滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

709:旅籠屋三階客間にて、おつまみは一撃必中3パケタ

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「おい、もりぬしさまよ。樹界虫きかいちゅうてのわぁ、何匹なんびきも居やがるの――ひょわっ!?」
 おなつらをしちゃいるが、星神かやのひめべつの生きもの――ひょわっ!?

 湯船ゆぶねから這い出たおれは、あわでつるりと素っころんだ。
 いかんぞぉ、のぼせたかぁ。
 天地てんちさかしまにした森の主ファローモが、おれを見つめている。
 濡れた着流きながしが彼方此方あちこちはだけてたが――
 こけだか毛皮けがわだかが生えた素肌すはだは、ねこ獣人じゅうじんとかの毛皮けがわおなじようで――
 はだかを見てる気には、ならなかった。

 ファローモの巨体きょたいしげってた、雑木林ぞうきばやしみたいな地肌じはだ
 あれにはとりの群れなんかが、棲んでたように見えたが――
 このちいさい湯船ゆぶねに、あらばがされたりしとらんだろうな。

 ふぉん♪
『>>重力値異常はファローモの分泌物による、物性改竄に因るものと思われ』
 うむ。湯には木の葉一枚はいちまい、浮いてないが――
 おれはさかしまになりながら、湯面ゆなもながめる。

 すると――
 ヴォヴォッヴォオォォォォォオッ――――むぅ?

「むにゃ? なんだぁぜ?」
 揺蕩たゆたさかしま景色けしきに、あか一筋ひとすじ
 まど木枠きわく格子こうし隙間すきまから、差し込まれたのは――

▲▲▲▲▲▲▲▲▲ピピピピピピピピピ▲▲▲▲▲▲▲▲▲ピピピピピピピピピィ――――♪』
 こりゃ動体検知アクティブトラッカーじゃねーかぁっ!!
 おれは飛び起き、光線まど出所そとを見た。

 ふぉん♪
『>>シガミー、有効射程外からのローンチを確認」

 それは、とんでもなくなげぇ――危険きけんくさび
 この殺気すじさきには、間違まちがいなく鬼の娘オルコトリアと――
 それ・・かかえられた、小柄な少女タターが居る!

 彼奴あいつらぁ、風呂場ふろばに居ねぇとおもったら――
 何処どこからねらって、やがんだぁぜっ!?

 かぽん――ぐるるるっん♪
 森の主ファローモが、手にした木桶で・・・・・・・――なにかを受け止めた。
 それは、ぎゅりぎゅりりと回転かいてんする円筒形えんとうけい

 その回転かいてん盾代たてがわりの木桶きおけつたわり、ギュララララッ!
 とんでもないいきおいで、まわり出すおけ
 ぶすぶすとけむりが上がる。

「やべぇっ、手が燃えちまわぁっ!」
 おれはぼんで湯をすくって、火元ひもとへ掛ける――ジュッ♪
 おけ裏底うらそこに突き刺さるソレには、見覚え・・・があった。

 〝巨木・・木龍・・〟を討ち滅ぼした・・・・・・――
 木を枯らす・・・・・矢鱈やたらなげ弾丸たまだ。

「やめろ、其奴そいつさわると――木が枯れちまう・・・・・・・!」
 おとここえをしたおんなひたいから生えてるのは、まぎれもなく木のえだだ。
 小枝そこながれる、その活力かつりょくを――枯らせたなら。
 いくら森の主・・・でも、ただでは済むまい。

 パキャッ――おけにヒビが入るが、ザワザワワザワササッ!
 おけえだや根や葉が、しげっていく。
 ぬぅ? 枯れる・・・どころが、ぎゃくだぜ。

 とんでもなく値段ねだんたけ弾丸そいつが、空中ちゅうに――
 手桶ておけうらに、とどまった。

 けどこのままじゃぁ――――シュゴォォゴォォゴォォゴォォゴォォゴォォォォォオオオオオンッ!
 (一体何いったいなにをしてる!? あの遊撃班ゆうげきはんどもわぁっ!!??)
 轟雷ごうらい鉄鎧からだや、大筒おおづつと化した迅雷ジンライを吹き飛ばすほどの――
 おとよりもはやい、火縄ひなわ弾丸たまいきおいに――追いつかれる・・・・・・

 おくれてとどいた〝尾を引くくも〟が、木枠まど粉砕ふんさいし――
 そとからなかへ、はいって来た。
 湯船ゆぶねへりが、バッガァンとくだけ散り――
 波打なみうつ湯が、パシャァンとはじけ飛ぶ!

 ちぃっ、またおれぁ、死ぬだろぅがぁ!
 ゆかくずしても良いから、このまま轟雷ごうらいを着るか――!?
 いやっ、そんなことをしたら――
 建てたばかりの旅籠屋はたごやごと、きゃく全員ぜんいんが吹っ飛ぶぞ!?

 どのみちふところにまではいり込んだ弾丸相手たまあいてに、今更いまさら――
 出来できるこたぁ、ねぇんだがぁぁぁぁぁぁっ!?

 このかいに居たのが、森の主ファローモおにぎりシシガニャンと――
 女神いおのはら眷属ジンライ、そして星神かやのひめ――
 おれ以外いがいは、そう簡単かんたんに死なねぇやつばかりだったのは――
 せめてものすくいだぜ!

「(じゃぁなっ、良い来世らいせだったぜ!)」
 覚悟かくごが決まった、おれの目のまえで――

ん」と鼻息一はないきひとつ吐いた森の主ファローモが、おくれてきた衝撃波いきおいごと――
 弾丸それをパクリと、飲み込んじまった。

 ――ぼっふん♪
 止める間もなく、くちはなみみから小煙けむりをたちのぼらせる、もりぬし

まったなんてぇことを、しやが――るつもり・・・・だぁぁっ!?」
 彼女かのじょが、こわれたまどの向こう。
 ひらけた景色けしきふかもりおくを、じっと見つめ――手をかざした。

「待ってくれ! その手わぁ、なにをするつもりだぜ!?」
 おれは持ったままだったぼんを、濡れたおんなまえに突き出した!

うぜん、飛んでくる羽虫はむしの――巣をはらうの゛だが?」
 攻撃こうげきをされたことで、もとのファローモのからだに――
 近くなった・・・・・のだろう。
い゛っでただだっだぁっ――――!?」
 みみつんざおおきな念話こえに、おれはたおれ込んだ。

「ま、まてぇ、そいつぁたぶん、おれの仲間なかまっ――群れ・・一員いちいんだぜっ!」
 非礼ひれいは詫びるっ、いだぎぃぎ、なんかの行きちがいだ。

「はイ、サきほドの飛翔体ひしょウたいIDアイディー確認かくニんしまシた。間違まチがいなく、タター・ネネルドがはナっタ弾丸だンがん
 大方おおかた森の主ファローモを――おれか五百乃大角いおのはらおそった、刺客しかくだとでもおもったんだろぅぜ。

 ふぉん♪
『>>使用された弾丸は、〝戦略級選択的接触除草弾ユグドラゴン〟ではなく、〝一撃必中ジンライ鋼弾〟です。純粋な弾頭質量による狙撃ですので、この顔ぶれを狙うには些か火力不足と思われ』
 あの弾丸たまwじゃねぇのか……な、なんだよ。おどかすなよ。

 ふぉん♪
『イオノ>>ちょっとシガミー、どーいうこと!?』
 すっぽここ……ここ……こ……てちり♪
 身を起こしたおれの頭上あたまに、ものすごい引っかかりのあと――
 顕現けんげんする――美の女神御神体めがみごしんたい

 もりぬしが、大森林だいしんりんつかさどるなら――
 この根菜いもだか丸茸きのこだかは、ひとの世の拠り所・・・だ。
 弥勒みろく下生げしょうするまでのあいだ、この地をひとの世たらしめるであろう――

「こ、こいつぁ、やすっぽい見た目にはんして、そこそこえら芋茸いもきのこさまでなぁ――今日きょうところコレ・・めんじて、勘弁かんべんしてくれっ、の通《とお》りだっ!」
 おれはひらあたまを下げ、芋茸いおのはらゆかに落ち――なかった!

 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッ♪
 浮かぶプロジェクションBOT群れ・・が湧き、その一匹いっぴき颯爽さっそうと飛び乗る美の女神いおのはら

 『(ΘoΘガチャッ)』『(ΘoΘガチャッ)』『(ΘoΘガチャッ)』『(ΘoΘガチャッ)』
 たこみてぇな銃口くち一斉いっせいに、もりぬしねらいを付けた。

「まて! いくら、おまえさまでも、相手あいてがやべぇーと言っとるだろぉがぁ!」
 なんせ、3パケタの安物やすものとはいえ――
 おとより先に届く・・・・弾丸たまを、つまみ代わりに・・・・・・・しちまうようなやつだぜっ!

「ウケケケケッ――♪」
 なにその……普段見ふだんみせない、やる気!?
 それでなくても、タターがはなった弾丸たま暗殺用あんさつようだ。
 非わぁ、此方こっちにあるってのによっ!

ーーー
弥勒菩薩/遠い後の世で、全てを救済すると言われている未来仏。
下生/神仏がこの世に、姿を現すこと。
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