12 / 14
旅立ちの白い花
しおりを挟む
翌日、今度はヨナじいさんにおかしなことが起こった。
最初に気づいたのは、郵便配達のカンガルーだった。いくら玄関をノックしても返事がない。
「困ったな。いつもなら家にいる時間なのに」
そこにヤギとアルマジロ、アヒルが続々とやってきた。みんな両手に贈り物と白いバラを抱えている。
「やあ、カンガルー。早かったね!」
「うん。でも、おかしいんだ」
カンガルーの話を聞いたヤギが思い切って扉を押し開けた。鍵はかかっていなかった。家の中は薄暗く、しんとしていた。急いで中を探してみたが、ヨナじいさんの姿はない。
アヒルがまだ温もりの残るベッドに一通の手紙が置いてあるのを見つけた。手紙に目を通したカンガルーが青ざめた顔で叫ぶ。
「大変だ! ヨナじいさんが旅立った!」
ウタカタンの者ならみんな知っている。誰もがいつかはどこかへかえるのだと。誰も知らない、どこかへ。
そしてヨナじいさんは誕生日の朝に、どこかに旅立って行った。
最初に気づいたのは、郵便配達のカンガルーだった。いくら玄関をノックしても返事がない。
「困ったな。いつもなら家にいる時間なのに」
そこにヤギとアルマジロ、アヒルが続々とやってきた。みんな両手に贈り物と白いバラを抱えている。
「やあ、カンガルー。早かったね!」
「うん。でも、おかしいんだ」
カンガルーの話を聞いたヤギが思い切って扉を押し開けた。鍵はかかっていなかった。家の中は薄暗く、しんとしていた。急いで中を探してみたが、ヨナじいさんの姿はない。
アヒルがまだ温もりの残るベッドに一通の手紙が置いてあるのを見つけた。手紙に目を通したカンガルーが青ざめた顔で叫ぶ。
「大変だ! ヨナじいさんが旅立った!」
ウタカタンの者ならみんな知っている。誰もがいつかはどこかへかえるのだと。誰も知らない、どこかへ。
そしてヨナじいさんは誕生日の朝に、どこかに旅立って行った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる