滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

703:恐竜モドキ風神班、トッカータ大陸へ上陸

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 おれが風神ふうじん尻尾しっぽに、しがみ付いてしばらくしたころ
 細長ほそなが通路つうろが、のぼざかになった。

 ある程度綺麗ていどきれいされていた洞窟どうくつは、其処ここまでで――
 このさき自然しぜん洞窟どうくつが、剥き出しになっている。

「うふうふうふふふっ、がんばってフージーンちゃん――ニャァ♪」
 恐竜きょうりゅうモドキの太首ふとくびに、抱きつく虎型とらがた
 どたどた、どたたっ――!
 流石さすが風神ふうじんも、のぼざか速度そくどゆるめる。

最初さいしょから随分ずいぶんと打ち解けてるが、普通ふつう風神モドキこのすがたを見たらこしを抜かすだろうによぉ――ニャァ♪」
 こんな〝かくり世から来たような〟風神相手やつあいてに――よぉくも平気へいきだぜ。

「だって背中せなかに、乗せてくれたものっ♪――ニャァ♪」
 てんぷらごうにも、大喜おおよろこびで乗ってたな。

「グゲゲゲゲッ♪」
 どたどた、どたたっ――!
 おにぎりを仲間なかまだとおもったから、虎型とらがたを着たレイダのことも、そう思った・・・・・んだろう。
 虎型とらがたごうを振り落としもせず、上手うまいこと乗せてくれている。

 ふぉん♪
『>>レイダは乗馬や使役系のスキルは所持していないので、生来の動物好きが功を奏していると思われます』

「そうだった。風神すうじんおそろしい見た目にはんして、あたまが良いんだったな――ニャァ♪」
 風神ふうじん尻尾しっぽ」が付け根のほうから、ぎゅるるとうねり――
 おれは、すぽるーんと、その場に落とされた。

「いや、まてまて――いまのはべつに、悪口わるくちじゃなくてだな?――ニャァ♪」
 ぐるん、ぽきゅごむん――スタタァン♪
 あぶねぇ!
 のぼってきたさかを、ころがり落ちるところだったぜ。

「ねぇーちょっと! このさきせまくなってるからぁ、風神ふうじんの背に乗れるのわぁ――ここまでわよん・「
 鎌首かまくびをもたげる風神ふうじん
 そのかぶとがキュゥィィィッと、巨大な一つ目メインカメラでおれを見た。

 虎型とらがたごうを降ろしてやり、風神ふうじん首輪くびわくさりをつかませてやった。
 迅雷ジンライがついてるから、おれたちのあとをついて洞窟どうくつのぼることくらい出来できるだろうが、念《ねん》のためだ。
 そこそこきゅうになってきた、このさかころげ落ちると――
 もどってくるのに時間じかんが、掛かりそうだからな。

   §

「あんたたちー、大森林だいしんりんにぃー、出ぇるぅわぁよぉーん
 風神ふうじんうしあたま鎮座ちんざした、女神御神体めがみぞうごしんたいさまが――
 そうのたまうと――カッ!

「まぶしぃ!――ニャァ♪」
 虎型とらがたごうが目を、両手りょうてで押さえ――素っころんだ!
「げくしょーぃ!」
 風神ふうじんが、くしゃみをして――素っころび!
「ひぇっくしょほーぃ!――ニャァ♪」
 おれもくしゃみをし、ぽきゅごろむんと――素っころんだ。

 洞窟どうくつを出たら、鬱蒼うっそうとしたもり
 それでも日のひかりが、キラキラと差しこんでいる。
 それにはとても、安心あんしんした。

 此処ここ大陸最北端たいりくさいほくたん。そうだぜ。
 やっとのことで、大森林だいしんりんもどってきたのだぜ。

   §

 ズドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォッ――――――――――――!!!」
 それはそこそこに、圧巻あっかんだった。

たきだな――ニャァ♪」「たきだね――ニャァ♪」「そうわね
 ロコロむらもど途中とちゅうきゅうひらけた場所ばしょに出た。
 岩場いわば出来できみずうみからは、かすかに湯気ゆげが浮かんでいる。

星神さまかやのひめが見たら、計算魔法具けいさんまほうぐはじき出しそうだぜ?」
 そこには、それほどのたかさはないものの――
 立派りっぱたきが、ながれ込んでいた。

温泉おんせん入浴にゅうりょく八町分はっちょうぶん!――ニャァ♪」
 ぷぴぽぽーん♪
「ハッチ開放かいほうします、ハッチ開放かいほうします」
 五百乃大角いおのはらの声が聞こえ――

 ぶっつん――画面モニタが消えて、真っくらになり――
 ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪
 おおきな頭防具かぶとが、もちあがる。
 目のまえがひらけると、おなじく頭装備あたまうしろへ跳ね上げた――
 虎型ひ号レイダと目が合った。

「ちとぬるいが、まるで温泉おんせんだな」
 みずうみ水温すいおんは――『水面温度/38℃』
 いつも生活魔法ひのたまで湧かす湯が『45℃』だから、このままだと物足ものたりねぇが。
 この先暑さきあつくなる時期じきには、丁度良ちょうどよいかもしれん――ウカカッ♪

温泉おんせん……お風呂ふろ!? はいる♪」
 跳ねる虎型とらがたレイダ。
はいるったってなぁ」
 おれはあたりを見渡みわたした。

水質すいしつチェック終了しゅうりょうぉーん。ガムランちょうのぉ炭酸泉たんさんせんほどにわぁ、・し・く・わぁないけどぉ、安全基準あんぜんきじゅんわ満たしてるわよん♪」
 ニゲルが2号店ごうてんで出してた、あわが出る飲みものだな。

 あれが此処ここで汲めるなら、料理りょうりはばも増やせるところだったが。
 いや……みず豊富ほうふなガムランの源泉げんせんは、尽きることがねぇんだし――
 いやまて……最新さいしん収納魔法具しゅうのうまほうぐは、みずだってしまえるわけだし――
 それならいっそのこと……お猫さまロォグ相談そうだんして、配管はいかんとおせりゃぁ――

 ふぉん♪
『イオノ>>迅雷、水源と水質の継続調査を、自動化出来るかしらん?』
 ふぉん♪
『>>可能です。索敵ドローンの母艦として、測量基地局を作成。そのために必要なSDKチップは、二対で四個。現在の残数は164個です』

 ふぉん♪
『イオノ>>当初の、とんでもない数からみれば大分減っちゃったけど、それでも大森林に来てみて大正解だったわねぇん♪』
 164個……二個にこひとぶんだからぁ、82個か。

 たしかに、あれだけあったことかんがえると――
 心許こころもとなくなっちまったが――
 元々もともと、ミャッドから一個いっこ1500パケタで買ったほど――
 猪蟹屋一味おれたちにとっては、貴重きちょうものだ。
 これだけ有るのだ――これ以上いじょう成果せいかはねぇ。

 ふぉふぉん♪
『廃棄された古代の女神像から回収した謎の遺物
 品代として――1,500パケタ』
 なぞ遺物いぶつ――発掘魔法具アーティファクト
 この価値かちを知られたら、大森林勢だいしんりんぜいいくさになったりしねぇか?

「(それにかんしては、問題もんだいないか)」
 どーいう?
「(ケンカになるまえに、123,000パケタくらい払っちゃえば良いでしょ)」
 色々いろいろと、物入ものいつづきで、かねは無ぇだろうが。

 ふぉん♪
『イオノ>>そー言うときの、カヤノヒメちゃんじゃないのさ』
 やめろ。
 どうせミャッドに聞かれたら、知られちまう。
 正直しょうじきに言って猪蟹屋こっち出来できることをやって――
 123,000パケタ以上おじょう儲け・・を、大森林だいしんりんもたらせば良いだけのはなしだろ。

 そもそもが――おにぎりは82ひき……83びきも要らん。
 直ぐ使つかわけでもねぇしな。

「グゲゲッゲッ♪」
 ばっちゃばっちゃ――ドブゥン♪
 ぬるみずうみに飛び込む風神ふうじん

 ふぉん♪
『>>半径3㎞内に、中型以上の魔物は確認出来ません』
 よし。なら此処ここで、一休ひとやすみするか。

 次いで虎型とらがたごうみずうみへ――ぽぎゅーん!
 ちょっとしたいわのぼって、いきおいいを付けたのがまずかった。

「っきゃぁぁっぁぁっ――――!?」
 強化服シシガニャンは、水濡れに強い・・・・・・――言ってみりゃふくろだ。
 沈めようとしても・・・・・・・・早々沈そうそうしずものではない。

 ぼぎゅぴゅぅーん♪
 とんでもねぇいきおいで飛んでいく虎型ひ号レイダを、虎型ふ号おれ必死ひっしに追いかけた。
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