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5:大森林観測村VSガムラン町

671:謎エリアにて、迅雷式換気扇フィルター

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人聞ひとぎきがわるいわねぇ、もうっ
 いきおあまって今度こんどは、寝床側こっちがわに――スコカカァーン♪
 飛び込んで来た御神体いおのはらを、ヴォヴォゥゥン――カシャカシャ、ガシリ♪
 迅雷ジンライ機械腕プロダクトアームで、受け止める。

我々わレわれ度重たビかさナるシガミーの功績こウせきタいシ、温情おんジょうあタえヨうと画策かくサくしマし
 はぁ? 金貨パケタでもくれるってのか♪
 けど、どうせ金回かねまわりなんて、猪蟹屋一味みせのなかま一蓮托生いちれんたくしょうだろぉ?

「〝おやすみ〟をあげるって言ってるのわよっ! ありがたく受け取りなさぁーいっ
 やすみだぁ? やすみってなぁ、ひまってことだろ!?
「まさか、御役御免おやくごめんか!?」
 まさか、かに仕留しとそこなったからかぁ――――!?

「まてまてまて、こんな来世らいせで、ほっぽり出されても――生きていける自信じしんがねぇやい!」
 それに猪蟹屋ししがにや半分・・は、おれの120を越えるスキルが、もたらしたもんだ。
 けど神々かみがみ面白さを知った・・・・・・・今更いまさら……此奴こいつらとはなれてやっていくことなど――想像そうぞう出来できん。

 そー言うわけだぜ、迅雷ジンライ
 いますぐ、お出しして差し上げろやぁ。

「(なにをですか)」
「とぼけるんじゃぁねぇ! かに鋏さま・・・に決まっとろーがぁ!」
 収納魔法しゅうのうまほうの『取って置き食材』フォルダに、入れてある取って置きを見せて差し上げろやぁ!

   §

「シガミー。〝かニコロッケ〟ノ試作しサくヲ、いマすグ止めてくダさい
 ズズゥゥン、ぐらぐらぐららり!

「ちぃっ、うまそうなにおいに釣られて集まって来ちまった・・・・・・・・・ぜ!」
 くそぅ、揚げはじめた、ばかりだってのによぉ!
 五百乃大角いおのはらみに、食い意地いじを張りやがって――石竜子鳥共とかげどりどもめ!

 おれたちのあたまうえ巨大岩きょだいいわ天井てんじょううつし出される――
 『てき』をあらわあかそれが――ドズズゥン、ドズズズズゥゥゥゥン!
 ひしめき合い、たぶん……喧嘩けんかはじめた。

「ちょっと、迅雷ジンライさーん! なんで換気かんきフィルタが、付いてないのさ!?
 部屋へや見渡みわたし、けわしいつら御神体さまいおのはら
「シガミー、この部屋へやは〝冒険者ぼうけんしゃギルドガムラン町支部新屋舎ちょうしぶしんおくしゃ〟とおな配管構造はいかんこうぞうですか/
 御神体ごしんたいさまを、ぶら下げたまま――ヴォヴォヴォゥゥン♪
 部屋へやなかを飛びまわる、独鈷杵どっこしょ迅雷ジンライ

「いいや、〝冒険者ぼうけんしゃギルド大森林だいしんりん観測村支部かんそくむらしぶ〟の厨房ちゅうぼう風回りが・・・・良くなかったから、風車かざぐるま四カ所よんかしょにも付けたぜ?」
 ズズゥゥン、ぐらぐらぐららり!
 揺れる、かく部屋べや

 血のいけのように、真っ赤になった天井てんじょう表示ひょうじ
 そのなかひとつだけ、一面いちめん赤色あかいろとは区切くぎられた『とかげどり』が居る。
 仲間なかますら寄りつかないのは、たぶん――
 あの大口の奴・・・・だろうな。

わりぃ、なんか足りなかったか?」
「いイえ、換気効率かんキこうりつタめ工夫くフうハ、完璧かンぺきデす。タだ外敵がいテきに、コのかク部屋べヤ気取ケどらレるオそれがあルので、今後こンごハ〝迅雷式じんらいしき換気扇かンきせんフィルター〟ヲ設置せッちしマしょ

乾期栓かんきせん……不意畄他ふいるたぁ?」
 迅雷ジンライ五百乃大角いおのはらを、ちゃぶだいに置き――

迅雷式隠じんらいしキかく蓑製みノせい薄網うすあミ二重にジゅうにシ、そノアいだに――レイダざイ塗布とフしタ薄布うすぬノはサミ込んでくダさ
 ヴッ――カシャン♪
 そう言って取り出された四枚よんまいいたを、迅雷ジンライ手分てわけして風車かざぐるままえに貼り付けた。

 隠し部屋このへや料理りょうりをすると、旨い匂いでばれちまう・・・・・・・・・・対策たいさく上手うまくいき――
 『とかげどりども次第しだいに、ばらけていった。

   §

なんだぜ? 〝休み・・〟ってなぁ、正月しょうがつみてぇなもんかっ♪」
 おどかすんじゃねぇやい、おまえらさまめ。

「はイ、でスので本日ほンじつこレから、好キに過ごシてください
 ねぎらいに、おれの仕事やること代わってくれる・・・・・・・って言うはなしなんだな?

「そうわよ。おにぎりの捜索そうさくは、あたくしさまたちにまかせて、休日きゅうじつおぉー満喫まんきつしてよぉねぇん
 くちというか顔中かおじゅうが、揚げ物・・・あぶらまみれなんだが。
 迅雷ジンライ、拭いてやれ。

「しかし、こんないししたじゃ、そうやれることもねぇがなぁ」
 さっきまでひしめいていた『とかげどり』が、まばらになったが――
 そとに出たら、またかじりつかれそうだしよ。
 しかも、一匹残いっぴきのこった『コイツ』わぁ、多分たぶん大口・・〟だろぉ。

「もちろん今日きょうだけじゃなくてさぁ、シガミーにもぉ、好きなことをする時間じかんわぁ必要ひつようとぉかんがえますのぉでぇーすぅよぉー
 コトリとよこになり、だらけた様子ようす御神体いおのはら

 ふぉん♪
『イオノ>もちろん、あたくしさまのご飯を、忘れてもらっては困りますけれども』
 めしならためしにつくった〝かにいもを捏ねて揚げたやつ〟が、まだまだのこってるだろぉがぁ。
 食材しょくざいが足りんから、本式ほんしきつくかたじゃなくなったがぁ――相当しうとううまかったぜ。

「しかし、こりゃまいったな、きゅう休日きゅうじつと言われてもよぉ?」
 ギルドの連中れんちゅうやミャッドやニャミカが、それ・・たのしみにしていたのは知ってる。
 けど、おれが生まれてこのかたなにもしなかった日ってのは――
 酒瓶さかびんで素っころんだ、命日あのひくらいのものだ。

 よし、じゃぁ――「やっぱり、もうすこし寝るぞぉ?」
 おれぁ、まだ精魂尽せいこんつき果ててる、最中さいちゅうだったしよぉ。
 おにぎりのことは、たのんだからなぁ?

「はイ。オまカくダ
「おやすみーぃ
 ばたーん――――おれは寝床ねどこに、たおれ込んだ。
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