滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

677:芋の町にて、続々・おにぎりの休日

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「しかし、どうしますか? あちらの紳士しんしを、伸しちまいやしたぜ、こいつ・・・
 近寄ちかよろうとする手下てしたを――
「ぅおまち! あんたたちかな相手あいてじゃなぁいわよっ!」
 団長だんちょうせいした。

 コイツ呼ばわりされた、黄緑色きみどりいろねこ魔物まものは――すぽん♪
 細剣代ほそけんがわりの長串ながくしを、ぱっと跡形あとかたもなく消した。
 そして、まだ地に突き刺さったままの紳士しんしを、スポンと引っこ抜き――ヴッ♪
 どこからともなく取り出したなわで、きゅっとしばり上げてしまった。

「こらー、きみたちー! またぁーさわぎを、起ーこーしーてぇー!」
 解散かいさんした女性じょせいたちの向こうから、姿すがたあらわしたのは――
 冒険者ぼうけんしゃギルドの受付嬢うけつけじょう制服せいふくに、身をつつんだ――
 かなりどっしりとした・・・・・・・女性じょせいだった。

   §

なんてことかしら!?」
 手配書てはいしょ黄緑色きみどりいろ魔物風まものふうを、繁々しげしげ見比みくらべていたギルド受付嬢うけつけじょうが――

「これはこれは御使いさま・・・・・っ、アリゲッタ辺境伯領・・・・・・・・・へ――ようこそおいで下さいましたわっ!」
 ――などとのたまひざを突き、うやうやしくこうべを垂れる。
 その真剣しんけん様子ようすは、並々なみなみならぬ事態じたいであることを、うかがわせた。

「みゃぎゃやーにゃぁー
 御使いさま・・・・・は、振りかえる。
 うしろにだれも居ないことを、たしかめたようだ。
 すくなくとも黄緑色きみどりいろかれもしくは彼女かのじょには、御使い・・・である自覚・・はないらしい。

「おじょう――はなれてくだせぇ! そいつぁ、町民ちょうみん紳士しんしを手にかけた、悪党あくとうなんでさぁ! ぐぇへっへへへっ!」
 悪党あくとうのようなわるかおをする、自警団じけいだん手下てした
 かれ受付嬢うけつけじょうを、おじょうと呼んだ。

はなれるのは、きみたちのほうよ! ひかりのたてよ!」
『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』
 受付嬢おじょうふくよかなてのひらに、浮かび上がる――
 一枚いちまいの、ひかりのたて。

 せいなる曼荼羅もんようは――ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――ッ!
 なわで巻かれた町民ちょうみん紳士しんしを――――燃え上がらせた・・・・・・・

 ぼっごおぉぉぉぉぉっぅわわぁっ!
 紳士かれかぜに吹かれたほのおで、とても良く燃えた。
 あわてふためく〝ポテフィール自警団じけいだん総員そういんめい)〟や、道行みちゆ人々ひとびと

「落ち着いて、この火はすぐに消えます!」
 その宣言通せんげんどおりに、せいなるひかりいぶされた紳士しんしが――ぷすぷすん♪
 ひとりでに、鎮火ちんかした。

「あれ、ここはどこだ? わたしなにをしていたのだ?」
 ほほかみを焦がした粗野そや紳士しんしが、きゅうひとが変わったように温和おんわ表情ひょうじょうを見せる。
 そして身を起こし、受付嬢うけつけじょう見上みあげた。

「おや、これはこれはポテリュチカじょう本日ほんじつもご機嫌麗ごきげんうるわし――ぎゃっ!? ねこ魔物まものっ!?」
 となりひざかかすわり込む、黄緑色ねこのまもの
 それに気づいた紳士しんしが――こしを抜かし、バタリとたおれた。

「これはまさかっ!? こんな町中まちなかで、〝魔神返まじんがえり〟に出くわすとはっ――あんたたちっ!」
 いさましく号令ごうれいをかける団長だんちょう

「「「へへーい!」」」
「にゃみゃー
 だらしなく立ち上がり、敬礼けいれいする団員だんいんたち。

顔色かおいろわるくて、いらついた様子ようす町人まちびとがいたらぁ――自警団詰じけいだんつしょに、連れてくるんだよ!」
 団長かれ内股うちまたはふたたび、ぐねっていたが――
 そのかおはとても真摯しんしで、とおくのほう女性じょせいの取り巻きが湧いた。

 どたたたっ、ぽきゅらら――と散っていく団員だんいんたち。
「あっ、御使みつかいさまは、そんなことをなさらなくて、よろしいですのよぉー!」
 受付嬢おじょう黄緑色みつかいを追って、行ってしまう。

 倉庫そうこに取りのこされる紳士しんしと、種芋たねいもとげ団長だんちょう

大丈夫だいじょうぶかいっ!?」
 紳士しんしからだを起こしてやる、筋骨隆々きんこつりゅうりゅう
「ぅうーん?」
 抱き起こされた紳士しんしが、いきを吹きかえした。

 その視線しせん交差こうさし――「ぅふぅん――♪」
 バチィン♡
 片目かためを閉じ、身をくねらす団長だんちょう

 その視線直撃ちょくげきした紳士しんしかおが、ふたたびあおざめ――
 パタリとたおれた。
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