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ボクと雲の鳥の話
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「ボクにそっくりだ」
目が覚めて空を見上げると、鳥のかたちをした雲がぽっかり浮 いていた。スズメのボクは小さいけど、雲の鳥は鷲ほどに勇ましい姿をしていた。
西から来る風に乗ってゆったり飛んでいく。 ボクはすっかり雲の鳥に夢中になってしまった。
あの雲の鳥はどこに向かうのだろう。追いかけてみたい。
スズメのボクは羽をひたすら動かして大空へ羽ばたいた。どんどんと遠ざかる地平。 止まっていた木が小さく見えてきたころ、ちらりと光を発する 存在をボクは見逃さなかった。人間の男が空を見上げている。なにかを持って夢中で操作して いるが、ボクにはよく分からなかった。
雲の鳥まであと少し。富士山がうっすら望める高さまでボクは飛んでいた。
瞬間、突風が雲の鳥とボクを襲った。
ゴォッ
ボクはひたすら羽で抵抗した。 雲の鳥ははるか遠くまで飛ばされ、跡形もなく消えた。
ボクは泣いた。
ガッカリしながら地上まで降りてくると、さっきの人間がいた。
涙を隠せないボクに人間の男は一枚のなにかを差し出して見せ てくれた。
そこにはボクと雲の鳥が、一緒にいつまでもいつまでも飛んでいた。
目が覚めて空を見上げると、鳥のかたちをした雲がぽっかり浮 いていた。スズメのボクは小さいけど、雲の鳥は鷲ほどに勇ましい姿をしていた。
西から来る風に乗ってゆったり飛んでいく。 ボクはすっかり雲の鳥に夢中になってしまった。
あの雲の鳥はどこに向かうのだろう。追いかけてみたい。
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ゴォッ
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