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5:大森林観測村VSガムラン町

694:料理番の本懐、岩、塩と自、動翻訳チャ、ンネル

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「ヘェ、イ、ヘェイヘ、ェイ、ヨォーそんちょうが、むらびとに告げ、る、緊急警きんきゅうけいほうそれい、カニ――ピヨピ、ヨピピョロ、ロロッ♪」
 はなれたところにひっくりかえっていた、モフモフ村村長むらそんちょう
 それが、うただかおどりだか良くわからん――カクカクしたうごきを、再開さいかいした。

「イッ、ェー全員沈ぜんいんちん黙外もくがい出禁止しゅつきんし、それでも、くなら――ピュチ、チピュチ、チチッ♪」
 さっきまでの、だらけた感じ・・・・・・じゃ無く――鬼気迫ききせまるような。

「ヨーッ、2びょうに1、回緊かいきん急停きゅうていホーッ――ピョキョ、キョピチチ、ピーッ♪」
 とりどもまで一緒いっしょになって、カックカクしてやがる。

 というか、そんな面妖めんよう動き・・を見せたら――
 かにに、目をつけられる・・・・・・・だろぉが!?

「ウザッ――村人むらびとちょうウザッ
村人むらビとたチの間断周期かんだんしゅウきが、ヨりみじか顕著けンちょになりまシた――じツ興味深きょうミぶか
 たしかにウザいが、お前らも・・・・森域結界ロコロむらなかで、カックカクしてただろぉが?

 ふぉん♪
『>>我々の速度差の発生原因は、女神像ネットワークとの隔絶です。女神像ネットワークに依存しないモフモ村住人に、速度遅延が発生することはありません』
「(いやいや、してる、してるぜ。カックカクだぜ!?)」
 逃げまどう村人むらびとたちのうごきは、とてもとてもカックカクだ。

「だから、村人おまえらさまどもめっ! かにに目を付けられるから、其れ・・を止めんかぁ――!!??」
 さけぶおれのまえに――ガガッガチャチャ♪
 もう一匹いっぴきかにあらわれた。

「むぅ、もう一匹いっぴき!? なんでかかにがぁ、おれたちを――じーっと見てやがるぜ!?」
 ブクブクブク、ブクブクブク――くちからあわ「を吹くかにどもと、目が合っちまった。

 ガキィン、ガキガキィン♪
 きゅうかにどもが、目玉めだまはさみを突き出した。
 『≧[゚_゚]≦▼――ピピピッ♪』『≧[゚_゚]≦▼――ピピピッ♪
 動体検知どうたいけんちされる、かにたち。

けん闘祈とういの、るぜ、のがみさま――ピ、ヨピヨピ、ピョロロ、ロッ♪」
健闘けんとういのる、よりょう理番りばんさ、ま――チチ、チッ、ピョ、ロ、ロッ、チチッ、♪」
けん闘祈とういのる、わけんぞくさま、にねこ、の魔物まものさ、ま――ピキュ、キュキ、キキ、キッ、チチッ♪」
 カックカクした足取あしどりで、ゆっくりと・・・・・逃げていく村人むらびとたち。

 ガキィン、ガガキイィィン♪
「おい、なんで、おれたちばかり目の敵・・・にしやがる!? 蟹太郎かにたろうめっ!」
 村人むらびとたちおぉー、おそわんのわぁ、たすかるがぁ!?
 ふぉん♪
『シガミー>>解せん!』

「(うーんっとねぇー。獲物えものを取るためにぃ、かにさんがぁ最適化さいてきかしたぁ、動体視力どうたいしりょくの、ぉー、弊害へいがいわよぉねぇーん)」
 わからん知らん、知らんがぁ――
「み、ゃにゃぎ、ゃぁー、
 村人むらびとたちを真似た・・・、おにぎりのよこを――
 かにどもが、素通すどおりした!

 ふぉん♪
『>>村人たちの緩急の付いた動作の間断は、〝蟹から襲われないための策〟であったと思われ』

 ぶくぶくぶくぶく――ガザザザザザザザッ、ガッギィィン♪
あぶねぇっ!?」
 ヴッ――ぐるるん、ギャッリィィン!
 咄嗟とっさ錫杖しゃくじょうで、受け止めたがぁ――
 かにはやべぇ、超速ちょうはえぇ!

 おれも――カヒューゥイ、バクン♪
 猫頭かぶとかぶり、カックカ、クし、た動き・・てみ、た。

   §

「おにぎ、り! そのSDKエスディーケーひ、とつ、お寄越よこ、しっ――ォウィ、ェー
 かにから逃げのびたおれたちは、風神ふうじんが居る倉庫そうこまでもどった。
 あと、そこの女神めがみ、うるせぇ。

「にゃみゃやー
 ヴッ――ぽすん。
 岩塩がんえんを、とおくのかにへ向かって投げつけていた――
 その手を止める、強化服きょうかふく自律型一号じりつがたいちごうおにぎり。

 御神体からだおおきさと、そう変わらないソレ・・を――
 ごどんと、受け取る御神体いおのはら
 ちいさなくちひらくと、ガジリと噛みついた。
 そのかたまりは、くだけ――『(>△<しょっぱーい!)』
 美の女神いおのはらは、かおをしかめた。

   §

 ガザザザザザザザッ、シュゴッ――――!
 ガッギィィン――距離きょりにしておれ三人分3シガミーを、一瞬いっしゅん
 自在じざいに駆け抜け、飛んでくるはさみ

ばかやろぅみゃぎゃー! 村人さまどもめにゃんやーぎゃ蟹の足わぁ速えぞぉみゃぁーぎゃぎゃもっと離れろやぁふっぎゃみゃニャー!」
 画面モニタはしに見えかくれする、モフモフ村人むらびとどもを追っ払うつもりが――
 ギニャガニャ・・・・・・うるせぇ、だけだぜ!

 そとに聞こえる虎型おれこえわぁ――
 おおまかな猫共通語ねこきょうつうごに、自動翻訳じどうほんやくされちまう。

 ふぉん♪
『>>外部音声出力:正常に作動中』
 耳栓ヘッドセットへの音声出力おんせいしゅつりょくや、外部がいぶスピーカー付きの鉄鎧からだに慣れると――
 虎型こいつつくりわぁ多少たしょう不便ふべんだぞ。

 ふぉん♪
『イオノ>>シシガニャンの自動翻訳chは、外すと気密保持出来なくなるから、魔法耐性がポンコツになるわよん?』
 ソレ・・はわかる。
 たしか絵で板エディタえらんだ、おにぎりや強化服シシガニャンの〝もとになったかたち〟。
 ソレ・・話す言葉・・・・が〝猫共用語ねこきょうようご〟しかなかったと、五百乃大角おまえさまから聞いたのをおぼえてる。

 ふぉん♪
『シガミー>>なら轟雷の鉄鎧に付いてる、〝外部スピーカー〟を取り付けるぞ?』
 轟雷ゴウライを着たときの演算単位あたまのさえで、神々かみがみどもの考え方・・・物の名・・・も、いくらかわかるようになった。

 ふぉん♪
『>>〝F.A.T.S.〟の更新が望めない以上、〝強化服プリセット〟に介入するためには、より大きなシシガニャンをもう一枚、上に着込むなどの工夫が必要になります』
 はぁ!? そりゃ、とんでもなく……阿呆あほうだぁろぅが?
 それならせまい、この場で無理矢理むりやり轟雷ごうらいを着るぜ。
 それじゃなくても、翻訳ほんやく木板きいた虎型おれくびにでも提げりゃぁ済むぜ。

 ふぉん♪
『>>シガミーが風神との意思疎通に慣れていけば、あるいは全ての生物との意思疎通を図れるかもしれません』
 それは……獲物かにともはなせるようになるってことかぁ!?

「ぶくぶくぶくぶく――!」
 またかにと目が合った。
 食うかも知れん相手あいてと、斬り合いながら交わす言葉ことばはねぇ!
 とむらいの言葉ことばが要るのは、のこものたちだ。

要らん要らんにゃぎゃにゃぎゃ――!」
 それに、はなせるようになるのは、直ぐ・・じゃねーんだろう?
 ふぉん♪
『>>はい。年単位の強化学習と、スキル習得ならびに調整が必要かと』
 矢っ張り、阿呆あほうじゃねぇかよ。
 いま、そんなはなしは要らん。

 ギュララッラララララララララララッ――――ごっがぁぁぁん、ぽぎゅむっ♪
 死角うしろから突き込まれた、はさみはじく!

「(そうわよ、それどころじゃないゎよ!? あのかにさん、〝塩分耐性えんぶんたいせい〟があるところを見ると――グズグズしてる場合ばあいじゃ無いわよ)」
 あわてる美の女神御神体めがみごしんたい、その念話ねんわしんせまる。

「(そうですね。栄養状態えいようじょうたいの良い汽水域きっすいいき生息せいそくする、発育はついくの良い個体こたいであると類推るいすい戦闘せんとう長期化ちょうきかすることは、のぞましくありませ)」
 たかさ1シガミーで、横幅ほこはば2シガミーの――そこそこおおきなかに
 十数じゅうすうメートルを刹那・・で駆ける――大申女ロットリンデも逃げだす強敵きょうてき

「なに言ってんのさっ! 塩をかじる・・・・・かにさんなんてぇ――まっさに鴨葱かもねぎじゃないのぉさぁぁっ
 はぁ? 五百乃大角こいつさまも……別の話・・・を、してやがるな?

 ふぉん♪
『おにぎり>>おいしい食べ方は、約4%の塩水で茹でることなんだもの♪』
 なんだと、おにぎりおまえ――そんなこと、何処どこおぼえてきたぁ?
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