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「・・・これでは、ゆっくりできないのでは・・・ないでしょうか?」
ゆっくりと首を横に振るアンドレア様。
私の言葉を聞いても、アンドレア様の右手は私の腰を支え続けた。
私は今、アンドレア様の膝の上にのせられ、お昼の食事の後のお茶の時間を過ごしていた。
怪我が治るまでの2ヶ月の休養もぎ取ったアンドレア様。
右手は使えるので机上の仕事はこなせるのだが・・・。
「今まで散々忙しかったのを文句一つ言わずに任務についてきた。2ヶ月なんて少ないくらいだ。」
口をへの字に曲げて言い放つアンドレア様は、少し可愛らしいかった。
実は、この長い皇太子の代行任務はわりとすぐに目途がついていたのだと聞いてびっくりしたのだ。
だったら、どうして早くお帰りにならなかったのかと聞けば・・・。
「面倒なことこのうえない。」
そう言って大きいため息を吐いたアンドレア様。
まだいろいろと内密な事があって私にも明かせない事があると前置きした上で教えてくれた事、それは・・・。
アンドレア様は西の隣国ガムヤニ国へ友好国協定の見直しと新たな案件の交渉に行っていた。
すでにある程度の根回しがされていたので、話し合いはスムーズに進んでいった。
だが、ガムヤニ国側の担当大臣がアンドレア様を気に入り、娘との結婚をと迫ってきたのだという。
既に妻がいると説明したが、ガムヤニ国は一夫多妻制だとあちら側の法を出してきた。
自分はガムヤニ国の国民ではないと言えば、新たな案件のために訪れる回数が多くなるから仮の宿で不便をするより、こちらでは娘と夫婦として暮らせばいい、自分に都合のいい発言をしてアンドレア様を驚かせた。
ハッキリと断っているものの伝わらず、無下にして国同士の関係を悪化させてもと悩ましい日々が続いた。
ガムヤニ国王からも、断ってもいいがすぐに答えは出さずゆっくり考えてくれとなだめられた。
相手が諦めるのを待つそんな日々も限界を迎える頃、事故は起こった。
アンドレア様の目の前でガムヤニ国の小さな姫が石造りの階段を踏み外してしまったのだ。
お付の女性は、そんな時は役に立たない。
近くにいたアンドレア様が受け止める形で姫を抱きしめ一緒に石段を転がり落ちた。
姫に怪我は無く一同は安心した。
ただ、アンドレア様は打ち所が悪く左腕がみるみる腫れた。
国王からは姫を助けてくれた事を感謝され、一国の代表者に怪我をさせてしまった事を詫びられた。
怪我のため早々に帰国する事を願い出れば、件の大臣を一言で黙らせ、馬に乗るのは無理だろうと大きな馬車まで用意をしてくれたのだった。
アンドレア様の怪我は本人いわく、たいしたことは無く腫れもこちらに付く前に引いたと。
帰れる口実になると判断して、あちらでは大げさに痛がって見せたのだという。
実際、城にいるお医者様を皇太子が公爵家まで派遣してくれたのだが。
「小さなヒビははいっているかも知れないが、お前さんには、そんなこといつものことだろう?」
そう言って、白い髭を撫でながら豪快に笑って帰られた。
アンドレア様は皇太子殿下に、今後の交渉は婚姻可能な独身の者を行かせる様にと、助言したらしい。
もう、自分は行かないと決めている事に、思わずクスっと笑ってしまった。
アンドレア様と私の日々は、最初に宣言されたように片時も離れず過ごしている。
朝、起きるのも同じベッドの中。
食事の時も、お茶の時間も。
ただ、時々このように不意打ちで距離感がゼロになることがある。
アンドレア様の膝の上であったり、怪我をしていない右側に密着してソファに並んで座ったり、口付けであったり・・・。
慣れなくて戸惑う事も多いが、やっぱり側にいられることは幸せだと感じる。
ゆっくりと首を横に振るアンドレア様。
私の言葉を聞いても、アンドレア様の右手は私の腰を支え続けた。
私は今、アンドレア様の膝の上にのせられ、お昼の食事の後のお茶の時間を過ごしていた。
怪我が治るまでの2ヶ月の休養もぎ取ったアンドレア様。
右手は使えるので机上の仕事はこなせるのだが・・・。
「今まで散々忙しかったのを文句一つ言わずに任務についてきた。2ヶ月なんて少ないくらいだ。」
口をへの字に曲げて言い放つアンドレア様は、少し可愛らしいかった。
実は、この長い皇太子の代行任務はわりとすぐに目途がついていたのだと聞いてびっくりしたのだ。
だったら、どうして早くお帰りにならなかったのかと聞けば・・・。
「面倒なことこのうえない。」
そう言って大きいため息を吐いたアンドレア様。
まだいろいろと内密な事があって私にも明かせない事があると前置きした上で教えてくれた事、それは・・・。
アンドレア様は西の隣国ガムヤニ国へ友好国協定の見直しと新たな案件の交渉に行っていた。
すでにある程度の根回しがされていたので、話し合いはスムーズに進んでいった。
だが、ガムヤニ国側の担当大臣がアンドレア様を気に入り、娘との結婚をと迫ってきたのだという。
既に妻がいると説明したが、ガムヤニ国は一夫多妻制だとあちら側の法を出してきた。
自分はガムヤニ国の国民ではないと言えば、新たな案件のために訪れる回数が多くなるから仮の宿で不便をするより、こちらでは娘と夫婦として暮らせばいい、自分に都合のいい発言をしてアンドレア様を驚かせた。
ハッキリと断っているものの伝わらず、無下にして国同士の関係を悪化させてもと悩ましい日々が続いた。
ガムヤニ国王からも、断ってもいいがすぐに答えは出さずゆっくり考えてくれとなだめられた。
相手が諦めるのを待つそんな日々も限界を迎える頃、事故は起こった。
アンドレア様の目の前でガムヤニ国の小さな姫が石造りの階段を踏み外してしまったのだ。
お付の女性は、そんな時は役に立たない。
近くにいたアンドレア様が受け止める形で姫を抱きしめ一緒に石段を転がり落ちた。
姫に怪我は無く一同は安心した。
ただ、アンドレア様は打ち所が悪く左腕がみるみる腫れた。
国王からは姫を助けてくれた事を感謝され、一国の代表者に怪我をさせてしまった事を詫びられた。
怪我のため早々に帰国する事を願い出れば、件の大臣を一言で黙らせ、馬に乗るのは無理だろうと大きな馬車まで用意をしてくれたのだった。
アンドレア様の怪我は本人いわく、たいしたことは無く腫れもこちらに付く前に引いたと。
帰れる口実になると判断して、あちらでは大げさに痛がって見せたのだという。
実際、城にいるお医者様を皇太子が公爵家まで派遣してくれたのだが。
「小さなヒビははいっているかも知れないが、お前さんには、そんなこといつものことだろう?」
そう言って、白い髭を撫でながら豪快に笑って帰られた。
アンドレア様は皇太子殿下に、今後の交渉は婚姻可能な独身の者を行かせる様にと、助言したらしい。
もう、自分は行かないと決めている事に、思わずクスっと笑ってしまった。
アンドレア様と私の日々は、最初に宣言されたように片時も離れず過ごしている。
朝、起きるのも同じベッドの中。
食事の時も、お茶の時間も。
ただ、時々このように不意打ちで距離感がゼロになることがある。
アンドレア様の膝の上であったり、怪我をしていない右側に密着してソファに並んで座ったり、口付けであったり・・・。
慣れなくて戸惑う事も多いが、やっぱり側にいられることは幸せだと感じる。
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