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1発端発言
しおりを挟む「僕の部屋にきたら?」
同級生で同じテニスサークルに入っている優しい友人の優しいお誘い。
身体を動かしたくて、自主的に走った10月の午後。
かいた汗を流してさっぱりしたい。
確かに友人の家はこの近く。
夕方、肌寒くなってきてこのままでは風邪引いちゃうかも。
コースも考えずに無心で走っていた。
それを黙って一緒してくれた異性の友人である彼に感謝!
だって、無心になって忘れたい事があったんだもん。
『なんか天秤にかけらているようで無性に腹が立つ!』
悲しみより怒りが勝る。
ただシャワーを貸してくれる…だけじゃないよね?
いや、だけかも。
いわゆる、いいとこのお坊ちゃまである彼はまさに草食男子。
大学のコンパの時でさえアルコールが入っても紳士的な態度は一切変わらない。
お持ち帰りの噂など聞いたことがない。
そうだよね、な~んだ。
ガッカリしたような、ほっとしたような変な感覚。
まして、先輩の彼女に手を出すわけないか。
私の彼氏は今年の春に大学を卒業し就職した。
2歳上のサークルの先輩。
彼を弟のように可愛がっていた。
彼だって、恩がある先輩を裏切る訳がない。
私の妄想は取り越し苦労です。
恥ずかしい…。
欲求不満なのかな、私。
社会人の彼氏は私たち学生と違い、忙しい。
休日のデート、毎日の電話、回数が減っていくのは仕方がないこと。
会おうと思えば会える距離なのに、こんな生活が続けば諦めの方が勝ってくるからよけい努力もしない。
けど…本当は寂しかったのかな、私。
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