滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
702 / 740
5:大森林観測村VSガムラン町

702:恐竜モドキ風神班、虎型ひ号レイダ

しおりを挟む
「おい、なに一緒いっしょに来なくても、良かったんだぜ――ニャァ?」
 虎型とらがたごうを着た、おれが先行せんこうする。
 ぽっきゅぽっきゅきゅ――ぽきゅーん♪
 モフモフむらおくとびらとおり、たいらでひろ通路つうろすすんでいく。

「こぉんなに、面白おもしろいことになってるのに、わたしだけ仲間なかまはずれなんてやだよっ――ニャァ♪」
 風神ふうじんの背にまたがり、ご満悦まんえつ虎型とらがたごう
 中身なかみは、もちろんレイダだ。

 ちいさなとびら風神ふうじんは、とおり抜けられない。
 ならば、どうしたのか――簡単かんたんはなしだ。
 モフモフ村村長むらそんちょうに見せてもらった、おくとびらさき地図ちず
 その地図ちずを、書き換えた・・・・・のだ。

 まず風神ふうじんとおれるあなを、風神ふうじん蹴り開けさせた・・・・・・・
 つぎ表側おもてがわような、巨大きょだいもんを取り付ける。
 そして最後さいご周囲しゅうい岩壁いわかべを、迅雷鋼製ジンライこうせいはしら補強ほきょうしたのだ。
 これなら、そう易々やすやすとは、かにはさみとおることもない――ウカカカッ♪

 トッカータ大陸たいりくまで、ほぼ真っ直ぐ伸びる洞窟どうくつには、やく50メートルくらい掘りすすんだらつながった。
 おにぎりと迅雷ジンライと、魔導工学まどうこうがく心得こころえがある鍛冶職人かじしょくにん手分てわけけをしたから――
 ふぉん♪
『>裏門整備の所要時間は、34分42秒でした』
 ありゃ、以外いがいと掛かっちまってたな。

 ふぉん♪
『>>大森林観測村③エレクトロ・モフモ村の周囲を、蟹避けの鉄格子で覆いましたので、中々の大工事でした』
 はぁ、そうなの?
 ふぉん♪
『おにぎり>>ガムラン町からもらった、オリハルコンはあらかた使ったんだもの』
 なんだと、じゃぁ、またもらいに行かんとなぁ。

 かなりおおきな洞窟どうくつ通路つうろ
 その岩壁いわかべに、蟹穴かにあな見当みあたらんが――
 モフモフむら連中れんちゅうが、安全あんぜんに過ごせるなら良かったぜ。
 村長箱そんちょうばこに飛ばされた、甲斐かいもあったな。


「グゲゲッゲッ? くけけぇー♪」
 どったどどった、どどったたったっ!
 虎型ふ号おれのあとを、軽快けいかい足取あしどりでついてくる――石竜子鳥きょうりゅうモドキ虎型ひ号ばけねこモドキ

「(彼奴あいつらぁ、随分ずいぶんとと打ち解けたな?)」
 うしろを付いてくる、恐竜モドキたちを見る。

「(風神ふうじん虎型とらがたも、僚機りょうき認識にんしきしたようで)」
 ヴヴュ――ゥン?
 あたまを振っても映像えいぞうが、ざらつかんな?

「(暗視モードナイトビジョンおよび、光学望遠モードオプティカルズームをアップデート……修行しゅぎょう成果せいか)」
 よし、えらいぞ。褒めてやる。
 夜襲やしゅうを掛けることはそうそうねぇが、仕掛しかけられたときにはらくになるぜ。

「まぁ、面白い・・・ぃかぁもぉーねぇー
 (子供じどもなんてー、恐竜大好きょうりゅうだいすきだしさ
 ヴァパパパッ――♪
 まえはし虎型おれ虎柄せなかが、うつしだされた。

 ふぉん♪
『>>〝#風神の兜【風神】〟、メインカメラ映像です』
 女神像の台座クレイドル利用りようした、風神ふうじんかぶと
 それは風神ふうじん五百乃大角いおのはらが見る、景色けしきほかならねぇ。
 結構けっこうたかさから、見下みおろしてやがるな。

「けど明日あしたお猫さまロォグ一緒いっしょ女神像めがみぞうとびらとおったら――一瞬いっしゅんでロコロむらに着くだろぅが?――ニャァ♪」
 ほう超楽ちょうらくだろぅが?
「(はい、くつろいで就寝しゅうしん、起きればもうロコロ村で)」
 だよなぁ?

「だめだよ! こんどは絶対ぜったいに、わたしも付いて行くんだからっ――ニャァ♪」
 どうやら余程よほど、おれたちの洞窟どうくつダンジョン探索たんさくに――
 置いて行かれた・・・・・・・のが、いやだったようだ。

 だが、どうかんがえても――
馬鹿ばかを言うな、とても子供こどもを連れていけるような、道行みちゆきじゃ無かったぞ?」
「はイ、あレは転移事故てんいジこト呼ぶべキ事態じタいでシ
 そうだぜ、迅雷ジンライも、こう言ってるぜ。

「そんなことないでしょ! ビステッカちゃんにずーっと、「シガミーちゃんは、騎士きしさまのようでしたは」とか、「カニとオニオーンのお料理りょうりが、楽しみですは」とか自慢じまんばっかり――くどくどくどくど!――ニャァ♪」
 画面隅がめんすみ虎型ひ号レイダの、様子ようすうつしだす小窓こまどなか
 そのくちが止まらん。

 んぅーるっせぇ――!
「(虎型とらがたごうからの音声こえを、しぼっとけ!)」
 ったくよぉっ!
 どうしたんだぁ、レイダのやつぁよぉぅ?

 わけもわからず、厨房ちゅうぼうダンジョンにほうり出されて――
 いのちからがら抜け出したら、恐竜きょうりゅうモドキの巣だぜ!?
 其奴そいつ何処どこが〝面白おもしろい〟って、言うんだ?

 ふぉん♪
『>>類推になりますが、おそらくはLV上げの観点からビステッカ嬢に、おくれを取ったことに腹を立てていると思われ』
 LVレベルか。それならわからんでもなくもねぇ……かもしれねぇ気が……すこしはするな。

 ふぉん♪
『イオノ>>ふう、これだからあんたたちは。まるで女心がわかってないわねぇん♪』
 んだと、ご挨拶だな。五百乃大角いおのはらのくせに。

「(どーいう意味いみでぇい?)」
「(ふぅー……焼きもち・・・・わよ、焼きもち・・・・ぃ。パーティーメンバーである自分じぶんを差し置いて、クラスメートのビフテキちゃん・・・・・・・面白おもしろクエストを、さき冒険プレイされちゃったら、そりゃぁ――)」
 ふぉん♪
『>>ビステッカです。イオノファラ-』

 うううぅむ? いまいちわからんが――
冒険者仲間パーティーメンバーというなら……ぶつぶつ……リオとレイダは、ずっと一緒いっしょだったろうが――ニャァ?」
 ふぉん♪
『イオノ>>あー、バカシガミー! 余計なことを!』
 馬鹿ばかとは、なんでぇ!

「フーンだっ! 風神フージーンちゃん、シガミーを振り切って!」
 恐竜きょうりゅうモドキの首輪くびわに、つながるくさり
「くけっけけけけけけけぇぇぇっ♪」
 それをかるく振り――加速かそくしていく、風神ふうじん虎型とらがたレイダ。
 ちなみにくら通路つうろを、『時速じそく60キロメートル』で駆け抜けているから――

 ゴゴッン――――ぽっっきゅごろごろごろごろろろろろろろっ♪
いてぇっ――ニャァ♪」
 凸凹いわあしを取られりゃ、盛大せいだいに素っころびもする。

 どったどどった、どどったたったっ――!
 はしり去る恐竜きょうりゅうモドキ。

 一人取ひとりとのこされる、おれ。

「うふふうふふふふっ――ニャァ♪」
「レイダ、慣れるまでは徐行じょこうし……ゆっくり、すすんでくださ
 ちなみに迅雷ジンライは、虎型ひ号レイダ助けサポートするために――
 虎型とらがたごうの、うしくびはいってる。

「グゲゲッゲッ――♪」
「ウケケッケッ――
 画面隅がめんすみさわがしい。
 ったくよぉ、おれを置いて行くんじゃねぇー!

さみしいだろぉがぁ――!」
 必死ひっしに飛び起き、あとを追った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

スター・スフィア-異世界冒険はお喋り宝石と共に-

黒河ハル
ファンタジー
——1つの星に1つの世界、1つの宙《そら》に無数の冒険—— 帰り道に拾った蒼い石がなんか光りだして、なんか異世界に飛ばされた…。 しかもその石、喋るし、消えるし、食べるしでもう意味わからん! そんな俺の気持ちなどおかまいなしに、突然黒いドラゴンが襲ってきて—— 不思議な力を持った宝石たちを巡る、異世界『転移』物語! 星の命運を掛けた壮大なSFファンタジー!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~

北きつね
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。  ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。  一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。  ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。  おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。  女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手伝っているつもり)。 注)作者が楽しむ為に書いています。   誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめて行います。

ノアズアーク 〜転生してもスーパーハードモードな俺の人生〜

こんくり
ファンタジー
27歳にして、今ゆっくりと死に向かう男がいる。 彼の人生は実にスーパーハードモードだった。 両親は早くに他界し、孤児院でイジメられ、やっと出れたと思えば余命宣告をされた。 彼は死に際に願う。 「来世は最強の魔法使いとか世界を救う勇者とかになりたいものだ。あ、あとハーレムも追加で。」と。 力尽きた彼が目を覚ますと、子供の体に転生していた。 転生は成功した。 しかし、願いは1つも叶わない。 魔術?厄災?ノア? 訳の分からないことばかりだ。 彼の2度目のスーパーハードモードな人生が始まる。

処理中です...