愛を知らない私と僕

こむぎ

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13(悠斗視点)

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「、、、なっちゃんは無意識になんでも我慢しちゃうの。仕事とかならハッキリ言ったりとかできるのに、プライベートになるとからきし。」
そう言って笑ってたゆめちゃんはちょっと寂しそうだった。

「、、、そんな状態なのに、ほぼ初対面の俺は彼女の力になれるのかなー?」
正直不安だ。自信なんてない。

「んー?なれるよ?どうしてそう思ったの?」と首をコテっと傾げるゆめちゃん。

「っ!だって俺はっ、、、!」思わず叫んだ。
けど「鷹村君」「、、、っ!」夢ちゃんに真っ直ぐに見つめられた。

「夢は信じてる、、、というよりもなっちゃんが信じてるとおもうの。」といってきた。
鳴瀬さんが?俺を?、、、なんで?
びっくりして声が出なくなった。

口をパクパクしてると康太が口を開いた。
「まぁ、どっちにしたってお前の行動しだいだろ?、、、悠斗、何があっても俺が支えてやるよ」
えっ、康太さんデレ期?え?マジで?
「、、、康太」「あ?」康太を真っ直ぐみると
「、、、ありがと」「、、、おう」お礼を言った。
あれ?康太照れてる?かわいい(笑)

まぁ、何はともあれ話をする機会を作らなきゃだよね。
、、、食事とか誘ったら乗ってくれるのかな?あんなことしたやつに、、、
ま、それはその時考えよう。

「おはよう、、、みんな随分と早いのね」
「真子おはよー」
「はよ。偶然だろ、あいつ起きてねぇし」
と言いため息をつきながら立ち上がった康太は翔を起こしに部屋を出ていった。

「稲城くんは相変わらずだねー」
といってくすくす笑うゆめを見て
「まぁまぁ、とりあえず、荷物まとめて帰る準備しよっか?」
と、悠人が言ったのをかわきりに続々と部屋を出ていって準備を始めた。
「あ、ゆめちゃん」
「んー?」
「鳴瀬さんのLINE教えて欲しいんだけど、、、」
とゆめちゃんに話しかけると少し困った顔をして
「なっちゃんはガラケーだから、LINEは持ってないの」
と申し訳なさそうにいった。

、、、え?優希ちゃん持ってるのに?スマホ嫌なのかな?
と、アホなこと考えつつ
「じゃあ、メルアド教えて欲しいな?お礼もしたいし」
といって、メルアドを教えてもらった。
後ろで戻ってきた康太が“も”なんだな、、、と呟いたのは聞かなかったことにしよう。うん。


「ゆっちゃん今日はありがとーまた来るね!」
「うん、待ってるね。また来て」といって笑顔で手を振る優希ちゃん。
うん、かわいい。
けど、鳴瀬さんの方が可愛いと思っちゃう。
本格的に好きになっちゃったんだなぁ、、、

と、にやにやしながらそんなことを考え、優希ちゃんの住むマンションを出るとまた月曜に会おうと言って皆と別れ家に帰る。


「、、、ただいま」
そう言ってドアを開けてみる。
返事は一切なく、静寂が漂っていて。
さっきまでの楽しさが嘘みたいに気分が沈んだ。

「、、、母さん?」
母親の部屋を覗けば母と見知らぬ人が一緒に寝てた。
、、、また連れ込んでいたんだ。
良かった、居なくて。

小さくため息をついて自分の部屋に戻る。

荷解きをして勉強をして一息ついた時に鳴瀬さんの顔がうかんだ。
時間はもうすぐ22時になる頃
迷惑かなって思いながらもデートの誘いを送ってみる。
すると直ぐに返事が返ってきて少しワクワクしながらメールを開くと案の定「空いてません」とシンプルな返信だった。

クスクスと笑いながら「ランチはどうですか?」と送ってみた。
、、、返信こないな、忙しい?
返信は諦めて勉強に戻ろうとした時
隣から母の甘ったるい声が聞こえてきた。

、、、でよう。ここに居たくない。
泣きそうになって、寂しくなって
ここから離れたいってそう思って家を出た。

でも、いざ出ても行く場所がないな、、、
と、考えて。
でも無意識に足は動いてて。
気づいたら鳴瀬さんの住むマンションに来ていた。

、、、何してんの、俺。
でもせっかくだし、鳴瀬さんから直接デートの約束させてもらおうかな。

と、考えてエントランスで呼び出してみる
すると『はーい、どちら様?』と鳴瀬さんの声が聞こえてきた。

声を聞くだけで高揚する心を押さえつけながら
「こんにちは鳴瀬さん。少し時間いいですか?」とインターホンに話しかける。
『えっ!?鷹村君!?ち、ちょっとまっててすぐ開けるから!』
と、焦ったような声が聞こえてドアが開く。

鳴瀬さんの焦った顔が浮かんで少し笑いながらエントランスからロックが解除されたドアをくぐり、織宮家の玄関に向かう。
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