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一冊目 縁の鎖
悪意ある視線
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店から外に出ると俺は思わず目をつむる、薄暗い場所から出た為か太陽の光が眩しい。光に慣れ周りを見渡す。ここは俺が住んでいる街の様だ、どこか見知らぬ場所に出るのではないかとひやひやしていたから少し安心する。
ポケットに固いものを感じる、スマホだ。取り出して日時を確認すると月曜日の午後三時頃だった。思い出せる限りだと最後の記憶は日曜日の夕方頃だだった。まずいな仕事先に連絡をしていない。頭を抱えると首の鎖がカチャリと音を立てた。店主は俺と命の共有者にしか見えないと言っていたが、果たして本当なのだろうか。周りの人から奇異の目で見られないだろうか。こんなにはっきりと見え音を立てる物が他の人には見えないと言われても信じ難い話である。
そんな事を悩んでいると目の前を親子連れが通り過ぎる。大人は怪しい人がいても大抵の人は見ないふりをする、だが子供は違う。
「ママ! あのお兄ちゃん首に変なのついてるよ!」
平気でそんな事を言う純真鬼畜だ。俺の心配を他所に、二人は気にする様子もなく俺の前を通り過ぎる、子供もちらっとこちらを見たがそれだけだった。どうやら本当に他の人には見えていないらしい、俺はホッと胸を撫でおろした。
さて、ここに立っていても仕方ない、帰るとしよう。
──
しばらく歩いていると、妙な視線を感じる。やはり鎖が見えているのか? と思ったがそうではなく、悪意というか……睨まれているというか……後を付けられている? 振り向いてもそれらしき人はいない、上手く人混みに紛れているんだろう。
住宅街に入る。平日の昼間だからだろう、一気に人気が無くなった。だがまだ悪意のある視線は感じる、そして誰かがついてくる。誰だ? 正直、人に悪意を向けられる様な覚えはない、今までも無かった……はずだ。まあ、知らない所で恨みを買っている可能性はあるが。
歩く速度を早めると相手も早める、遅くすると遅くなる、一定の距離を保ってついてくる。
隠れる場所がない所で、俺は意を決して後ろを振り向いた。
ポケットに固いものを感じる、スマホだ。取り出して日時を確認すると月曜日の午後三時頃だった。思い出せる限りだと最後の記憶は日曜日の夕方頃だだった。まずいな仕事先に連絡をしていない。頭を抱えると首の鎖がカチャリと音を立てた。店主は俺と命の共有者にしか見えないと言っていたが、果たして本当なのだろうか。周りの人から奇異の目で見られないだろうか。こんなにはっきりと見え音を立てる物が他の人には見えないと言われても信じ難い話である。
そんな事を悩んでいると目の前を親子連れが通り過ぎる。大人は怪しい人がいても大抵の人は見ないふりをする、だが子供は違う。
「ママ! あのお兄ちゃん首に変なのついてるよ!」
平気でそんな事を言う純真鬼畜だ。俺の心配を他所に、二人は気にする様子もなく俺の前を通り過ぎる、子供もちらっとこちらを見たがそれだけだった。どうやら本当に他の人には見えていないらしい、俺はホッと胸を撫でおろした。
さて、ここに立っていても仕方ない、帰るとしよう。
──
しばらく歩いていると、妙な視線を感じる。やはり鎖が見えているのか? と思ったがそうではなく、悪意というか……睨まれているというか……後を付けられている? 振り向いてもそれらしき人はいない、上手く人混みに紛れているんだろう。
住宅街に入る。平日の昼間だからだろう、一気に人気が無くなった。だがまだ悪意のある視線は感じる、そして誰かがついてくる。誰だ? 正直、人に悪意を向けられる様な覚えはない、今までも無かった……はずだ。まあ、知らない所で恨みを買っている可能性はあるが。
歩く速度を早めると相手も早める、遅くすると遅くなる、一定の距離を保ってついてくる。
隠れる場所がない所で、俺は意を決して後ろを振り向いた。
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