滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

655:厨房ダンジョン、迷宮の極み

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もどれないだとぉぅ!?」
 どーぃうことだぁぜ!?

封鎖空間ふうさくうかん金貨きんか使つかった魔法まほうだから、値段分ねだんぶん効果こうかが切れるのには時間じかんが掛かるんだよ……かかるのじゃて、ふぉっふぉっふぉお♪」
 木箱きばこ台車だいしゃに載せ、キュラキュララと押してくる村長そんちょう
「にゅぎゅりい?」
 はこばれてくるファロコが、あたりを警戒けいかいしている。

「それ、さっき聞いたわね
 そうだっけ?
 ふぉん♪
『>>一行表示ログを表示します/〝ジューク>ごめんよ。けど金貨一枚分時間が過ぎないと、封鎖空間をしまえないんだよね〟』

「うーぅむ? そいつぁ、どれくらいなんでぇい?」
 おれは腕時計うでどけいを見た。
 ええと、村長そんちょう金貨きんかを入れてから――半時いちじかんくらいか。

「いつもなら腕輪時間うでわじかん二目盛ふためもりくらいだけど、取っておきのレル金貨・・・・使つかったから、すこ時間じかんが掛かるとおもうよ……おもうのじゃよ。なあ、ばあさんや♪」
 村長そんちょううでに付けた輪っかを見ながら、悪逆ご令嬢ロットリンデこえを掛ける。

「だれが、おばあさんですの! けど、そうですわね。金貨きんかを入れてから二時間半にじかんはんくらいは、出られないのではなくて?」
 ツカツカツカッ、くるん、ツカツカツカッ――スッパァァァン!
 ちかくに立てかけてあった張り扇ハリセンをつかんで、村長そんちょうはたうごきに、まるでよどみがねぇ。

 二時間半にじかんはんってこたぁのこりわぁ、一時間半いちじかんはんくらいか。
 酒盛さかもりでもしてりゃ、直ぐの時間じかんだ。

 ヴォオォゥンッ♪
『ファロコ・ファローモ・ジオサイト/累計
 ■■■■■■■□□□77%』
 ファロコのあたまうえ数字すうじは、そこまで増えてねぇーな。

 さかな二匹にひき、載ったさら二枚にまい
 手つかずのまま木箱きばこふちに、乗せられていた。
 ほこりよけに、れいたこ焼きの船皿・・・・・・・おなかみをのせといたから――
 まだ、冷めてねぇよな。

「「ぐっきゅりゅりゅりゅりゅぅー♪」」
「ぐぅぎゅりゅるぎゅりゅ――ぅ?」
 ぐぅぎゅりゅるぎゅりゅ――ぅ♪
 ぐぅぎゅりゅるぎゅりゅ――ぅ
 目のまえ木箱きばこから、鳴きごえはらむし二人分ふたりぶん、聞こえてくる。

 そりゃぁ五百乃大角いおのはら迅雷ジンライを引っつかんでたら、めしは食えんわなぁ。
 村長ジュークも、ひっくりかえったりしてたから、食わせてやれなかったようだし。

 ふぉん♪
『シガミー>>大丈夫か迅雷?』
 ふぉん♪
『>>はい。御神体デバイス共々、全機能正常に作動中です』

「ごめんよ。うちの子が迷惑掛めいわくかけて」
 村長そんちょうしぶつらをした。

「いや、こっちも色々いろいろ手際てぎわわるくて、もうわけなかったぜ」
 ばりばりとうしあたまを掻くと――ヴヴヴウヴッ?
 はち威嚇音なきごえが聞こえた気がしたから、あたまから手をはなした。

 ふぉん♪
『イオノ2>>そうわね。下手したら、このケモっ子ちゃんが〝シガミーの心の中のミノ太郎〟からトッカータ大陸全土を守ったまであるわね♪』
 ふぉん♪
『シガミー>>なんだと? それをミノ太郎を画策した、お前さまが言うんじゃねえやい!』
 それと、おれぁ臆病風おくびょうかぜに吹かれちゃいねぇぞ!
 ただどうしても、あのくらがりのなかでミノ太郎たろうつのを――
 へし折り続けたとき・・・・・・・・・のことが、あたまからはなれねぇだけでよっ!

 ふぉん♪
『イオノ2>>それねー。シガミーの心持ち一つで、どうにかなるような簡単な話じゃないわよーん?』
 どーいう意味いみだぜ?

 ヴォヴォオヴォヴォヴォヴォゥゥゥウンッ――――♪
 神力しんりょくうなりを上げ、身一みひとつで空中ちゅうを駆ける根菜いおのはら
 ぼすんと木箱きばこに飛び込む、にせ御神体こんさい

「ぎぎゃぎゅろ――ろぎ!?」
 すでに手にしている〝ねがみめんど・美の女神いおのはら〟。
 その二つ目・・・を目の当たりにして、ジタバタするファロコを――
 村長そんちょうが「よいしょ」と、うしろろからかかえて、木箱きばこから持ち上げた。
 さらに、じったばたし出す――左右さゆうながささがちがつのを持つ、村長そんちょうむすめ

 そのすき五百乃大角いおのはらが、ぴょんと巨大卵イイスタァエッグに飛び乗った。

 ヴォオォゥンッ♪
 おれは頭上ずじょうともった、あかりを見上みあげる。
『シガミー・ガムラン/累計
 ■■■■■■■■□□84%』
 それは、ミノ太郎が出てくる・・・・・・・・・確率わりあいで――
 わくは、ほぼ埋まってた!

「ぅわっ、ちょうやべぇ! おれぁ、ミノ太郎たろうなんか欲しくねぇー!」
 おい、どーすんだぜ!?
 ふぉん♪
『シガミー>>五百乃大角っ、どーにかしろや!』
 こまったときには、神頼かみだのみにかぎる。
 たすけろやぁぁぁぁっ!

 ふぉん♪
『イオノ>>あれあれあれえー? そおんなこと言ってさあー? 良・い・の・か・な・あー?』
 また取っつかまったままの、御神体ごしんたい

 ふぉん♪
『メガミファラー>>神様に頼みごとをするつもりなら、何か足りないのではありませんか?』
 ふぉん♪
『マオウファラー>>グゥフェフェフェッ! ソレみたことか!』
 木箱きばこ両側りょうがわに立つ、五百乃大角いおのはら映像えいぞうたち。
 ふぉん♪
『イオノ2>>我々の前に皿はなく、我々の後におかわりを!』
 意味いみが、まるでわからんが――時間じかんがねぇ!

 ふぉん♪
『>>まず次に出す料理に使う、食材を決めては?』
 ふぉん♪
『シガミー>>よし、わかったわかった。おかわりを疎かにした、おれが悪かった! 作ってやるから、何が食いてぇんだぜ!?』

 ふぉん♪
『イオノ>>わかれば良いのです。でわ、あたくしさまは、揚げ物! 揚げ物食べたいっ! お寿司でも良いけど♪』
 よぅし。寿司すしと揚げものだな?

 つくってやるつくってやる。
 その代わり、このあたまの上のミノたろうを――「いますぐ、どーにかしてくれやぁ!」

   §

「あははははははっ、シガミー
 ただゆびを指して、わらうんじゃぁねぇやぃ!
 おまえさまが「かぶれ」と言ったんだろぉが!

「「シガミーちゃん、かわいい♪」」
「うん、似合にあってるよシガミー、ぶふふふっ♪」
「ばかやろぃ、奥方おくがたさまも鉄鍋なべ頭に装備しとる・・・・・・・だろぅがぁ!」
 あれ、居ねぇ?
 何処行どこいった、あの化けぎつねさまわぁ?

たシかニ鉄鍋てつなベ頭部とウぶ装備そウびシた場合ばアいにおイて、生体信号バイタルサイン一部いちブ微弱びじゃクにナりました」
 ふぉん♪
『>>位置情報並びに脳波状態を収得出来ないため、ルリーロの動体検知表示が使用出来なくなりました』

 おれは巨大な卵イイスタァエッグに手をのせて、頭上ずじょう見上みあげる。

 ヴォオォゥンッ♪
『シガミー・ガムラン/累計
 ■□□□□□□□□□10%』
 ミノ太郎が出てくる・・・・・・・・・確率わくが――ほぼ空になった・・・・・・・

「まさか鉄鍋一てつなべひとつで……ミノ太郎を防げる・・・・・・・・とはなぁ!」
 まさおどろきだぜ。釈迦如来しゃかにょらいでも気がつくまいて。

 すっぽ――こここぉん♪
 ものすご遅延おくれ、てちり。
 おれのあたまうえに降り立った、御神体ごしんたいさまが――

「シガミー? わかってるわよねぇん
 てちてちてちてちとあたまを、ねちねち踏みつけやがるぜ。
 わかってらぁ、揚げもの寿司すし催促さいそくだろぉ。
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