1 / 48
1、向かない
しおりを挟む私にはこういうの向かないんだと思う・・・。
加藤 裕(かとう ゆう)が結論付けた”こういうの”とは、一般的な”付き合う”という彼氏と彼女の関係のこと。
ついさっき、裕は彼氏に振られた。
1ヶ月前に付き合い始めた彼氏の伊能 明人(いのう あきと)に。
現在、”元彼”となった明人に、
『・・・1ヶ月も経つのにキスも拒まれるなんて、なんか傷つくし・・・屈辱的。俺のこと好きじゃないんだろ?・・・別れよう。じゃあな。』
そう言われたのが今から1時間くらい前の事。
言われてすぐにはびっくりと後悔で呆然としてしまったが、ここはいくつかの街灯が立ち並ぶ有名なウォーターフロント。
海を眺めるデッキの上では、恋人が囁きあいながらイチャイチャしている定番のデートスポット。
自分たちも会社の帰り食事をして、他愛も無い話しをながら遠いビルの灯りを見るとも無しに見ていた。
そして、気がつけば、その中心で1人置き去りにされていた。
なんとなくカップル達から注目を浴びているのは、彼氏の方が先に帰ってしまったこの状況を全部見ていたからだろうと思う。
もしかすると、さっきの明人のセリフも聞こえていたのかもしれない。
居たたまれない・・・。
恥ずかしさから、そそくさとそこを後にし、少し離れた最寄の駅のカフェに入り、壁側のソファ席に身体を沈めた。
程なく注文した、ホワイトモカが運ばれてきた。
温かい飲み物は身体だけでなく心もホッとする・・・。
しみじみ味わっていると、どこからか視線を感じた。
頭を動かさず、視線だけで探ってみれば、左斜め前方の人の顔がなんとなくこっちを見ている気がした。
え!私を見ている?
後ろは壁だし・・・。
見てるんじゃなくて、ボーとしているだけかしら?
思い切って顔を上げてみれば・・・視線がぶつかった。
綺麗な顔をした、カッコイイと思わず叫びたくなる男子と。
0
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説


とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる