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僕は看守を殺せない。とはいえ、ガルドに逆らったら確実に殺される。死にたくない。
彼は他の奴よりかなりの筋肉質。がっしりとした体型で異常にデカい。赤い髪は短くてボサボサしており、顔にもそばかすがある。
こいつと悪を潰す正義感だけで勝負したら、負けるのは確実だ。僕は悪いことをしている人間を何人も潰してきたが、窃盗犯やら未成年喫煙・飲酒をしている奴ばかりを相手にしていた。シリアルキラーを相手にしたことはない。
僕は指に力を込めて決意した。
ジョナサンにナイフの先を向ける。腹に向けてナイフで突き刺そうとしたら、その手を掴まれた。彼はこちらを鋭く睨み、嫌悪感を露わにする。
「俺のこと殺すつもりか? 自分の保身のために赤の他人を殺そうなんてお前らしくないな。俺のことは構うなよ。今すぐここから逃げろ。でないと、お前をずっと恨む」
そう言われて目が覚めた。僕は何をしているんだ。囚人の提案を何故こうも易々と聞いているんだ。
ナイフを落として、その場から逃げることにした。しかし逃げる直前にアジア系の囚人が僕の方を指さす。
「こいつ、囚人じゃなくて看守だってさ」
訛りの強い英語でそう言うと、ガルドはニヤリと微笑み僕の頭にパンチを喰らわせようとした時だ。扉が開き、青のウルフヘアの眼鏡男子がそこにいた。切羽詰まった大きな声で、呼びかける。
「ガルドさん、貴方の弟が倒れていました。早く看病してください」
「なんだと!? 本当か?」
「はい、本当です」
ガルドがいきなり扉へ向かうと、青い髪の男と共にどこかへ行ってしまった。これで一安心だ。ホッと息をついたのも束の間。アジア系の囚人が机の上に靴のまま乗り、見下すような視線から僕に吠えかける。
「おい、お前ら! ガルドはいなくなったが、まだこいつが囚人なのか看守なのか。はっきりしてねぇ! ケリをつけようぜ」
その言葉に合わせて、周りにいた囚人たちが野次馬のごとく黄色い歓声と熱烈な応援をし始めた。こうなれば逃げることができない。僕はジョナサンを殺さなければいけないのか?額と背中に汗が滲み、脚に重い鎖を繋がれているのか、全く動けない。
「よっし! やっぱりこいつは囚人に化けている看守ってことだな。俺様がガルドの代わりに潰してやるよ」
アジア系の囚人が机から降りて、僕に攻撃を仕掛けてきた。憎悪は溢れてくるが、狂気状態に入るよりもあいつの方が脚が速い。間に合わない。
目を瞑っても殴られることはなく、数秒経って目を開けた。目の前に白髪の長身の男が立っている。アルマだ。彼はあいつの握り拳を握りしめて阻止していた。背後しか見えないので表情はわからないが、ポーカーフェイスなのは明白。
彼は他の奴よりかなりの筋肉質。がっしりとした体型で異常にデカい。赤い髪は短くてボサボサしており、顔にもそばかすがある。
こいつと悪を潰す正義感だけで勝負したら、負けるのは確実だ。僕は悪いことをしている人間を何人も潰してきたが、窃盗犯やら未成年喫煙・飲酒をしている奴ばかりを相手にしていた。シリアルキラーを相手にしたことはない。
僕は指に力を込めて決意した。
ジョナサンにナイフの先を向ける。腹に向けてナイフで突き刺そうとしたら、その手を掴まれた。彼はこちらを鋭く睨み、嫌悪感を露わにする。
「俺のこと殺すつもりか? 自分の保身のために赤の他人を殺そうなんてお前らしくないな。俺のことは構うなよ。今すぐここから逃げろ。でないと、お前をずっと恨む」
そう言われて目が覚めた。僕は何をしているんだ。囚人の提案を何故こうも易々と聞いているんだ。
ナイフを落として、その場から逃げることにした。しかし逃げる直前にアジア系の囚人が僕の方を指さす。
「こいつ、囚人じゃなくて看守だってさ」
訛りの強い英語でそう言うと、ガルドはニヤリと微笑み僕の頭にパンチを喰らわせようとした時だ。扉が開き、青のウルフヘアの眼鏡男子がそこにいた。切羽詰まった大きな声で、呼びかける。
「ガルドさん、貴方の弟が倒れていました。早く看病してください」
「なんだと!? 本当か?」
「はい、本当です」
ガルドがいきなり扉へ向かうと、青い髪の男と共にどこかへ行ってしまった。これで一安心だ。ホッと息をついたのも束の間。アジア系の囚人が机の上に靴のまま乗り、見下すような視線から僕に吠えかける。
「おい、お前ら! ガルドはいなくなったが、まだこいつが囚人なのか看守なのか。はっきりしてねぇ! ケリをつけようぜ」
その言葉に合わせて、周りにいた囚人たちが野次馬のごとく黄色い歓声と熱烈な応援をし始めた。こうなれば逃げることができない。僕はジョナサンを殺さなければいけないのか?額と背中に汗が滲み、脚に重い鎖を繋がれているのか、全く動けない。
「よっし! やっぱりこいつは囚人に化けている看守ってことだな。俺様がガルドの代わりに潰してやるよ」
アジア系の囚人が机から降りて、僕に攻撃を仕掛けてきた。憎悪は溢れてくるが、狂気状態に入るよりもあいつの方が脚が速い。間に合わない。
目を瞑っても殴られることはなく、数秒経って目を開けた。目の前に白髪の長身の男が立っている。アルマだ。彼はあいつの握り拳を握りしめて阻止していた。背後しか見えないので表情はわからないが、ポーカーフェイスなのは明白。
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