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ご迷惑をおかけしますが、気長にお付き合いいただければ嬉しいです。
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「あ!やべぇ……。」
穂乃香(ほのか)の1人暮らしの部屋に響く男性の声。
え?誰の声?
その声に寝ていた意識が浮上するが眠くて目が開けられない穂乃香。
次の瞬間、柔らかい、良い香りの枕カバーの感触が消え、硬いざらついた感触が頬に当たる。
自分は横向きで寝ていたのだと理解したがまだ眠い方が勝ってる。
急に自分の部屋の香りとは違う、古い建物の匂いが鼻から身体に入ってきた。
そして、寒い。
手に触れる石のような冷たい感触に”外?”と疑問が沸く。
そんな事実が怖いがゆっくりと目を開いてみれば、視界に入ってきたのは、自分を見下ろすように立つ三人の男性だった。
絵本や映画でしか見たことの無い昔のヨーロッパのような服装。
日本人の黒髪・黒目の穂乃香から見て、自分とはあきらかに違う男性たちの髪や目の色。
外人?
学生時代から住んでいる、女子専用のパンション(食事つきのマンション)の1人部屋ではないことがわかる。
自分の姿は、いつも寝ている時のクリーム色のモコモコのパーカーとお揃いのモコモコのショート丈のパンツなのに、今横になっている場所はいつものベッドではなかった。
ここはどこ?
「やっぱり、違う子じゃないか…。どうするんだ?」
薄茶の髪の男性の言葉にハッとして身を起こす。
寒さの為か、それともわからないこの状況の為か穂乃香の身体が震えだす。
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