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旦那編 marito
39:希望からの旅立ち Partenza dalla speranza
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インスタンスから戻ると、宝珠の前に居る。
「やっと終わったな」
「そうですな。なかなか面白い冒険でした。良い叙事詩が出来そうです」ポロロン♪
「ワイは、何だか疲れたわ」
「何時になく大活躍だったからのぅ」
と、幻影がサブに話掛ける。
「サブやん」
「なんや? 腕輪はん」
「えっとね。左胸の所を見てくれる?」
「略綬かや?」
「肌のところ」
「おっしゃ」
「「「脱ぐな!」」」
ぱんつじゃなくて良かった。
標というか、痣がある。意匠は葉の茂る枝
「腕輪はん、これ何や?」
「えとね。族長さんからの贈物みたい」
「珍しいですな」ポロロン♪
「ワイのは、そんなに珍しいん?」
「小拙が知っているのは、叙事詩 “ミリィとミル„ で紫の竜を倒した時に出来た。という話だけです。その他の例は聞いたことがありません」ポロロン♪
「サブ、どう見ても悪いものとは思えない。族長さんは “特別„ って言ったんだから、役に立つと思うよ」
「そうじゃのぅ、冒険者の誉と思って良いぞ」
「ワイと腕輪はんの愛の結晶やな!」
「きゃー、サブやん!」
いや、見つめ合うのは、それくらいにしろ!
「それじゃ、帰ろう。ギルドマスターに報告しないとね」
建国2年唱月15日(15/Coro/Auc.02)
町に帰還、依頼完了を報告する。
もちろん、ギルドマスターに呼ばれた。
とても細かい所まで聞かれたけど、わたしたちの場合はかなり異例らしい。
クエストの進み方、フィールド状況、モンスターの種類と出現数などは、それ程変わらないらしいが、ドロップアイテム、略綬、クリア条件はかなりの異例。各人ひとつずつの装備品もとても珍しいと言われた。
特にサブの “森の目覚め„ は、初め見るものとのこと。
ジョルジュの “森の囁き„ は、楽器に影響する以外は未知数。
はるっちの ”森の微風„ も、地属性魔法に影響するくらいしか分からない。
いずれにしても手放すことのできないものを得た。
サブの痣については、全く前例のないものらしい。
「いや、これは……」
マスターは絶句する。
「もちろん見るのも初めてですし、こんな話は聞いたこともない。叙事詩でしか聞いたことのない伝説並ですな」
「望むとあれば、その部分を謡うことはやぶさかではありませんが」ポロロン♪
いや、ジョルジュくん、まぁまぁ抑えて。
当の本人は、全く気にせずだ。
「ワイの一途な愛情の結果や!」
楽しそうに幻影と話している。
個人情報は伏せて、全冒険者ギルドに通達されるらしい。
ギルドマスターからお願いされる。
「ひょっとすると、建国以来初の事象かもしれません。どんな効果があるのか全く想像すらできません。もし何らかの効果が判明したら、冒険者ギルドに報告して欲しい」
何はともあれ、この依頼は転機になった。
建国2年唱月22日(22/Coro/Auc.02)
わたしたちは次の街に向かい出発する。
ディアから、新しい剣を貰う。短剣と長剣の間くらいの長さなので、単に剣と呼ぶことにした。柄の部分に、真紅の文字で “Kotone Yuzuki„ の名前がある。魔法を乗せるように考えてあるらしい。
ジョルジュが、フュルベール師匠から新しい竪琴を貰っていた。何でも、師匠が以前使って居たものらしい。珍しく感激して受け取っていた。
シンやカタケルスス、ギルドマスターなどに見送られながら、五人揃って北へ旅立つ。
向かうは ”冒険者の集う街„
「やっと終わったな」
「そうですな。なかなか面白い冒険でした。良い叙事詩が出来そうです」ポロロン♪
「ワイは、何だか疲れたわ」
「何時になく大活躍だったからのぅ」
と、幻影がサブに話掛ける。
「サブやん」
「なんや? 腕輪はん」
「えっとね。左胸の所を見てくれる?」
「略綬かや?」
「肌のところ」
「おっしゃ」
「「「脱ぐな!」」」
ぱんつじゃなくて良かった。
標というか、痣がある。意匠は葉の茂る枝
「腕輪はん、これ何や?」
「えとね。族長さんからの贈物みたい」
「珍しいですな」ポロロン♪
「ワイのは、そんなに珍しいん?」
「小拙が知っているのは、叙事詩 “ミリィとミル„ で紫の竜を倒した時に出来た。という話だけです。その他の例は聞いたことがありません」ポロロン♪
「サブ、どう見ても悪いものとは思えない。族長さんは “特別„ って言ったんだから、役に立つと思うよ」
「そうじゃのぅ、冒険者の誉と思って良いぞ」
「ワイと腕輪はんの愛の結晶やな!」
「きゃー、サブやん!」
いや、見つめ合うのは、それくらいにしろ!
「それじゃ、帰ろう。ギルドマスターに報告しないとね」
建国2年唱月15日(15/Coro/Auc.02)
町に帰還、依頼完了を報告する。
もちろん、ギルドマスターに呼ばれた。
とても細かい所まで聞かれたけど、わたしたちの場合はかなり異例らしい。
クエストの進み方、フィールド状況、モンスターの種類と出現数などは、それ程変わらないらしいが、ドロップアイテム、略綬、クリア条件はかなりの異例。各人ひとつずつの装備品もとても珍しいと言われた。
特にサブの “森の目覚め„ は、初め見るものとのこと。
ジョルジュの “森の囁き„ は、楽器に影響する以外は未知数。
はるっちの ”森の微風„ も、地属性魔法に影響するくらいしか分からない。
いずれにしても手放すことのできないものを得た。
サブの痣については、全く前例のないものらしい。
「いや、これは……」
マスターは絶句する。
「もちろん見るのも初めてですし、こんな話は聞いたこともない。叙事詩でしか聞いたことのない伝説並ですな」
「望むとあれば、その部分を謡うことはやぶさかではありませんが」ポロロン♪
いや、ジョルジュくん、まぁまぁ抑えて。
当の本人は、全く気にせずだ。
「ワイの一途な愛情の結果や!」
楽しそうに幻影と話している。
個人情報は伏せて、全冒険者ギルドに通達されるらしい。
ギルドマスターからお願いされる。
「ひょっとすると、建国以来初の事象かもしれません。どんな効果があるのか全く想像すらできません。もし何らかの効果が判明したら、冒険者ギルドに報告して欲しい」
何はともあれ、この依頼は転機になった。
建国2年唱月22日(22/Coro/Auc.02)
わたしたちは次の街に向かい出発する。
ディアから、新しい剣を貰う。短剣と長剣の間くらいの長さなので、単に剣と呼ぶことにした。柄の部分に、真紅の文字で “Kotone Yuzuki„ の名前がある。魔法を乗せるように考えてあるらしい。
ジョルジュが、フュルベール師匠から新しい竪琴を貰っていた。何でも、師匠が以前使って居たものらしい。珍しく感激して受け取っていた。
シンやカタケルスス、ギルドマスターなどに見送られながら、五人揃って北へ旅立つ。
向かうは ”冒険者の集う街„
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