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3章・ヒロイン大暴走
15話
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「あの子がマスクリート子爵令嬢、ねぇ」
「、、、消します?」
「ううん、まだ消すには罪が軽いかな」
「そうですね、勿体ないですし」
、、、勿体ない?
アイザック様がすごく恐ろしいことを言っている気がしますけど?ユーリ様も、消すとか1番言わなそうなのに。ヒロインのどの行動がこの人たちの琴線に触れたんでしょうか。
割と、そこそこ、穏やかな人達だとは思うんですけど。たぶん。
「それで、ナヴィ?そろそろ、どうしてマスクリート令嬢を庇うのか教えて貰えるかな?」
「庇っている訳では無いんですけど、、、」
「だけど、あんなに殿下が口撃しようとしてるのを必死になって止めようとしてただろう?何故そこまで必死になるんだ?」
アイザック様はまだ怒りが収まらないのか殺る気全開でこちらに問いかけてきました。
あの後、殿下が前に出た為直ぐにヒロインは彼の存在に気づいてボルトもびっくりな速さで猫を捕まえて被り直し、甘えた声で“ナヴィリア嬢に虐められてる”や“いかにナヴィリア嬢が残虐非道であるか”“皆がナヴィリア嬢に騙されている、嵌められている”などを人目の多い広めの廊下で熱弁してました。殆ど虚実でびっくりするほど穴のありすぎるシナリオでした。そのシナリオは私をストーリー内の行動に当て嵌めて考えたんでしょうか。
その熱弁が終わった後殿下が真っ黒オーラをより強めた状態でヒロインにシナリオの穴を次々指摘されてました。
さすがに、と思い私が間に入って止めようとしましたけど、如何せん戦力外通告された身。何故か私が怒られるというか褒められるというか。謎の状況になりました。
「へぇ、ナヴィ?庇うの?君、今そこの彼女に貶められそうだったんだのに?、、、ふぅん?可哀想?さすがだね、ナヴィは。本当に、君は可愛くていい子で真っ白で。私が見ていないと誰かに連れ攫われそうだ、、、いっそ私が連れ去ってしまいたいほどだけど。え?話が変わってきている?そんな事ないよ。君が危機感を持たないから危ないよねって話だからね?」といった具合に。これは、はたして褒められてるのか貶されてるのか、全くもって分からないお言葉が投げかけられました。私的には貶されてると思います。相手は殿下だし。
そんなちょっと謎のカオスな状態になった所でユーリ様とアイザック様が駆け付けた為その場は解散されました。
私は研究室に引きずられて行き、去り際にちらりと見たヒロインは誰にも見向きもされず、放置されてました。
そして研究室に着いてから、レオンハルト様に「じゃあ、庇った理由、教えてくれるね?」と大変お強い圧がかかった綺麗な笑顔をこちらに向けてきました。これって私死にます?
流石にヒロインが転生者かもしれないから、とは私が転生者である事までバレてしまうので言えないですし。
かと言って、嘘は一瞬で見抜かれますし。オブラートは破り裂かれますし。打つ手無しです。このまま黙秘で貫くしかありません。
「、、、まぁ、ナヴィの抵抗は全くもって意味をなさなかったけどね」
ユーリ様、後ろで静かに笑わないで頂けます?戦力外通告受けたにしてはだいぶ善戦したと思うんですけど。え、全くダメ?、、、そうですか。
「理由については私情もあるので言うつもりはありません。ですが手助けは今回限りです。」
「、、、ふぅん?」
今回の事でヒロインがこの世界は小説や乙女ゲームとは全く変わってしまっていること、全く別の場所だ、という事に気付けばいいんですけど。
とにかく、1回失敗すれば「何がダメだったのか、なぜこうなったのか」とか、色々考えればちゃんと気づけて、もう暴走はしない、、、はずです。多分。電波系の方みたいなのでどうなるかは全く分かりません。
「、、、本当にナヴィは優しいね?でも少しでも良いから周囲に頼る事を覚えようね?」
「こんな簡単な事で殿下方のお手を煩わせる訳にはいきませんので。」
「そういうところですよ、ナヴィ」
アイザック様にため息をつかれました。
ユーリ様もやれやれと呆れた顔でこちらを見てきます。
そんなことを言われても、年下に頼ろうと思えるほどプライドがない訳では無いので頭の中にそんな考えが浮かばないんですよね。プライド自体は殆ど欠片しかないようなものですけど。この身体が小さい時に砕け散ってますから。えぇ。
あの辺境ではプライドなんて邪魔なものでしかありませんでした。ほんとに、生きててよかった。
「、、、ナヴィが納得してくれるまで、理由、説明しようか?」
「、、、はい?」
不穏な言葉が聞こえたような気がします。
気のせいですか?そうですよね。では、今日はもう授業時間も過ぎて、生徒のほとんどが帰宅してますし私も帰宅しましょうか。そうしましょう。
「ナヴィ?何処に行くの?今から話すんだからここに座って?」
意を決して立ち上がり、自分の荷物を取りに席へ戻ろうとするとスっとユーリ様に行く手を阻まれ、荷物はアイザック様に人じ、、、いえ、回収され、見事な黒い笑顔でレオンハルト様に着席を言い渡されました。無駄の無い連携プレー、流石です。普段からそのくらい協力してくれれば良いんですけどね。
、、、いえ、殿下。何も悪いことなんて考えてないですよ。えぇ。そんな、悪いことなんて。
そんな事より早く座って説明を聞いて?
、、、あの言葉は気のせいではなかった、という事ですか。そうですか。
私は今日中に家に帰れますかね?経験則から察するに帰れなさそうなんですけども。
遅くなる、と家に連絡を入れておかないとですけどそんな隙もありません。詰んだ。セリウスとロゼが学園に乗り込んで来ないことを祈ってます。
さーて、ここからは無心の時間です。
頭を空っぽにして、右から左へ言葉を流していきます。私は何も聞いていないし見てもいません。
えぇ、褒め殺しなんて私には効かないという事をそろそろ自覚して頂かなくては。
、、、これのせいで日付を越えても帰れないのでは、という言葉は受け付けていません。こうするしかSAN値が持たないので。
「、、、消します?」
「ううん、まだ消すには罪が軽いかな」
「そうですね、勿体ないですし」
、、、勿体ない?
アイザック様がすごく恐ろしいことを言っている気がしますけど?ユーリ様も、消すとか1番言わなそうなのに。ヒロインのどの行動がこの人たちの琴線に触れたんでしょうか。
割と、そこそこ、穏やかな人達だとは思うんですけど。たぶん。
「それで、ナヴィ?そろそろ、どうしてマスクリート令嬢を庇うのか教えて貰えるかな?」
「庇っている訳では無いんですけど、、、」
「だけど、あんなに殿下が口撃しようとしてるのを必死になって止めようとしてただろう?何故そこまで必死になるんだ?」
アイザック様はまだ怒りが収まらないのか殺る気全開でこちらに問いかけてきました。
あの後、殿下が前に出た為直ぐにヒロインは彼の存在に気づいてボルトもびっくりな速さで猫を捕まえて被り直し、甘えた声で“ナヴィリア嬢に虐められてる”や“いかにナヴィリア嬢が残虐非道であるか”“皆がナヴィリア嬢に騙されている、嵌められている”などを人目の多い広めの廊下で熱弁してました。殆ど虚実でびっくりするほど穴のありすぎるシナリオでした。そのシナリオは私をストーリー内の行動に当て嵌めて考えたんでしょうか。
その熱弁が終わった後殿下が真っ黒オーラをより強めた状態でヒロインにシナリオの穴を次々指摘されてました。
さすがに、と思い私が間に入って止めようとしましたけど、如何せん戦力外通告された身。何故か私が怒られるというか褒められるというか。謎の状況になりました。
「へぇ、ナヴィ?庇うの?君、今そこの彼女に貶められそうだったんだのに?、、、ふぅん?可哀想?さすがだね、ナヴィは。本当に、君は可愛くていい子で真っ白で。私が見ていないと誰かに連れ攫われそうだ、、、いっそ私が連れ去ってしまいたいほどだけど。え?話が変わってきている?そんな事ないよ。君が危機感を持たないから危ないよねって話だからね?」といった具合に。これは、はたして褒められてるのか貶されてるのか、全くもって分からないお言葉が投げかけられました。私的には貶されてると思います。相手は殿下だし。
そんなちょっと謎のカオスな状態になった所でユーリ様とアイザック様が駆け付けた為その場は解散されました。
私は研究室に引きずられて行き、去り際にちらりと見たヒロインは誰にも見向きもされず、放置されてました。
そして研究室に着いてから、レオンハルト様に「じゃあ、庇った理由、教えてくれるね?」と大変お強い圧がかかった綺麗な笑顔をこちらに向けてきました。これって私死にます?
流石にヒロインが転生者かもしれないから、とは私が転生者である事までバレてしまうので言えないですし。
かと言って、嘘は一瞬で見抜かれますし。オブラートは破り裂かれますし。打つ手無しです。このまま黙秘で貫くしかありません。
「、、、まぁ、ナヴィの抵抗は全くもって意味をなさなかったけどね」
ユーリ様、後ろで静かに笑わないで頂けます?戦力外通告受けたにしてはだいぶ善戦したと思うんですけど。え、全くダメ?、、、そうですか。
「理由については私情もあるので言うつもりはありません。ですが手助けは今回限りです。」
「、、、ふぅん?」
今回の事でヒロインがこの世界は小説や乙女ゲームとは全く変わってしまっていること、全く別の場所だ、という事に気付けばいいんですけど。
とにかく、1回失敗すれば「何がダメだったのか、なぜこうなったのか」とか、色々考えればちゃんと気づけて、もう暴走はしない、、、はずです。多分。電波系の方みたいなのでどうなるかは全く分かりません。
「、、、本当にナヴィは優しいね?でも少しでも良いから周囲に頼る事を覚えようね?」
「こんな簡単な事で殿下方のお手を煩わせる訳にはいきませんので。」
「そういうところですよ、ナヴィ」
アイザック様にため息をつかれました。
ユーリ様もやれやれと呆れた顔でこちらを見てきます。
そんなことを言われても、年下に頼ろうと思えるほどプライドがない訳では無いので頭の中にそんな考えが浮かばないんですよね。プライド自体は殆ど欠片しかないようなものですけど。この身体が小さい時に砕け散ってますから。えぇ。
あの辺境ではプライドなんて邪魔なものでしかありませんでした。ほんとに、生きててよかった。
「、、、ナヴィが納得してくれるまで、理由、説明しようか?」
「、、、はい?」
不穏な言葉が聞こえたような気がします。
気のせいですか?そうですよね。では、今日はもう授業時間も過ぎて、生徒のほとんどが帰宅してますし私も帰宅しましょうか。そうしましょう。
「ナヴィ?何処に行くの?今から話すんだからここに座って?」
意を決して立ち上がり、自分の荷物を取りに席へ戻ろうとするとスっとユーリ様に行く手を阻まれ、荷物はアイザック様に人じ、、、いえ、回収され、見事な黒い笑顔でレオンハルト様に着席を言い渡されました。無駄の無い連携プレー、流石です。普段からそのくらい協力してくれれば良いんですけどね。
、、、いえ、殿下。何も悪いことなんて考えてないですよ。えぇ。そんな、悪いことなんて。
そんな事より早く座って説明を聞いて?
、、、あの言葉は気のせいではなかった、という事ですか。そうですか。
私は今日中に家に帰れますかね?経験則から察するに帰れなさそうなんですけども。
遅くなる、と家に連絡を入れておかないとですけどそんな隙もありません。詰んだ。セリウスとロゼが学園に乗り込んで来ないことを祈ってます。
さーて、ここからは無心の時間です。
頭を空っぽにして、右から左へ言葉を流していきます。私は何も聞いていないし見てもいません。
えぇ、褒め殺しなんて私には効かないという事をそろそろ自覚して頂かなくては。
、、、これのせいで日付を越えても帰れないのでは、という言葉は受け付けていません。こうするしかSAN値が持たないので。
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