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少しずつ、短かったり、長かったりと、無理なく更新させていただきますが、ご了承ください。

ご迷惑をおかけしますが、気長にお付き合いいただければ嬉しいです。

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「結婚を約束している仲だと・・・さっきの男は婚約している相手と聞いているが、間違いないか?」

落ち着きはらった低く響く力強さを感じる声。
こんな状況じゃなければ心が傾くはず。

「・・・はい。」

尋ねられたことに力なく答えた。
力など入る訳がない。
あんな所を見て。
人がいなければ、立ってなどいられなかった。
我が目を疑うような現実は、自身の足に力を入れる事など忘れてしまうほど。
足の力は抜け、ヘナヘナと何に逆らう事なく床に倒れ込み、サメザメと泣いたかもしれない。
この方、アンドレア・ユーゴ公爵様が私を見ていたから、伯爵令嬢という小さなプライドを保つ事ができた。
そして、彼は続ける。
立つ力さえ僅に残っているだけの私に、容赦がない。

「ならば、婚約を破棄するがよい。・・・そうしなければ、私が守ってやる事はできない。」

破棄?
はたしてこの状況は破棄する方なのか、される方なのか、疑問・・・。
それに、今日初めてお話させていただいた公爵様に守っていただけるものなのでしょうか?

「守る・・・?」

「そう。これから先は、私がお前を守る。・・・やっと。」

力強く言い放つ彼は、この場にいない、誰かにまるで宣言するみたいだ。
そうだった、この方はこの国の王と議会よりもっとも信頼される者たちだけが入ることを許される部門・内報部に属していたことに気が付いた。
内報部、それは我が国の貴族の秩序を乱す者を調べ取り締まる部門。
王家すじに当たられるユーゴ公爵家は代々その部門への所属を許されている。
だが、すんなりと入れるわけではなく、他の者と同じように、それ以上に厳しい審査を受けての事と聞いたことがある。
でも、こんな一貴族の問題に介入するとは思えない。
もっと大きな事件を扱うところと聞いている。

今は、いつまでも黙っているわけにはいかない。

「・・・おっしゃる通り、そういたします。あんな所を見せられて、見なかった事になどできません。そんな、大人しい女ではありません。」

18歳の小娘でも、私だって女。
それに、私だけのことならまだしも、コレは私の家・ウォルトン伯爵家を蔑ろにしているかのような問題だ。
おとなしく泣いているだけではすまない。
私の答えを聞いて、綺麗な小さな笑みを浮かべ、彼は言う。

「エルヴィナ・ウォルトン・・・それでいい。それでこそ、選ばれる価値のある存在。」

私がそう言った事が嬉しいかのように見える。
なぜ笑みを?
それに、選ばれなかった女だから、今回のようなことになったのではにないだろうか。
だって、この国のどの貴族の家にも私の嫁ぎ先は・・・もう無いのだから。




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タイトルについて
「捨てる」か「捨る」で悩みました・・・。
両方、大丈夫なようで、しかも「捨」だけでも「すてる」と読むらしくて・・・。
ついでに言ってしまうと「棄てる」でもいいかと思っていたりして。
タイトルをつけるのは、とても難しいですね。
まだ、迷っているので、突然、変わっていたりした時はご了承ください。

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