滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

669:謎エリアにて、岩盤返しの術

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「シガミー、前方ぜんポうかラ中型ちゅうがた恐竜きょウりゅう大群たいぐン――」
 なんだとぉ!?
「シガミー、こっちからも、すごおおきいやつがぁのっそりのっそり・・・・・・・・何匹なんびきも寄ってきてるわよぉー!?
 なんだぁとぉっ!?

「こりゃぁ、いかんぜ!――ニャァ♪」
 ふぉん♪
『シガミー>>迅雷、虎型の金剛力を使うぞ!』
 ヴォヴォヴォッ――シュカン!
 迅雷じんらい虎型ふ号おれうしあたまに、飛び込んできた!
 着られる強化服シシガニャン虎型とらがたには、金剛力こんごうりき使つか仕組み・・・はいってる。
 簡単かんたんに言うなら、猪蟹屋制服ししがにやせいふくに織り込まれた機械腕かいなのもっと強力きょうりょくなのが――
 ひとかたちに添って、はいっているのだ。

 着りゃぁ鬼族オーガなみのちからを、だれでも使つかえるようになる。
 そして、星神茅野姫ほしがみかやのひめの手によって作り替えられた・・・・・・・――
 このシガミーのからだは、金剛力無こんごうりきなしでもおなこと出来できる。

 ならばだ。
 そのうえに、虎型とらがた金剛力パワーアシストを足してやれば。
 しかも、迅雷ジンライ付きの本式ほんしきのをかさねたら――

 おれは、おれをねらつづけている大口とかげどりすきを突いて――
 ぽっきゅぽきゅぽきゅきゅーん!
 よこを駆け抜けた。

 ふぉん♪
『>パワーアシストを使用しますか?』
 おう、やってくれ!
 ふぉん♪
『【金剛力モード/ON】
 L>>>>>>≫H』
 強化服シシガニャン波打なみうち――ググググッ!

 おれは、ちかくに生えてた、巨大きょだいいわ目指めざす。
 ぽっきゅぽきゅきゅきゅぽきゅーん――――♪

「くっきゃぉるるるるるぁぁ――――!!!」
 どどっどったっ、どどっどったっ!
 うしろから――『▲▲▲ピピピッ♪
 大口石竜子鳥おおぐちとかげどりが追ってくるが、知ったことではない。

 ぽきゅすたり――おれはいわ辿たどり着き、そのはしを。
 (カーソルを二つ・・寄越よこせぇっ!)
「(はい。対象座標たいしょうざひょうの複数設定ふくすうせっていには視線しせんによる、多重たじゅうロックオンが使用可能しようかのう)」
 『ポッ』『ポッ』――あらわれた、ひしがたで。
 その一点いってん……いや、当たりを付けた二点にてんにらみつけ――

心頭滅却しんとうめっきゃく無念無想むねんむそう明鏡止水めいきょうしすい――ニャァ♪」
 ふぉふぉん♪
『>>シガミー、バイタルに滅の波形が顕在化しています。滅モードを使用しますか?』
 要らん、見とけやぁ!
 目減り・・・しちまう滅門戸めつモードじゃ――心元ねぇ・・・・からなぁぁぁっ!

 ふぉふぉぉぉぉん♪
『>多重ロックオン完了。いつでも攻撃できます。
 >滅モード:OFF』

「ちょっとシガミー! なにかがみ込んでんのさっ? あのおおきなくち恐竜きょうりゅうがぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁっ!?
「くっきゃぉるるるるるぁぁ――――!!!」
 うるせぇ!

 半分埋はんぶんうまった、そのでかい巨石・・・・・を――『FIRE!』!
「でぇぇぇぇりぃぃぃゃぁぁぁぁぁっぁっ!!!!」
 りょうてのひらで、叩いた・・・

 ぽぎゅごぉぉぉぉん――――バギッ、どごぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!
 あんじょうならものの居ない、その体現・・・・
 このおれの、いまからだ
 ただでさえおもったとおりに、自在じざいうごそれが――
 星神かやのひめの手により、自前じまえ金剛力こんごうりきを手にし――
 そのうえ虎型とらがたごう金剛力パワーアシストも――同時に使う・・・・・

「ぎゃぁぁぁぁっ、シガミーなにしてんのわよ!」
 ゴォォォォオッ――――!
 持ち上げた巨大な岩・・・・・・・・・が、おれたちを押しつぶそうと――
 うえから振ってくる・・・・・

「グギャギャギャッ!?」
 大口とかげどりあわてて、巨石きょせきかげから逃げていく!

「ウカカカカカカカッカッ♪――ニャァ♪」
 ふぉん♪
『シガミー>>こいつは、いくさ場で盾とか槍とか刀とか。ありとあらゆる物を叩き踏みつけ、持ち上げた技だぜ』
 ふぉん♪
『イオノ>>た、畳返しみたいわね! 死ぬ、死んじゃう!』

「(迅雷ジンライ、なんとかおしっ)」
「(それで、どうするのですかシガミー。このままでは巨大きょだいいわに、押しつぶされますが!?)」
 あわてるな。お前ら・・・念話・・止めてくれる・・・・・・のは、織り込み済みだぜ!
 おれは頭上ずじょういわを、もう一度いちどめつけてやった。

 ゴォォォォォォォォオォォォォォォッ――――――――!
 絵で板エディタを立ち上げ――
ぁぁぁぁっ!――ニャァ♪」
 ひっくり返した・・・・・・・いわはしを、ごごごぉんと押し込む。

「ぴゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあっ
「シガミー、イオノファラー、さようナら
 おれはいわが抜けて、空いた窪み・・・・・すわり込んだ!

 ドドドドドドドドドドドドドッドッズズズズズズゥゥゥンッ!!

 ぐらぐらぐらぐらぐらぐらぐらぐっらららららっ――――!?!?
 すげ地揺じゆれ!
 暗闇くらやみなかおもわず両手りょうてを付いて、耐えていると――チカチカチカッ、パァッ♪
 あたりがあかるくなった。

 其処ここは、二つ目・・・ほうの、シガミーていだ。
 女神像めがみぞうかたち石像せきぞうに、テーブルに椅子いす
 となり部屋へやには、寝床ねどこまである。
 そう、この部屋へや作り・・は、ガムランちょうの〝しんギルド屋舎おくしゃ〟の三階さんがいつくられた――
 おれのいえと、そっくり同じ・・・・・・だ。

   §

「生きてる、あたくしさまっ、生きてる!?
 歓喜かんきまいおどる、根菜さまいおのはら

「おう、もし厨房ちゅうぼうダンジョンのなかで、しばら生きてねぇと・・・・・・いけねぇ場合・・・・・・・に――どうするかってかんがえて、ずっと練ってたんだぜぇ」
 そうでもなきゃ咄嗟とっさに、コレ・・出来できねぇ。
「これハ、シガミーノイえ間取まドりとおナじデすね!?
 そうだ。

 絵で板エディタ用意よういして置いた、この間取まどりを――
 地面じめんしたつくり、かくれる。
 〝ただあなを掘っただけ〟――じゃねぇから、なんなら当分とうぶんかく住める・・・

「ふぅぅうぅ。つ、つかれたぜ!」
 おれは部屋へやの真んなかにあるテーブルに、突っ伏した。
 虎型とらがたは脱いで、かべに引っかけてある。
 まるでとらの、剥製はくせいだだ。

「いやぁ、いのちびろいしたわぁー
 テーブルに、ころがる根菜いおのはら
「どウにか、生キ延びマしたね
 おなじく、テーブルにころがるジンライ

まったくだぜ♪」
 耳栓越みみせんごしの画面モニタに、表示うつしだされる『とかげどりどもが――
 頭上てんじょうを、闊歩かっぽしている。

「さてデはこれから、どウしましょう
 どうするも、こうするもねぇぜ。
「おれぁ、しちかた使つかったばかりで――まだ無理むりが利かん」

 ふぉん♪
『シガミー>>と言う訳で、後のことは頼んだぞ』
 起きたら〝直ぐにやらねぇとならねぇ仕事しごと〟を、ちゃんとやるから――
 いまは寝かせてくれやぁ――ぐぅ。

   §

「イオノファラー、ゴ相談そうダんがありマ
 ごろりところがる、ぼう
「なんわの、迅雷ジンライくん
 ごろりところがる、御神体イオノファラー

 ふぉん♪
『>>〝七転抜刀根術七の型〟は、精根尽き果てるまで力を出し切る大技です。しかも、今さっきの〝岩盤返し〟に至っては、5,664KW/hもの仕事量をマークしました』
 ふわりと、起き上がるジンライ
 ふぉん♪
『イオノ>>坊主、ホント末恐ろしいけどさ。ソレが、どうかしたのん?』
 よっこらせと、起き上がる御神体イオノファラー

 がちん♪
 ぶつかり合うぼうと、御神体ごしんたい

「シガミーにモ、休日・・あタえテは
 つくえに突っ伏しよだれを垂らす少女しょうじょを、まるでいつくしむかのように――
 ぼうがヴォヴゥンと、うなりを上げた。
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