんて、お姉様の純潔を守る為にも私が排除しなければ。
男と肩を組み何かやりとりをしていた菫太郎が戻って来る。凄いどや顔と言うのかしら……。
いけない、今は「純真な乙女」を演じないと。
「ありがとうございました。違うと言っても信じて貰えなくて」
「いえ、お役に立てたなら良かった。この時間帯は色々と危険ですご自宅までお送ります」
まさか自ら言い出してくれるとは、昼間の香りの効果がまだ続いているんだわ。
この不思議な力の効力が確実に強くなっているのを実感した。
「いいんですか? ではお願いします」
笑顔で答えると菫太郎の顔が緩む、先ほどの男と大差ないだらしのない顔だ。だがすぐに「きりっ」と言う効果音が聞こえそうなほどに顔を作ると元来た道を戻ろうとした、私は彼の袖をくいと可愛らしくひっぱる。
「私が帰るのは本家ではなく別宅の方なので」
そう言って少し寂しそうな表情を作った。
「病が治ったのにまだ別宅に?」
「はい、あちらの家の方が落ち着くので」
そう言いながらすたすたと歩きだす、同時に香りを出すのも忘れない。
菫太郎は後を付いてきたかと思うと素早く横に並んでくるとちらちらとこちらを見ているが、気が付かないふりをする。
そして私の家に着く、
「ありがとうございました」
そう言葉をかけると菫太郎はハッと顔をあげた。
少し待つが何も言ってこない。このまま返すつもりはない私は、少し遠慮がちに声をかける。
「あの……お礼にお茶でも……」
「え、ええ! 喜んで」
誘い終わる前にものすごい勢いで了承してきた。
けれどそれでいい、家の中に誘い込んでしまえばもうこの人はワタシノゴチソウナノダカら
家の中に誘い込んだ菫太郎はものすごい勢いで私に襲い掛かってきた。
大勢食ってきた経験からわかる。行為を終え満足した後、その時に一番隙が生まれ……捕食しやすい。
だからされるがままに身体を弄ばせる。この時の快楽もなかなかイイのだけれど、
あの、養分を喰らう時の快楽の方が何倍もキモチガイイ。
菫太郎の身体がビクっと反応する、満足したらしいのを確認すると、
「ああ……まだ足りない……もっと……」
その言葉と同時に脚で身体を固定する。
「もっと、もっと……チョウダイ」
首に絡ませ完全に身体をホールドし唇を重ねる。
そして上と下から同時に養分を吸い取る。菫太郎が必死でもがいているがしばらくすると動かなくなった。
「いけない、少し残しておかないと」
干からびたそれから身体を離すと、満足感からのため息をついた。
何時も通りに香りで思考を奪い家に連れ込めばいい。不自然にならない様に声をかけるには……。と考えを巡らせていると、私をちらちら見ている男が通る。
私はすかさず彼に声をかけた。
「こんばんわあ」
甘えた様な声に、驚いた顔をするのと同時にニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「よお、ねえちゃん可愛いな。男待ちかい? いくらだい?」
これ幸いと私は大きな声を出す。
「触らないでください!」
「え? 自分から声をかけておいてなんだ……」
「やめて! 私違います!」
次の瞬間、男の腕を掴む人物が現れる。それはもちろん姉の婚約者である如月菫太郎だった。
「な、なんだお前!」
「この人はお前が声をかけていい様な女性ではない」
「は? 何言ってんだよ、立ちんぼがどこぞのご令嬢だとでも言うのか~? 大体、声をかけてきたのはその女の方だ!」
その言葉に私はさっと菫太郎の後ろに隠れ、がたがたと震えるふりをする。
「梅子さん、どういう事なんですか?」
「急に体調が悪くなってしまったので、この人に少し休憩できる場所は無いかと尋ねたら……」
「なるほど、場所が悪かったですね」
この菫太郎という男、やはり女を買って相当遊んでいる。この辺りがそう言う場所だという事を知っているのがその証拠だ。
こんな男がお姉様の婚約者だなんて、お姉様の純潔を守る為にも私が排除しなければ。
男と肩を組み何かやりとりをしていた菫太郎が戻って来る。凄いどや顔と言うのかしら……。
いけない、今は「純真な乙女」を演じないと。
「ありがとうございました。違うと言っても信じて貰えなくて」
「いえ、お役に立てたなら良かった。この時間帯は色々と危険ですご自宅までお送ります」
まさか自ら言い出してくれるとは、昼間の香りの効果がまだ続いているんだわ。
この不思議な力の効力が確実に強くなっているのを実感した。
「いいんですか? ではお願いします」
笑顔で答えると菫太郎の顔が緩む、先ほどの男と大差ないだらしのない顔だ。だがすぐに「きりっ」と言う効果音が聞こえそうなほどに顔を作ると元来た道を戻ろうとした、私は彼の袖をくいと可愛らしくひっぱる。
「私が帰るのは本家ではなく別宅の方なので」
そう言って少し寂しそうな表情を作った。
「病が治ったのにまだ別宅に?」
「はい、あちらの家の方が落ち着くので」
そう言いながらすたすたと歩きだす、同時に香りを出すのも忘れない。
菫太郎は後を付いてきたかと思うと素早く横に並んでくるとちらちらとこちらを見ているが、気が付かないふりをする。
そして私の家に着く、
「ありがとうございました」
そう言葉をかけると菫太郎はハッと顔をあげた。
少し待つが何も言ってこない。このまま返すつもりはない私は、少し遠慮がちに声をかける。
「あの……お礼にお茶でも……」
「え、ええ! 喜んで」
誘い終わる前にものすごい勢いで了承してきた。
けれどそれでいい、家の中に誘い込んでしまえばもうこの人はワタシノゴチソウナノダカら
家の中に誘い込んだ菫太郎はものすごい勢いで私に襲い掛かってきた。
大勢食ってきた経験からわかる。行為を終え満足した後、その時に一番隙が生まれ……捕食しやすい。
だからされるがままに身体を弄ばせる。この時の快楽もなかなかイイのだけれど、
あの、養分を喰らう時の快楽の方が何倍もキモチガイイ。
菫太郎の身体がビクっと反応する、満足したらしいのを確認すると、
「ああ……まだ足りない……もっと……」
その言葉と同時に脚で身体を固定する。
「もっと、もっと……チョウダイ」
首に絡ませ完全に身体をホールドし唇を重ねる。
そして上と下から同時に養分を吸い取る。菫太郎が必死でもがいているがしばらくすると動かなくなった。
「いけない、少し残しておかないと」
干からびたそれから身体を離すと、満足感からのため息をついた。
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