公爵様のわかり辛い溺愛は、婚約を捨る前からのようです

奈井

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幕間-⑥

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警備騎士団の報告は、エルヴィナを誘拐したと思われる者たちは、人身売買を目的としている一味だった。

国境付近に取引場所兼隠れ家をいくつも持つその一味は、我が国メカラルアと隣国ネーエルドにかなりの人数がいるといわれている。

両国共に高位貴族も仲間なのではないかと噂されている一味は、なかなか証拠も残さないので捕まえる事が難しく、捕まえたとしてもトカゲの尻尾切りのようで、一網打尽とはいかなかった。

エルヴィナを誘拐したと思われる者たちは、3人ほど。

犯人を捕まえたではなく、見つけた、という表現にした事には裏があった。

場所が悪く、警備騎士団が追い詰めたその先は崖で、勢いのまま崖下へと落ち命を落としたという。

その者の1人が持っていた盗品と思われる宝飾品がジェラールの前に置かれた。

それは、昨年、ジェラールがエルヴィナへ誕生日のお祝いの品として贈った首飾りだった。

どこを探したらよいのか、手がかりが無くなってしまった事に屋敷の者たちの表情は暗く途方にくれた。

もうすぐ日が暮れるので、エルヴィナの捜索は本日は打ち切られるという。

この瞬間にもエルヴィナが辛い思いをしているのではないか、と思うと苛立つジェラールに警備騎士団の責任者は、夜の暗闇の中、動くのは我々自身も非常に危険な事だと説明される。

だが、日の出と共に捜索は開始すると約束して砦へと戻って行った。

闇が危険な事は理解しているが、納得ができない。

心が軋むような眠れぬ夜を過ごしたジェラール。

翌朝、日が昇る前の、辺りが明るくなり始めてすぐに、1人でジェラールはエルヴィナを探し始めた。

エルヴィナの愛馬のクレアスを連れて。

クレアスが大変頭の良い事やエルヴィナによく懐いていた事から、きっとその場所へ導いてくれると信じて、屋敷を出た。





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