四次元堂奇譚

一冊目 縁の鎖

店主の独り言1

　そこまで読んで、私は首を傾げる。

「この終わり方はつまらないですね」

　そう呟きながら懐からペンを取り出し、最終話の最初を少しだけ修正する。しばらくするとページが光を帯び、書かれていた文字が変化していく。

「やはり、愛する者同士は結ばれて幸せにならないと」

　私は微笑みながら変化していく物語を見つめた。