愛を知らない私と僕

8(夢乃視点)

「ばいばーい」
そう言って切った電話の相手は鳴瀬ことなっちゃん。
､､､困ってる人は放っておけないこだから。
でも、鷹村くんはゆめも気になってた。
嘘の笑顔で周りと接してる。
時々辛そうな顔も見る。
なにかしてあげられないかなって思って夢たちのいつも絡むメンバーに引き入れた。
少しだけど、辛さが和らいだかもわからない。
でも、本当の笑顔をすっごく稀に見れるようになった。よかった。
遠野くん、稲城くん、笠原くんも鷹村くんが大好きになったみたいだし。
いざとなったら守ってくれるよね。

あとの問題はなっちゃん。
ちっちゃい頃からずっと一緒。
だからずっと辛かったのも知ってる。
､､､今でも寂しがってるのも、知ってる。
ゆめは昔なっちゃんに助けてもらった。
すっごく感謝してるし、今でもそのおかげで幸せなの。
だから、なっちゃんにも幸せになって欲しいの。
､､､ゆっちゃんと仲直りして欲しい､､､。
ゆっちゃんは、本当はなっちゃんと仲良くしたいってゆってるの。
でも、ゆっちゃんも不器用な子。
話したくても申し訳なさと、気恥ずかしさが勝って話せなくなるって。言葉が出てこなくなるって。
､､､なっちゃんは知ってるのかな？
ゆっちゃん、学校ではなっちゃんの真似してるんだよ？
なっちゃんみたいになりたいって。
､､､“学校一可愛い”って言われてるけど、それ以外に“優しさの塊”“女神の化身”とか、言われてるんだよ？
､､､でも、ゆっちゃんよりもなっちゃんの方が不器用だもんね。
仲良くなりたくて、好みじゃないくせにゆっちゃんの好きなものを家に沢山置いてるし。
､､､本当に不器用な双子。ゆめは目が離せません。
早く、早く幸せになりますように。