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3話
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ジョナサンの青くて濁った瞳から、監視室のモニターに目を移す。監視カメラの映像が壁一面に、規則正しく並べられている。そのモニターの一つに焦点を当てた。
とある牢獄の場所で、緑瞳の男に睨まれた。思わず目を背ける。
褐色の肌に、黒髪で坊主頭に近い短髪。右脇は刈り上げているせいなのか、地肌がよく見える。
睨まれた気がするけど、どうせ気のせいだ。大したことじゃないし、怯える必要もない。ここは警備の体制がしっかりしているので、どうってことはない。
あと気になることといえば……。やはり今、廊下を歩いている白髪の男だろうか。看守の二人に挟まれて歩いており、両方の手首には拘束器具。首輪も嵌められていている。
首輪について聞いたところ、逆らった場合そこに電気を流して反抗する意志を無くすことが目的らしい。つまり囚人には人権がないということ。もし自分が囚人だったら、精神的に耐えられず死んでしまいそうだ。
暗い顔のまま歩いている白髪の男の名は、囚人番号「No.403336」。ヘリコプターの中で一緒になった囚人だ。
この船に来るまでは、待ち合わせのビルからヘリコプターで連れてこられていた。特に同乗していた403336と話すことはなく、ずっと無言。少し話したことといえば、水をあげた動作くらい。咳をしていたのを終始見ていて、息苦しそうだ。お人好しの性格が出てしまい、水を渡すことにした。
「この水あげるよ」
「ありがとう、助かるよ」
英語でやりとりし、彼が勢いよく喉へ流す。ペットボトルを返した後。いきなり右腕を引っ張られたのは、正直びっくりしている。ちびりそうになったじゃないか。腕がもげるかと思ったわ。あの時のアイツの顔が無表情だったのも、恐怖心を植え付けられたぞ。
とはいえ、他の看守のおかげで難を逃れる事ができたのが不幸中の幸い。そのせいもあってか、彼のことが恐怖の塊としか捉えられない。極力、関わる必要もないと言える。
「さてと、行くか」
「はい」
その掛け声に大きな返事をして、次の場所へ移動する。
着いたのは、地下二階の非常用出口付近にある男子更衣室だ。ここで看守服に着替えて、仕事をするという。
「ここで働くには、作業服が必要だ。このカードを使えば、ロッカーを開けることができる」
「ありがとうございます」
ジョナサンから黄色いカードをもらった。よく見ると、差し込む矢印。看守番号、自分の名前とスーツ姿の写真が載っている。こいつがあれば、看守しかいけない場所へ行き放題。
「俺はここで待っている。色々教えたいことが山ほどあるんだ、着替えてこい」
こくりと無言で頷き、靴を脱いで入る。流石に、外の土や砂などを入れるわけにはいかない。
更衣室を入ってすぐ、白いプラスチック製のベンチ。リサイクルマークの描いてあるゴミ箱が置いてあった。それを素通りして、ロッカーをくまなく探す。そこには人っこ一人いない。皆、仕事をしているのだろう。
「3087番……どれだ?」
ずっと目を凝らして探していたら、自分の番号を見つけた。一番奥だ。矢印方向にカードを差し込むと、上のロッカーが開く。中には折り畳まれた、看守服一式が入っている。
ネクタイを外して、着てきた黒いスーツとワイシャツを脱ぎはじめた。半袖シャツも脱ぐ。
白の黒縁ズボンを履き終えて、看守用のワイシャツを取り出していたら誰かの視線を感じる。身も毛もよだつ殺意だ。気のせいかな?
得体の知れない威圧を感じたが、振り向いても誰もいない。無視して上着を着ようとした瞬間。いきなり足のくるぶしを蹴られ、体のバランスを崩して倒れた。
何が起きたのか分からない焦りの表情で目の前を見ると、肩と脚を凄まじく強い力で押さえつけられている。
とある牢獄の場所で、緑瞳の男に睨まれた。思わず目を背ける。
褐色の肌に、黒髪で坊主頭に近い短髪。右脇は刈り上げているせいなのか、地肌がよく見える。
睨まれた気がするけど、どうせ気のせいだ。大したことじゃないし、怯える必要もない。ここは警備の体制がしっかりしているので、どうってことはない。
あと気になることといえば……。やはり今、廊下を歩いている白髪の男だろうか。看守の二人に挟まれて歩いており、両方の手首には拘束器具。首輪も嵌められていている。
首輪について聞いたところ、逆らった場合そこに電気を流して反抗する意志を無くすことが目的らしい。つまり囚人には人権がないということ。もし自分が囚人だったら、精神的に耐えられず死んでしまいそうだ。
暗い顔のまま歩いている白髪の男の名は、囚人番号「No.403336」。ヘリコプターの中で一緒になった囚人だ。
この船に来るまでは、待ち合わせのビルからヘリコプターで連れてこられていた。特に同乗していた403336と話すことはなく、ずっと無言。少し話したことといえば、水をあげた動作くらい。咳をしていたのを終始見ていて、息苦しそうだ。お人好しの性格が出てしまい、水を渡すことにした。
「この水あげるよ」
「ありがとう、助かるよ」
英語でやりとりし、彼が勢いよく喉へ流す。ペットボトルを返した後。いきなり右腕を引っ張られたのは、正直びっくりしている。ちびりそうになったじゃないか。腕がもげるかと思ったわ。あの時のアイツの顔が無表情だったのも、恐怖心を植え付けられたぞ。
とはいえ、他の看守のおかげで難を逃れる事ができたのが不幸中の幸い。そのせいもあってか、彼のことが恐怖の塊としか捉えられない。極力、関わる必要もないと言える。
「さてと、行くか」
「はい」
その掛け声に大きな返事をして、次の場所へ移動する。
着いたのは、地下二階の非常用出口付近にある男子更衣室だ。ここで看守服に着替えて、仕事をするという。
「ここで働くには、作業服が必要だ。このカードを使えば、ロッカーを開けることができる」
「ありがとうございます」
ジョナサンから黄色いカードをもらった。よく見ると、差し込む矢印。看守番号、自分の名前とスーツ姿の写真が載っている。こいつがあれば、看守しかいけない場所へ行き放題。
「俺はここで待っている。色々教えたいことが山ほどあるんだ、着替えてこい」
こくりと無言で頷き、靴を脱いで入る。流石に、外の土や砂などを入れるわけにはいかない。
更衣室を入ってすぐ、白いプラスチック製のベンチ。リサイクルマークの描いてあるゴミ箱が置いてあった。それを素通りして、ロッカーをくまなく探す。そこには人っこ一人いない。皆、仕事をしているのだろう。
「3087番……どれだ?」
ずっと目を凝らして探していたら、自分の番号を見つけた。一番奥だ。矢印方向にカードを差し込むと、上のロッカーが開く。中には折り畳まれた、看守服一式が入っている。
ネクタイを外して、着てきた黒いスーツとワイシャツを脱ぎはじめた。半袖シャツも脱ぐ。
白の黒縁ズボンを履き終えて、看守用のワイシャツを取り出していたら誰かの視線を感じる。身も毛もよだつ殺意だ。気のせいかな?
得体の知れない威圧を感じたが、振り向いても誰もいない。無視して上着を着ようとした瞬間。いきなり足のくるぶしを蹴られ、体のバランスを崩して倒れた。
何が起きたのか分からない焦りの表情で目の前を見ると、肩と脚を凄まじく強い力で押さえつけられている。
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