647 / 740
5:大森林観測村VSガムラン町
647:厨房ダンジョン、美の女神たち
しおりを挟む
「ばっきゃろぉぅぃ! 駄目だ駄目だぜ! おれぁ、絶対に戦わねぇからなぁ!?」
ヴッ――――くるくるっ、じゃっりぃぃぃぃぃぃぃぃぃん♪
錫杖を取り出し、木箱へ飛び込もうとしたが――
一足遅かった!
ヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッツ――――♪
『(Θ_Θ)』、『(Θ_Θ)』、『(Θ_Θ)』
くるくるくるるると、空中を漂う浮かぶ球。
ヴュッパパパァァッ――――♪
球を覆い隠すように、人のサイズの五百乃大角の姿が現れた。
「さぁ、本気で行くわぁよぉぅ♪」
やや腹の出た女神の姿は透けていて、後ろの木箱が見えている。
五百乃大角の生身の姿、それはあどけなさが残るものの――
中々に整っていた。
美の女神であると言えば――「そうなんですね、わかりました」
と返事をしてしまう程度には、美しいと言える。
それは二人の令嬢たちと比べても、決して引けを取らない程なのだが――
「ウケッケケケエッケエッケウケケケケケケケェーッ♪」
それも中身が、伴っていればこその話だ。
怪しく発光する、妖怪・美の女神。
ヴォォゥ、ヴォォゥ、ヴォォォォゥ。
呼吸をするように、怪光が脈打ち――
ヴォヴォ、パァァァァアァッ――――♪
まるで本当に、そこに居るかのように――
色を濃くしていく。
「「「ウケッケケケエッケエッケウケケケケケケケェーッ♪」」」
空飛ぶ球たちは、ほぼ五百乃大角の生身の姿と化した。
「何て神々しい」「あら、居らしたのねイオノファラーさま」
「ぉぅぃいぇぇ!?」「ぅぃやあぁぁあぁぁぁぁああっ!?」
「あ、イオノファラーさまだ♪」「今日は三匹も、ご降臨なされて……きれい♪」
美の女神の本当の姿(神々の世界での実存は又別にあるのだが、そこまでは変わらん)を目の当たりにした人々の反応は、実にまちまちだった。
「やい、美の女神|(笑)さまめ! おれぁ金輪際、ミノ太郎とやり合うのだけは――御免蒙るぜ!」
錫杖を構え、息を吸う。
「三の構――」
おれが錫杖を構えた途端――ヴォヴォヴォヴォゥゥゥン♪
ゴッツゴツゴツゴツツン――――!
美の女神三人が、足で木箱を蹴り始めた。
「ぎぎぎぎゅにるるっ!?」
卵を抱え、恐れ戦くファロコ。
「ちっ、この惡神さまめっ!」
木箱と映像が、ゴツゴツゴツゴツと――
奥にある倉庫へ、逃げていく。
ふぉん♪
『シガミー>>あれ、どーやってんだぜ?』
ふぉん♪
『>>映像に合わせて機械腕を伸ばし、木箱を押していると思われます』
悪知恵ばかり、良く回るぜ!
「「ミノタロー?」」
子供らに、聞かれちまった。
何がどう卵の中身に影響するかわからんから、聞かせたくなかったんだがぁ――!
「シガミーちゃんが倒したっていう、〝つののはえたまもの〟ことかな?」
大人しい子供も歌だか絵本だかで、ミノ太郎のことは知っているらしい。
「えっ、ミノタウロース!? まさかっ、あの一口食しただけで、一生自慢出来るっていう!?」
大食らいの子供も食い道楽連中の噂話ででも、耳にしたことがあるようだぜ。
ふぉん♪
『シガミー>>やい五百乃大角、マジで勘弁しやがれやぁ! ミノ太郎とだけは、二度と戦わんぞ!』
虎型も轟雷もなしの、生身だったとは言え――おれぁ、脇腹を貫かれて死んだからなっ!?
ふぉん♪
『イオノ>>構いませんよ。料理番であるシガミーに戦って頂かなくても、いまこの場には、ガムラン最凶母娘に人類最強母娘でしょ、それと勇者のなり損ないに悪逆令嬢と、LVカンストのシガミーに土を付けた獣娘ちゃんまでいるんだもの♪』
くるくるくるり、ヴォヴォヴォゥゥン♪
振り返る、美の女神たち。
ふぉん♪
『>>シガミー。イオノファラーが暴徒鎮圧用のゴムスタン弾を装填しました』
仁王立ちの、美の女神三人衆。
その顔の辺りが、ヴュザりと揺らぎ――
『(ΘoΘ)』『(ΘoΘ)』『(ΘoΘ)』
蛸みてぇな銃口が、透けて見えた。
ふぉん♪
『>>シガミー、気をつけて下さい』
はぁ、あんな遅い丸に当たるもんかぃ。
ネネルド村では返り討ちに、してやっただろうが。
ふぉん♪
『>>いいえ。ブロジェクションBOTではなく、本体の方に注意して下さい』
はぁ? 本体だぁとぉー?
卵に張り付いてる方の、美の女神|(根菜)を見たら――ヴォオォゥンッ♪
『イオノファラー/累計
■■□□□□□□□□21%』
その頭上の枠が、ぐぐーんと増えてやがった!
まさかあれ、三人分足されてねぇだろうなぁ!
ヴッ――――くるくるっ、じゃっりぃぃぃぃぃぃぃぃぃん♪
錫杖を取り出し、木箱へ飛び込もうとしたが――
一足遅かった!
ヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッツ――――♪
『(Θ_Θ)』、『(Θ_Θ)』、『(Θ_Θ)』
くるくるくるるると、空中を漂う浮かぶ球。
ヴュッパパパァァッ――――♪
球を覆い隠すように、人のサイズの五百乃大角の姿が現れた。
「さぁ、本気で行くわぁよぉぅ♪」
やや腹の出た女神の姿は透けていて、後ろの木箱が見えている。
五百乃大角の生身の姿、それはあどけなさが残るものの――
中々に整っていた。
美の女神であると言えば――「そうなんですね、わかりました」
と返事をしてしまう程度には、美しいと言える。
それは二人の令嬢たちと比べても、決して引けを取らない程なのだが――
「ウケッケケケエッケエッケウケケケケケケケェーッ♪」
それも中身が、伴っていればこその話だ。
怪しく発光する、妖怪・美の女神。
ヴォォゥ、ヴォォゥ、ヴォォォォゥ。
呼吸をするように、怪光が脈打ち――
ヴォヴォ、パァァァァアァッ――――♪
まるで本当に、そこに居るかのように――
色を濃くしていく。
「「「ウケッケケケエッケエッケウケケケケケケケェーッ♪」」」
空飛ぶ球たちは、ほぼ五百乃大角の生身の姿と化した。
「何て神々しい」「あら、居らしたのねイオノファラーさま」
「ぉぅぃいぇぇ!?」「ぅぃやあぁぁあぁぁぁぁああっ!?」
「あ、イオノファラーさまだ♪」「今日は三匹も、ご降臨なされて……きれい♪」
美の女神の本当の姿(神々の世界での実存は又別にあるのだが、そこまでは変わらん)を目の当たりにした人々の反応は、実にまちまちだった。
「やい、美の女神|(笑)さまめ! おれぁ金輪際、ミノ太郎とやり合うのだけは――御免蒙るぜ!」
錫杖を構え、息を吸う。
「三の構――」
おれが錫杖を構えた途端――ヴォヴォヴォヴォゥゥゥン♪
ゴッツゴツゴツゴツツン――――!
美の女神三人が、足で木箱を蹴り始めた。
「ぎぎぎぎゅにるるっ!?」
卵を抱え、恐れ戦くファロコ。
「ちっ、この惡神さまめっ!」
木箱と映像が、ゴツゴツゴツゴツと――
奥にある倉庫へ、逃げていく。
ふぉん♪
『シガミー>>あれ、どーやってんだぜ?』
ふぉん♪
『>>映像に合わせて機械腕を伸ばし、木箱を押していると思われます』
悪知恵ばかり、良く回るぜ!
「「ミノタロー?」」
子供らに、聞かれちまった。
何がどう卵の中身に影響するかわからんから、聞かせたくなかったんだがぁ――!
「シガミーちゃんが倒したっていう、〝つののはえたまもの〟ことかな?」
大人しい子供も歌だか絵本だかで、ミノ太郎のことは知っているらしい。
「えっ、ミノタウロース!? まさかっ、あの一口食しただけで、一生自慢出来るっていう!?」
大食らいの子供も食い道楽連中の噂話ででも、耳にしたことがあるようだぜ。
ふぉん♪
『シガミー>>やい五百乃大角、マジで勘弁しやがれやぁ! ミノ太郎とだけは、二度と戦わんぞ!』
虎型も轟雷もなしの、生身だったとは言え――おれぁ、脇腹を貫かれて死んだからなっ!?
ふぉん♪
『イオノ>>構いませんよ。料理番であるシガミーに戦って頂かなくても、いまこの場には、ガムラン最凶母娘に人類最強母娘でしょ、それと勇者のなり損ないに悪逆令嬢と、LVカンストのシガミーに土を付けた獣娘ちゃんまでいるんだもの♪』
くるくるくるり、ヴォヴォヴォゥゥン♪
振り返る、美の女神たち。
ふぉん♪
『>>シガミー。イオノファラーが暴徒鎮圧用のゴムスタン弾を装填しました』
仁王立ちの、美の女神三人衆。
その顔の辺りが、ヴュザりと揺らぎ――
『(ΘoΘ)』『(ΘoΘ)』『(ΘoΘ)』
蛸みてぇな銃口が、透けて見えた。
ふぉん♪
『>>シガミー、気をつけて下さい』
はぁ、あんな遅い丸に当たるもんかぃ。
ネネルド村では返り討ちに、してやっただろうが。
ふぉん♪
『>>いいえ。ブロジェクションBOTではなく、本体の方に注意して下さい』
はぁ? 本体だぁとぉー?
卵に張り付いてる方の、美の女神|(根菜)を見たら――ヴォオォゥンッ♪
『イオノファラー/累計
■■□□□□□□□□21%』
その頭上の枠が、ぐぐーんと増えてやがった!
まさかあれ、三人分足されてねぇだろうなぁ!
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)


Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※


駄々甘ママは、魔マ王さま。
清水裕
ファンタジー
ある日、人里離れた森の奥で義理の母親と共に暮らす少年ヨシュアは夢の中で神さまの声を聞いた。
その内容とは、勇者として目覚めて魔王を退治しに行って欲しいと言うものであった。
……が、魔王も勇者も御伽噺の存在となっている世界。更には森の中と言う限られた環境で育っていたヨシュアにはまったくそのことは理解出来なかった。
けれど勇者として目覚めたヨシュアをモンスターは……いや、魔王軍は放っておくわけが無く、彼の家へと魔王軍の幹部が送られた。
その結果、彼は最愛の母親を目の前で失った。
そしてヨシュアは、魔王軍と戦う決意をして生まれ育った森を出ていった。
……これは勇者であるヨシュアが魔王を倒す物語である。
…………わけは無く、母親が実は魔王様で更には息子であるヨシュアに駄々甘のために、彼の活躍を監視し続ける物語である。
※基本的に2000文字前後の短い物語を数話ほど予定しております。
※視点もちょくちょく変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる