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しおりを挟む夕食はとても楽しくいただく事ができました。
ここへ来ていつも一人の食事でしたので、誰かと一緒に食事をする楽しさを思い出しました。
お兄様とグレン様のやり取りは見ていてとても楽しいものでした。
私がわからないお仕事の話があればグレン様が噛み砕いて説明してくれましたので、仲間はずれになることなく、自然にお話に溶け込むことができました。
グレン様はそんな気遣いもできる方なのですね。
細身ですが意外にしっかりとした身体つきで、背もとても高く黒髪は肩より長いので後ろで1つにくくられています。
ベルナルダンお兄様は短髪の濃い茶色の髪で、背はもう少し低っかたし、身体つきももっとしっかりとしていた気がする。
どうして、ここでベルナルダンお兄様を思い出してしまったのかしら。
比べるなんて。
きっと、結婚とかそんな話が出たからだわ。
もう関係ない話。
もう関係ない人。
「どうされました?」
考える事にとらわれてしまった私が急におとなしくなったから、グレン様が変に思われたのね。
「いいえ、なんでもありませんわ。」
料理に目を落としながら少しだけ首を振る。
「そうだ、グレン。この当たりは湖が点在しているんだ。その中の一番綺麗なのが屋敷の近くにあるから、明日は散歩がてら見てくるといいよ。きっと癒されるぞ。…エミリ、案内を頼めるな?」
お兄様、急すぎます。
「え?…はい、わかりました。」
お断りする理由が見つかりません。
きっと、2人で話す機会をお兄様は作ってくれたのよね。
男の方と2人きりなんて…困る。
それでも、お兄様が2人で散歩を、というのだから危険な方ではないということかしら?
あまりこちらが警戒するのも良くないわね。
「明日が、楽しみです。よろしくお願いします。」
食堂の明かりに照らされた、よく見ると綺麗な顔立ちのグレン様。
ニコリと微笑まれ、見つめられると、悪い気がしない。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
うまく微笑みを返すことはできたかしら。
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