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ポーレットがルミア嬢の事を調べて教えてくれました。

「3年前くらいにジュブワ男爵ってお嬢様を病気でなくされたじゃない。その時期に身寄りのないルミア嬢を引き取ったらしいのよ。」

元々はジュブワ男爵のお知り合いのお子様だとか。

「ティーシル様って舞踏会とかあまり行かないじゃない?でも、2人の出会いは、ルゥグホン侯爵とベルナルダン様の代わりに行かれた舞踏会なんですって。ティーシル様がルミア嬢と踊っているところを見たことがあるってみなさん噂していたわ。」

所在無さげに壁の花となっていたルミア嬢を可哀想に思ってダンスに誘ったのが始まりとか。

皆様よくご存知ね。

5年ほど前から他国に留学されているティーシル様に私がお会いするのは年に1度か2度でした。

当然、舞踏会だってお出にならなかった。

なのに、たまたま御名代で行かれた会で出会うなんて、他人事ながら運命かも。

それにしても、2人の親しげなご様子を見ると、ルミア嬢とは頻繁に会われていたのでしょうね。

親密な感じでした。

嫉妬と言う訳でもないのですが、なんだか寂しい感じがします。

まあ、仮にも婚約者だったわけだし。

仮じゃく、正式でしたけど。

結婚の儀式の打ち合わせなどでルゥグホン侯爵のお屋敷にお邪魔する事は頻繁にありました。

友達同士でもあるお父様たちがそれを口実にお集まりになっていただけかもしれませんが。

当然、書斎で領地の管理運営のお仕事をされているベルナルダンお兄様にお会いするのもたくさん機会がありました。

ティーシル様よりはるかに多く。


「兄と相談しろ。」

そうティーシル様が言ってた通り、ベルナルダンお兄様は事態を聞きつけてすぐにお手紙をくださいました。

ベルナルダンお兄様が悪いわけではないのに、お手紙の中で謝ってくださいました。

そして、私の体調などを気遣う文章。

今、すぐにでも慰めに行きたいが、これ以上、私に悪い噂が立たないようにしたいからしばらくは我慢する、と書いてありました。

いくら元婚約者の兄でも男の方ですものね。

火が無くても煙が立つかもしれません。


「大丈夫だよ。僕が側にいるから安心して。エミリ」

そう、いつも私が安心する魔法の言葉も手紙には添えてありました。





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