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2章・攻略対象者との出会い
13話
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王都生活を続けて4年が経ちました。
私は現在12歳ですね。さらっとエピソード中に8歳の誕生日を迎えておりました。沢山御祝いしてもらいました。幸せ。
さて雀の涙程の知識では、小説・ゲームどちらも12歳から学園に5年通う中で、ストーリーが進みます。
12歳、、、ここまで長かった。そしてこれからもながーい。
一応入学試験がありました。
文句無しの満点です。ありがとうございます。
レオンハルト様もアイザック様も満点だそうで、新入生挨拶は位の高さから殿下が行うことになりました。忘れがちなんですけど一応王族ですから。
試験に関しては難しいって言ってた気がしたんですけど、やっぱりそうでもなかったです。緊張して損したような?
そして入学して3ヶ月位で私含めた満点3人組が学園長に呼び出され「もう授業受けなくていいよというか頼む受けないでくれ」と言われました。
いえ、暴れてないですよ。ただいつものお爺さんとの討論の感覚で先生の言ったことに意見してただけです。言葉の大暴れ、、、?間違いでは無いですね。
私達の返答がレベルが高すぎて教師は随分と心が折られてしまったようで、訴えが学園長に大勢寄せられたそうです。ごめんなさい。反省も後悔もして無いですけど。
でも流石にたった3ヶ月で卒業するわけにもいかないので、学年には名前だけ置いて、研究室借りてそこで過ごすことになりました。
ユーリ様ですか?学園にいますよ、一応最終学年に上位の順位で。
12歳で入学なのに、サボって王城に来ていましたがちゃんと勉強は出来るし王子のお世話、という名目でサボっていたらしいので目を瞑っていて貰えたみたいです。実際は王城でナンパしまくってただけですけど。権力って怖い。
そして研究室を頂けましたが、王城程やりたい放題すると個人情報ダダ漏れでものすごく危険なので、のんびり古代語の翻訳をする事になりました。
テンプレの『古代語は日本語』でした。翻訳が捗ってしょうがないですね。
ちなみになんですけど、こちらの世界の文字に関しては子供の頃から習っているので難なく書ける、と言った所です。書くのに関しては翻訳チートはありませんでした。聴くや喋る事に関してはどの言語でも通用するようで。歩くポケ○ークですね。
なので、いかにも難しいですよー分かりにくいですよーみたいな風を装って研究室でそれはそれは優雅に過ごしております。チート最高。
「ね?だから今週末のデートは私の番のはずだよ。」
「いいえ殿下、その前の私の番を殿下にお譲りしてるので今回は私の番のはずです。」
「いや?それは以前のお茶会のエスコートでチャラになったはずだけどな?」
「いいえ、それはまた別の交渉をしましたよ」
えぇ、それはそれは優雅です。目の前のヒバナなんて見えませんよ。デートなんて知りません。
私の週末は妹と弟と過ごすことで随分先まで埋まってますから。
既視感?気の所為ですよ、きっと。
「失礼します、アスタロン令嬢、学園長が呼んでるみたいですよ」
2人とは他人のフリをしながら日本語こちらの言語に翻訳していると1人の令息が顔を覗かせ声を掛けてきた。
「学園長が?分かりました。わざわざありがとうございます。」
「いえ!アスタロン辺境伯令嬢とお話出来てこちらこそ光栄ですから!」
「、、、そう、ですか、、、それは、良かったです」
息荒く、キラキラした目でこちらを見るので若干押され気味でお礼を述べそのまま学園長室へ向かう。
学園長室に入ると応接ソファに向かいあわせで学園長とやや大柄な青年が座っており、心なしか学園長がソワソワして落ち着かない雰囲気を出していました。お花摘みですかね、、、ごめんなさい。
「失礼致します。学園長、お呼びでしょうか。」
「あぁ来たね、ナヴィリア嬢。紹介しよう、ラファイア国王弟殿下のロヴル・エヴァンズ公爵様だ。」
「エヴァンズ公爵様、お初お目にかかります。アスタロン辺境伯が長女、ナヴィリア・アスタロンです。」
「、、、あぁ、よろしく頼む」
こちらをみて、軽く頷くロヴル様。
「公爵はこちらに留学してきたんだよ。ナヴィリア嬢には公爵の案内役兼世話役として学園を案内してもらえるかい?」
「、、、研究がありますが。」
「うん、よろしくね?」
「、、、かしこまりました。では公爵様、参りましょうか。」
ロヴル様は軽く頷き、ドアへ向かうのでその隙にこっそり学園長に理由を問うと「勇者としてこちらにお披露目を兼ねているらしい。下手に問題起こす訳にも行かないから陛下のお気に入りであるナヴィリア嬢に頼もうと思って。」との事。
つまり面倒事を押し付けたんですね。
ロヴル様は隣国ラファイア国の勇者として随分と世間を賑わせている方です。
なんでも、魔物のスタンピートが発生した際にほぼ1人で鎮圧したとの事。凄い。
規模にもよりますけど、我が父ではおそらく難しい難易度のはず。
一体ならともかく、結構な強敵が無作為に大勢で押し寄せてくるため手が足りなくなるんですよ。
私ですか?、、、どうなんでしょう?
オタ活で手に入れた技術や道具を使えばもしかしたら倒せるかも、、、?
というぐらいの難易度です。ほんとに難しい。
その勇者を連れて学園を練り歩きます。凄く視線が刺さる。後頭部焼けてません?
ロヴル様はユーリ様と同じ最終学年で、こちらで卒業した後に向こうに戻るそうです。
向こうの学園は既に卒業認定証を貰っているので、卒業したら向こうの国の騎士団に入団するとの事。勇者が騎士団に入れば国の治安はとても良くなりそうですね。
といった内容を話しながら視線を無視して案内を進めます。
「あちらにいらっしゃるのはラファイアの勇者様ではなくて?」
「まぁ、なんて素敵なお方なのでしょう!」
「カッケーな、王族で勇者だもんな」
「そんな肩書きじゃ恐れ多くて近寄れないよな」
と、遠巻きに聞きながら主な場所の紹介をし終えました。
細かな教室については随時必要になった際に少しずつ教えていく方針です。どうせ世話係で基本的にはそばに居ることになるので。私の優雅な研究時間を返して頂きたいです。本当に。
学園紹介に関しては最初にまとめて教わっても絶対後で「あれ?何処だっけ?」ってなるので後々にまわしてます。経験談です。
「これでこの学園の主要な場所は説明し終わりました。もう一度行きたい場所や道中気になった場所等ございましたら今からご紹介致しますが、いかがなさいますか?」
紹介をしても何一つ興味を持たれなかったのでこのまま寮に案内して解散になるかな、と思ったもののもしかしたら顔に出ないだけな可能性もあるので尋ねたところ
「、、、君の、研究室を見てみたい。」
と言われました。聞いといてよかったー!
すなわち公爵は顔に出ない族ですか。
「、、、研究室ですか。かしこまりました。こちらです。」
と言って案内しました。研究室。
学園長に呼ばれるまでは全員居た筈なのに誰も居なくなりました。自由ですね。
とりあえずお茶とお菓子を振る舞い、学園の印象を尋ねました。
「、、、君は先程の学生達の言葉を聞いていたか?」
「公爵を褒め称えていたことでしょうか?」
「褒めたたえて、、、ふむ、君はあれをそう取ったか。」
「公爵は違うと?」
「あれは恐れだ、と私は思っている。」
「恐れ、、、畏敬ということでしょうか?」
「畏敬、、、そうだな、それが正しいのかもしれない。」
「学生達の態度は公爵にとってあまりよろしくはない、ということでしょうか。」
「いや、、、そうでは無い。私は若輩者でありながら、勇者として多くの者に讃えられた。それはとてもありがたいことだ。だが、それだけなのだ。」
「それだけ、とは?」
「私はいつも孤独に居る。皆が私を畏敬し、そばには近寄らない。」
なるほど、確かに『恐れ多くて近寄れない』と誰かが言って居ましたけど。つまりロヴル様は寂しいってことでしょうか?
「他国に留学なさった理由はもしやそれですか?」
「あぁ、自国でなければ勇者という肩書きは役に立たないと思っていたのだ。」結果としては無駄足だった気もするがな。と自嘲気味に笑う公爵。
公爵、、、笑えたんですね。顔に出るじゃないですか。私と同類だと思っていたのに。
「、、、少なくとも私は公爵を尊敬はしますが恐れはしません。」
「何故か聞いても?」
「勇者としてのご活躍は拝見しております。魔術・剣術併せて優れた技術をお持ちであると。」
「、、、それで?」
「私が本当にすごいと思うのは、公爵はその力に驕らず努力を続けていらっしゃる事やその力を誰かを虐げる為にお使いになっていない事です。」
「当たり前のことだろう。強者は弱者を守る為、力をつけも努力を続けるのだから。」
「そう考える者が少ないんですよ。」
力をもてば気は大きくなり、努力を怠り守るべき対象に力を使ってしまい、その結果力を過信し身を滅ぼす事になる。が、テンプレですよ。
「公爵は私達を力でねじ伏せようとしますか?」
「するわけが無いだろう!先程も言ったが私は弱き者を守る使命なのだから。」
「でしたら私に公爵を恐れる理由はありません。」
「、、、そうか、アスタロン令嬢は面白い考え方をするのだな。」
「そうですか?私の周りの者は皆似たような考え方ですよ」
私中心過ぎて他に関心がない、とも言えますけど。
「そうか」
少し拍子抜けしたような表情で脱力して先程立ち上がった席に再び座り直しました。そのソファふかふかですよね。私のお気に入りなんです。人をダメにする何かがはいってます。たぶん。
「公爵さえよろしければ、ここにいつでもいらしてください。きっとここでは勇者としてでなく公爵自身を見る方が多いので。」
「、、、そうか」
最初に会った時よりも幾分か柔らかい表情になりました。公爵。
ソファの魔力恐ろしいですよね。え?違います?
公爵は現在17歳ですもんね、その歳で国背負うなんて随分と重たいプレッシャーでしょうしそばにいて支えてくれる人も居ないのはしんどかったと思います。
せめて、ここにいる時だけでものんびりして貰えるように研究室はロヴル様も入れるようにしておこうかなと思います。後でレオンハルト様に怒られるのは確実ですけど。ユーリ様を盾にするので。問題無しです。
と黒い笑顔の第2王子にビビりながらも自己完結していたところ「、、、君は、この国最強と聞いた。是非私と手合わせ願えないだろうか?」と言われました。
あれ?私学園の印象聞きましたよね?なぜ?
私は現在12歳ですね。さらっとエピソード中に8歳の誕生日を迎えておりました。沢山御祝いしてもらいました。幸せ。
さて雀の涙程の知識では、小説・ゲームどちらも12歳から学園に5年通う中で、ストーリーが進みます。
12歳、、、ここまで長かった。そしてこれからもながーい。
一応入学試験がありました。
文句無しの満点です。ありがとうございます。
レオンハルト様もアイザック様も満点だそうで、新入生挨拶は位の高さから殿下が行うことになりました。忘れがちなんですけど一応王族ですから。
試験に関しては難しいって言ってた気がしたんですけど、やっぱりそうでもなかったです。緊張して損したような?
そして入学して3ヶ月位で私含めた満点3人組が学園長に呼び出され「もう授業受けなくていいよというか頼む受けないでくれ」と言われました。
いえ、暴れてないですよ。ただいつものお爺さんとの討論の感覚で先生の言ったことに意見してただけです。言葉の大暴れ、、、?間違いでは無いですね。
私達の返答がレベルが高すぎて教師は随分と心が折られてしまったようで、訴えが学園長に大勢寄せられたそうです。ごめんなさい。反省も後悔もして無いですけど。
でも流石にたった3ヶ月で卒業するわけにもいかないので、学年には名前だけ置いて、研究室借りてそこで過ごすことになりました。
ユーリ様ですか?学園にいますよ、一応最終学年に上位の順位で。
12歳で入学なのに、サボって王城に来ていましたがちゃんと勉強は出来るし王子のお世話、という名目でサボっていたらしいので目を瞑っていて貰えたみたいです。実際は王城でナンパしまくってただけですけど。権力って怖い。
そして研究室を頂けましたが、王城程やりたい放題すると個人情報ダダ漏れでものすごく危険なので、のんびり古代語の翻訳をする事になりました。
テンプレの『古代語は日本語』でした。翻訳が捗ってしょうがないですね。
ちなみになんですけど、こちらの世界の文字に関しては子供の頃から習っているので難なく書ける、と言った所です。書くのに関しては翻訳チートはありませんでした。聴くや喋る事に関してはどの言語でも通用するようで。歩くポケ○ークですね。
なので、いかにも難しいですよー分かりにくいですよーみたいな風を装って研究室でそれはそれは優雅に過ごしております。チート最高。
「ね?だから今週末のデートは私の番のはずだよ。」
「いいえ殿下、その前の私の番を殿下にお譲りしてるので今回は私の番のはずです。」
「いや?それは以前のお茶会のエスコートでチャラになったはずだけどな?」
「いいえ、それはまた別の交渉をしましたよ」
えぇ、それはそれは優雅です。目の前のヒバナなんて見えませんよ。デートなんて知りません。
私の週末は妹と弟と過ごすことで随分先まで埋まってますから。
既視感?気の所為ですよ、きっと。
「失礼します、アスタロン令嬢、学園長が呼んでるみたいですよ」
2人とは他人のフリをしながら日本語こちらの言語に翻訳していると1人の令息が顔を覗かせ声を掛けてきた。
「学園長が?分かりました。わざわざありがとうございます。」
「いえ!アスタロン辺境伯令嬢とお話出来てこちらこそ光栄ですから!」
「、、、そう、ですか、、、それは、良かったです」
息荒く、キラキラした目でこちらを見るので若干押され気味でお礼を述べそのまま学園長室へ向かう。
学園長室に入ると応接ソファに向かいあわせで学園長とやや大柄な青年が座っており、心なしか学園長がソワソワして落ち着かない雰囲気を出していました。お花摘みですかね、、、ごめんなさい。
「失礼致します。学園長、お呼びでしょうか。」
「あぁ来たね、ナヴィリア嬢。紹介しよう、ラファイア国王弟殿下のロヴル・エヴァンズ公爵様だ。」
「エヴァンズ公爵様、お初お目にかかります。アスタロン辺境伯が長女、ナヴィリア・アスタロンです。」
「、、、あぁ、よろしく頼む」
こちらをみて、軽く頷くロヴル様。
「公爵はこちらに留学してきたんだよ。ナヴィリア嬢には公爵の案内役兼世話役として学園を案内してもらえるかい?」
「、、、研究がありますが。」
「うん、よろしくね?」
「、、、かしこまりました。では公爵様、参りましょうか。」
ロヴル様は軽く頷き、ドアへ向かうのでその隙にこっそり学園長に理由を問うと「勇者としてこちらにお披露目を兼ねているらしい。下手に問題起こす訳にも行かないから陛下のお気に入りであるナヴィリア嬢に頼もうと思って。」との事。
つまり面倒事を押し付けたんですね。
ロヴル様は隣国ラファイア国の勇者として随分と世間を賑わせている方です。
なんでも、魔物のスタンピートが発生した際にほぼ1人で鎮圧したとの事。凄い。
規模にもよりますけど、我が父ではおそらく難しい難易度のはず。
一体ならともかく、結構な強敵が無作為に大勢で押し寄せてくるため手が足りなくなるんですよ。
私ですか?、、、どうなんでしょう?
オタ活で手に入れた技術や道具を使えばもしかしたら倒せるかも、、、?
というぐらいの難易度です。ほんとに難しい。
その勇者を連れて学園を練り歩きます。凄く視線が刺さる。後頭部焼けてません?
ロヴル様はユーリ様と同じ最終学年で、こちらで卒業した後に向こうに戻るそうです。
向こうの学園は既に卒業認定証を貰っているので、卒業したら向こうの国の騎士団に入団するとの事。勇者が騎士団に入れば国の治安はとても良くなりそうですね。
といった内容を話しながら視線を無視して案内を進めます。
「あちらにいらっしゃるのはラファイアの勇者様ではなくて?」
「まぁ、なんて素敵なお方なのでしょう!」
「カッケーな、王族で勇者だもんな」
「そんな肩書きじゃ恐れ多くて近寄れないよな」
と、遠巻きに聞きながら主な場所の紹介をし終えました。
細かな教室については随時必要になった際に少しずつ教えていく方針です。どうせ世話係で基本的にはそばに居ることになるので。私の優雅な研究時間を返して頂きたいです。本当に。
学園紹介に関しては最初にまとめて教わっても絶対後で「あれ?何処だっけ?」ってなるので後々にまわしてます。経験談です。
「これでこの学園の主要な場所は説明し終わりました。もう一度行きたい場所や道中気になった場所等ございましたら今からご紹介致しますが、いかがなさいますか?」
紹介をしても何一つ興味を持たれなかったのでこのまま寮に案内して解散になるかな、と思ったもののもしかしたら顔に出ないだけな可能性もあるので尋ねたところ
「、、、君の、研究室を見てみたい。」
と言われました。聞いといてよかったー!
すなわち公爵は顔に出ない族ですか。
「、、、研究室ですか。かしこまりました。こちらです。」
と言って案内しました。研究室。
学園長に呼ばれるまでは全員居た筈なのに誰も居なくなりました。自由ですね。
とりあえずお茶とお菓子を振る舞い、学園の印象を尋ねました。
「、、、君は先程の学生達の言葉を聞いていたか?」
「公爵を褒め称えていたことでしょうか?」
「褒めたたえて、、、ふむ、君はあれをそう取ったか。」
「公爵は違うと?」
「あれは恐れだ、と私は思っている。」
「恐れ、、、畏敬ということでしょうか?」
「畏敬、、、そうだな、それが正しいのかもしれない。」
「学生達の態度は公爵にとってあまりよろしくはない、ということでしょうか。」
「いや、、、そうでは無い。私は若輩者でありながら、勇者として多くの者に讃えられた。それはとてもありがたいことだ。だが、それだけなのだ。」
「それだけ、とは?」
「私はいつも孤独に居る。皆が私を畏敬し、そばには近寄らない。」
なるほど、確かに『恐れ多くて近寄れない』と誰かが言って居ましたけど。つまりロヴル様は寂しいってことでしょうか?
「他国に留学なさった理由はもしやそれですか?」
「あぁ、自国でなければ勇者という肩書きは役に立たないと思っていたのだ。」結果としては無駄足だった気もするがな。と自嘲気味に笑う公爵。
公爵、、、笑えたんですね。顔に出るじゃないですか。私と同類だと思っていたのに。
「、、、少なくとも私は公爵を尊敬はしますが恐れはしません。」
「何故か聞いても?」
「勇者としてのご活躍は拝見しております。魔術・剣術併せて優れた技術をお持ちであると。」
「、、、それで?」
「私が本当にすごいと思うのは、公爵はその力に驕らず努力を続けていらっしゃる事やその力を誰かを虐げる為にお使いになっていない事です。」
「当たり前のことだろう。強者は弱者を守る為、力をつけも努力を続けるのだから。」
「そう考える者が少ないんですよ。」
力をもてば気は大きくなり、努力を怠り守るべき対象に力を使ってしまい、その結果力を過信し身を滅ぼす事になる。が、テンプレですよ。
「公爵は私達を力でねじ伏せようとしますか?」
「するわけが無いだろう!先程も言ったが私は弱き者を守る使命なのだから。」
「でしたら私に公爵を恐れる理由はありません。」
「、、、そうか、アスタロン令嬢は面白い考え方をするのだな。」
「そうですか?私の周りの者は皆似たような考え方ですよ」
私中心過ぎて他に関心がない、とも言えますけど。
「そうか」
少し拍子抜けしたような表情で脱力して先程立ち上がった席に再び座り直しました。そのソファふかふかですよね。私のお気に入りなんです。人をダメにする何かがはいってます。たぶん。
「公爵さえよろしければ、ここにいつでもいらしてください。きっとここでは勇者としてでなく公爵自身を見る方が多いので。」
「、、、そうか」
最初に会った時よりも幾分か柔らかい表情になりました。公爵。
ソファの魔力恐ろしいですよね。え?違います?
公爵は現在17歳ですもんね、その歳で国背負うなんて随分と重たいプレッシャーでしょうしそばにいて支えてくれる人も居ないのはしんどかったと思います。
せめて、ここにいる時だけでものんびりして貰えるように研究室はロヴル様も入れるようにしておこうかなと思います。後でレオンハルト様に怒られるのは確実ですけど。ユーリ様を盾にするので。問題無しです。
と黒い笑顔の第2王子にビビりながらも自己完結していたところ「、、、君は、この国最強と聞いた。是非私と手合わせ願えないだろうか?」と言われました。
あれ?私学園の印象聞きましたよね?なぜ?
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