誤召喚!~お仕事、ください。~

奈井

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少々の時間がたち、ふと考えが浮かぶ。

いささか切り替えが早い気もするが…。

もともとこの世界の女性とは環境が違うから、あちらの世界ではそういう性格もいるんだろう。

「…しかし、この世界の生活も常識も何もしらないホノカに紹介できる仕事とはいったい…。」

実際問題、何ができるだろう?

手も荒れていない所を見ると、メイドなどの水仕事はできるとは考えずらい…。

まずは、何ができるのか能力を確認する必要があるな。


少々頬を染めた穂乃香がデフロットの胸から顔を上げる。

「う~ん、ですよね…。この世界でどんな仕事があるのか疑問だし…」

「どうだろう…。しばらく、私の手伝いをするというのは?」

「手伝い?」

「ああ。一線からは引退したといっても、少々忙しい身の上だ。細々とした事を手伝う内にホノカの興味を引く仕事が見つかるかもしれない。」

「あ!なるほど。…でも、忙しいならもっと適任の方を探した方がいいのではないですか?」

少し目を伏せた困り顔も表情が豊かだと思う。

そんな表情にまた庇護欲が沸く。

これは庇護欲なんだろうか?

「…いろいろと理由があってなあ。人を探すのも大変なんだ。…すぐに何かしてくれとは言わない。まずは、この世界の事を学んでくれ。行儀作法などの人前でのマナー、それに文字が違うとキョウ殿が言っていた。読めなければどんな仕事も無理だろう。」

「え!違うの?…小学校からやり直しか…。」

肩をガックリと落とす穂乃香を見て”ショウガッコウ”という言葉の意味はわからなかったが、その態度が可愛らしいと思った。

久しぶりに口の端が少しだけ上がった気がした。




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