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「急展開」
「急展開」
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「急展開」
「これ、君のだよね。」
如月は声を掛けられた時一条から声を掛けられたなんて思いもしなかった。
ー どうして一条が?
まさかこんな時に声を掛けられるとは。
「このキーホルダーいつも付けてるよね?」
一条は困惑している如月に何度も声を掛けキーホルダーを如月の前に差し出した。
「あ、それ俺の…..!!どこでそれを…..!!」
如月は一瞬いつも俺のことを見ていたのはこのキーホルダーが欲しかったからなのかと顔を顰めた。
「待って、もしかして俺が取ったって疑ってるでしょ?階段の近くに落ちてたからさっき拾ったんだよ。」
一条は如月の表情から感情を直ぐに汲み取り疑いを晴らそうと言葉では冷静だが内心焦っていた。
「…..そうなの…..?」
「そうだよ。」
「あ、ありがとう…..一瞬疑ったかも…..ごめん…..」
一条は如月からの疑いが晴れて安心していた。
「いいよ、こっちこそ急に驚かせてごめんね。」
「そ、それは…..」
— いつも見つめてくるだけだった一条が急に話しかけてきて驚いて…..
少しの間二人の間に沈黙が生まれた。
「そういえばどうしてそんなに急いでたの?もしかしてキーホルダーを探しに?」
「えっと…..」
一条にどうして急いでいたか聞かれさっきの自分を思い出して如月は恥ずかしくなった。
「まぁ、いろいろあるよね。」
それ以上追求してこない一条に如月は安心していた。
「もう帰るの?駅同じだよな。それなら一緒に行かない?」
一条はせっかくのチャンスを無駄にしないよう如月に駅まで一緒に行かないか提案した。
「.....うん。」
如月と一条は駅まで向かった。
真横に歩いている如月の方に一条は何度も視線を送っていた。
ー 横に居るのになんで一条は何度も見てくるんだよ.....
「あ、あのさ.....気になってたんだけどなんでいつも俺の事見てくるの.....?」
遂に如月は気になっていた事を一条本人に聞いた。
「.....あぁ、気づいてたのか。」
ー 気づかない方がおかしいか。
「.....うん.....その、なんでかなって.....」
「好きだからかな。」
「.....え!?」
思いもよらない言葉に如月は小さな体を跳ねさせ大きな声を出した。
「そ、そんな俺男だよ!?それに睨んでる時もあると思ってたから.....嘘だよね....!?」
「ほんとだよ。初めから可愛いと思ってたんだよ。それに俺目が悪いから睨んでるように見えたのかもしれないな。」
初めは話しかけるのも勇気が出なかった一条は如月と一度話すと心の奥底に溜まっていた言葉が溢れてきた。
「は、初めから.....!?」
「そう、初めからだよ。入学式の時から。」
如月は一条から発される言葉の全てが驚きで動揺を隠せなかった。
「え!なんで.....!?」
「なんでって綺麗な顔に可愛い身長だったからかな?」
「男なのに!?」
如月は一条に質問攻めしていた。
「男とか女とかって言うか俺、男が好きだからかな。」
まさかの発言に如月は少し冷静になった。
「.....そう、なんだ.....ごめん.....」
一条は首を傾けていた。
「別に謝ることじゃないよ。普通とは違うからね。」
「.....そうじゃないけど.....」
二人は気が付くと学校の最寄り駅に着いていた。
電車に乗りこみその後は特に会話もなくただ電車に二人揺られていた。
一条の最寄り駅に着いたが一条は降りなかった。
「あれ、駅降りないの?」
ー ここ最寄りだよな?
如月はいつもこの駅から乗ってくる一条が電車を降りないことを不思議に思っていた。
「あぁ、バイトがあるからあと二駅先で降りるんだよ。」
「じゃあ俺と同じか」
「そうなの?」
一条は如月が先に乗っているのはもちろん知っていたがどの駅から乗ってきていたのかは知らなかった。
「俺の家の最寄りも二駅先なんだよ。」
「そうだったんだ。」
ー 如月とバイト先の最寄り同じだったのか。
一条は如月の初情報を本人から知り心の中で喜んでいた。
また二人は静かに電車に揺られる。
そこから二駅先の最寄り駅で二人は電車を降りた。
駅からの道は二人バラバラの道だった。
「じゃ、俺こっちだから…..」
如月は一条にそう言った。
「そっか。じゃあまた。」
名残惜しさを感じながら一条もまた如月に別れを告げた。
「じゃあ、また.....」
互いに背を向け歩き始めようとした。
その時だった。
「あ、あの!待って.....!!」
如月からの言葉で一条は直ぐに振り返った。
「どうした?」
「あの、キーホルダー.....実は大切な物だったんだ.....」
「そうだったんだ。」
「その、キーホルダーおばあちゃんの形見、だったんだ.....」
如月はなぜか一条には言ってもいい気がした。
「そっか、大切な物だったんだな。」
「.....その、だから.....拾ってくれてありがとう.....」
如月は最後になるにつれて声が小さくなって言った。
「もう落とさないように気を付けてな。」
一条はそう優しく如月に言った。
「うん.....」
「後、さっき俺が言った事忘れないで。」
「え!あ.....うん.....」
如月はまだ認め難かったが一条の優しさに少し心を許した自分を感じ言われた通り忘れないでおこうと思った。
それと同時に忘れられるわけが無いとも思った。
「じゃ、また明日。」
「.....じゃあまた明日.....」
二人は違う道を歩いて行った·····
「これ、君のだよね。」
如月は声を掛けられた時一条から声を掛けられたなんて思いもしなかった。
ー どうして一条が?
まさかこんな時に声を掛けられるとは。
「このキーホルダーいつも付けてるよね?」
一条は困惑している如月に何度も声を掛けキーホルダーを如月の前に差し出した。
「あ、それ俺の…..!!どこでそれを…..!!」
如月は一瞬いつも俺のことを見ていたのはこのキーホルダーが欲しかったからなのかと顔を顰めた。
「待って、もしかして俺が取ったって疑ってるでしょ?階段の近くに落ちてたからさっき拾ったんだよ。」
一条は如月の表情から感情を直ぐに汲み取り疑いを晴らそうと言葉では冷静だが内心焦っていた。
「…..そうなの…..?」
「そうだよ。」
「あ、ありがとう…..一瞬疑ったかも…..ごめん…..」
一条は如月からの疑いが晴れて安心していた。
「いいよ、こっちこそ急に驚かせてごめんね。」
「そ、それは…..」
— いつも見つめてくるだけだった一条が急に話しかけてきて驚いて…..
少しの間二人の間に沈黙が生まれた。
「そういえばどうしてそんなに急いでたの?もしかしてキーホルダーを探しに?」
「えっと…..」
一条にどうして急いでいたか聞かれさっきの自分を思い出して如月は恥ずかしくなった。
「まぁ、いろいろあるよね。」
それ以上追求してこない一条に如月は安心していた。
「もう帰るの?駅同じだよな。それなら一緒に行かない?」
一条はせっかくのチャンスを無駄にしないよう如月に駅まで一緒に行かないか提案した。
「.....うん。」
如月と一条は駅まで向かった。
真横に歩いている如月の方に一条は何度も視線を送っていた。
ー 横に居るのになんで一条は何度も見てくるんだよ.....
「あ、あのさ.....気になってたんだけどなんでいつも俺の事見てくるの.....?」
遂に如月は気になっていた事を一条本人に聞いた。
「.....あぁ、気づいてたのか。」
ー 気づかない方がおかしいか。
「.....うん.....その、なんでかなって.....」
「好きだからかな。」
「.....え!?」
思いもよらない言葉に如月は小さな体を跳ねさせ大きな声を出した。
「そ、そんな俺男だよ!?それに睨んでる時もあると思ってたから.....嘘だよね....!?」
「ほんとだよ。初めから可愛いと思ってたんだよ。それに俺目が悪いから睨んでるように見えたのかもしれないな。」
初めは話しかけるのも勇気が出なかった一条は如月と一度話すと心の奥底に溜まっていた言葉が溢れてきた。
「は、初めから.....!?」
「そう、初めからだよ。入学式の時から。」
如月は一条から発される言葉の全てが驚きで動揺を隠せなかった。
「え!なんで.....!?」
「なんでって綺麗な顔に可愛い身長だったからかな?」
「男なのに!?」
如月は一条に質問攻めしていた。
「男とか女とかって言うか俺、男が好きだからかな。」
まさかの発言に如月は少し冷静になった。
「.....そう、なんだ.....ごめん.....」
一条は首を傾けていた。
「別に謝ることじゃないよ。普通とは違うからね。」
「.....そうじゃないけど.....」
二人は気が付くと学校の最寄り駅に着いていた。
電車に乗りこみその後は特に会話もなくただ電車に二人揺られていた。
一条の最寄り駅に着いたが一条は降りなかった。
「あれ、駅降りないの?」
ー ここ最寄りだよな?
如月はいつもこの駅から乗ってくる一条が電車を降りないことを不思議に思っていた。
「あぁ、バイトがあるからあと二駅先で降りるんだよ。」
「じゃあ俺と同じか」
「そうなの?」
一条は如月が先に乗っているのはもちろん知っていたがどの駅から乗ってきていたのかは知らなかった。
「俺の家の最寄りも二駅先なんだよ。」
「そうだったんだ。」
ー 如月とバイト先の最寄り同じだったのか。
一条は如月の初情報を本人から知り心の中で喜んでいた。
また二人は静かに電車に揺られる。
そこから二駅先の最寄り駅で二人は電車を降りた。
駅からの道は二人バラバラの道だった。
「じゃ、俺こっちだから…..」
如月は一条にそう言った。
「そっか。じゃあまた。」
名残惜しさを感じながら一条もまた如月に別れを告げた。
「じゃあ、また.....」
互いに背を向け歩き始めようとした。
その時だった。
「あ、あの!待って.....!!」
如月からの言葉で一条は直ぐに振り返った。
「どうした?」
「あの、キーホルダー.....実は大切な物だったんだ.....」
「そうだったんだ。」
「その、キーホルダーおばあちゃんの形見、だったんだ.....」
如月はなぜか一条には言ってもいい気がした。
「そっか、大切な物だったんだな。」
「.....その、だから.....拾ってくれてありがとう.....」
如月は最後になるにつれて声が小さくなって言った。
「もう落とさないように気を付けてな。」
一条はそう優しく如月に言った。
「うん.....」
「後、さっき俺が言った事忘れないで。」
「え!あ.....うん.....」
如月はまだ認め難かったが一条の優しさに少し心を許した自分を感じ言われた通り忘れないでおこうと思った。
それと同時に忘れられるわけが無いとも思った。
「じゃ、また明日。」
「.....じゃあまた明日.....」
二人は違う道を歩いて行った·····
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