僕は二番目

奈井

文字の大きさ
上 下
1 / 2

1発端発言

しおりを挟む


「僕の部屋にきたら?」


同級生で同じテニスサークルに入っている優しい友人の優しいお誘い。

身体を動かしたくて、自主的に走った10月の午後。
かいた汗を流してさっぱりしたい。
確かに友人の家はこの近く。
夕方、肌寒くなってきてこのままでは風邪引いちゃうかも。
コースも考えずに無心で走っていた。
それを黙って一緒してくれた異性の友人である彼に感謝!

だって、無心になって忘れたい事があったんだもん。
『なんか天秤にかけらているようで無性に腹が立つ!』
悲しみより怒りが勝る。



ただシャワーを貸してくれる…だけじゃないよね?
いや、だけかも。

いわゆる、いいとこのお坊ちゃまである彼はまさに草食男子。
大学のコンパの時でさえアルコールが入っても紳士的な態度は一切変わらない。
お持ち帰りの噂など聞いたことがない。

そうだよね、な~んだ。
ガッカリしたような、ほっとしたような変な感覚。
まして、先輩の彼女に手を出すわけないか。

私の彼氏は今年の春に大学を卒業し就職した。
2歳上のサークルの先輩。
彼を弟のように可愛がっていた。
彼だって、恩がある先輩を裏切る訳がない。

私の妄想は取り越し苦労です。
恥ずかしい…。
欲求不満なのかな、私。

社会人の彼氏は私たち学生と違い、忙しい。
休日のデート、毎日の電話、回数が減っていくのは仕方がないこと。
会おうと思えば会える距離なのに、こんな生活が続けば諦めの方が勝ってくるからよけい努力もしない。
けど…本当は寂しかったのかな、私。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

すれ違ってしまった恋

秋風 爽籟
恋愛
別れてから何年も経って大切だと気が付いた… それでも、いつか戻れると思っていた… でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから

えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。 ※他サイトに自立も掲載しております 21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ  Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.  ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。

かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。 ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。 二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。

【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人

白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。 だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。 罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。 そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。 切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》

それでも好きだった。

下菊みこと
恋愛
諦めたはずなのに、少し情が残ってたお話。 主人公は婚約者と上手くいっていない。いつも彼の幼馴染が邪魔をしてくる。主人公は、婚約解消を決意する。しかしその後元婚約者となった彼から手紙が来て、さらにメイドから彼のその後を聞いてしまった。その時に感じた思いとは。 小説家になろう様でも投稿しています。

大好きだけどお別れしましょう〈完結〉

ヘルベ
恋愛
釣った魚に餌をやらない人が居るけど、あたしの恋人はまさにそれ。 いや、相手からしてみたら釣り糸を垂らしてもいないのに食らいついて来た魚なのだから、対して思い入れもないのも当たり前なのか。 騎士カイルのファンの一人でしかなかったあたしが、ライバルを蹴散らし晴れて恋人になれたものの、会話は盛り上がらず、記念日を祝ってくれる気配もない。デートもあたしから誘わないとできない。しかも三回に一回は断られる始末。 全部が全部こっち主導の一方通行の関係。 恋人の甘い雰囲気どころか友達以下のような関係に疲れたあたしは、思わず「別れましょう」と口に出してしまい……。

リリーの幸せ

トモ
恋愛
リリーは小さい頃から、両親に可愛がられず、姉の影のように暮らしていた。近所に住んでいた、ダンだけが自分を大切にしてくれる存在だった。 リリーが7歳の時、ダンは引越してしまう。 大泣きしたリリーに、ダンは大人になったら迎えに来るよ。そう言って別れた。 それから10年が経ち、リリーは相変わらず姉の引き立て役のような存在のまま。 戻ってきたダンは… リリーは幸せになれるのか

処理中です...