愛を知らない私と僕

こむぎ

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彼の突然の訪問から一夜が開けて。
うーん、これは早急に心を軽くさせる必要がありそう。
普段なら気づき、隠すはずなのに。
泣き腫らした目に気づかないほどに余裕がなくなっていた彼。

1番近い空いてる夜、、、金曜かぁ、、、
スケジュールを確認すると、びっしり予定で全体が黒くなってるなかで、金曜の夜だけは白く予定をあけていた。

金曜って、ノー残業デーがあるじゃない?
それに引っかかる訳には行かないと秘書さんが頑張って開けてたの。
まぁ、おかげで他が真っ黒なんだけどね(泣)

その日の夜には鷹村くんにメールを送り、1週間の初日を終えた。

待つだけなのだし、やることも無いからね。
仕事の忙しさにてんてこ舞いだよー(泣)
って、思っておきたいけれど。
、、、頭に鷹村くんのドアップが浮かんでくるのー!!
しかも、キ、キスした時の、、、感触、、、とか、、、
、、、うわぁぁぁぁ!!!むりむりむりっ!!

頑張って忘れようとしてるのに、どうしてもふとした時に思い出しちゃうんだよー(泣)
それで、忘れようと仕事にのめり込んでたら秘書さんや社員さんに「もうやめてくれ」って泣き付かれちゃって、、、うん、皆ごめんね、、、

で、のめり込みすぎたので全然余裕で予定を空けることが出来ましたっ!
なんなら金曜のお昼には帰らされたので、むしろ暇になってます!どやっ!

なので、メールで言っていた夕飯を作ろうと思ってスーパー行ったら久々に来たせいか、テンション上がって買いすぎました、、、うぅ、食べきれない(泣)

あとは鷹村君を待ってるだけかな~

、、、これで、あの子の心を軽くできれば良いけれど、、、

なんて、やきもきしても意味ないよね~うん、できることをしよう。
、、、あれ?もう出来ることないよ、、、?
、、、寝ようかな。

、、、と思ってたらほんとに寝落ちしてました。はい(泣)
大人の余裕はどこに行ったの~
これじゃ余裕じゃなくて、ただのアホに降格だよっ!!
私の余裕、カムバックっ!!(泣)

それでも、鷹村君が来る前には起きて、夕飯も温め直して。

うん、今度こそ大丈夫っ!

そしたらちょうどインターホンが鳴った。

そして鷹村君を迎え入れて。
笑顔でこんばんはって言ってくれたのに、リビングの夕飯を見て固まった。

ど、どうしよう?
「私、作りすぎた、、、?」と聞いてみればはっと意識を取り戻して、また笑顔に戻った。
でもさっきの笑顔とは違くて、純粋に喜んでくれる子供のような笑顔。

良かった、気に入ってくれたのかな。
なんて安心して、夕飯を食べて。
、、、会食よりも何百倍も楽しい夕飯でした、、、と思えた。
、、、この時間か終わらなければいいのに、なんて。

そしていよいよ話を聞く時間になった。
彼が気に入ってくれたカフェオレを作って、隣に座る。
すると彼は、ぽつり、ぽつりと話し始めた。
自分の出生や、性格、苦しみや悲しみなど全部。
唯一、母親のことについては苦しそうな顔が和らいだ気がした。、、、君の母親は君にいいことなんてしてないのに。

聞いていて辛かった。
「もういいよ」って言いたくなるほど苦しそうな顔してるし。
それでも彼は全て話してくれた。
ありがとうって感謝した。
どんなに勇気が必要だったかな。
強いよ、凄いよ、君は。
あぁ、私にもそんな強さがあったらよかったのに。
そしたら私は、、、

なんて、考えてても意味ないよね。
うん、鷹村くんも少し安心したみたい。
泣いちゃったことは内緒にしておこう。
大丈夫、これからは私が守るからね。
いっぱい高校生をするんだよっ!!


そのあと、鷹村くんは落ち着いたみたいで「ありがとう」と言って帰っていった。
、、、少しだけ、寂しそうにも見えたけれど。

泊まってもいいよと言ったら、顔を赤らめて拒否された。

、、、悲しい(泣)
おばさんの家はそんなに嫌ですか、そうですか。
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