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5:大森林観測村VSガムラン町

640:女神像建立計画、どんな女神像が良いの?

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「ウケケッケケケケケッケェェッ――――今度こんどこそぉ、完全超絶かんぜんちょうぜつ大々々復活だいだいだいふっかつぅ……しぃたぁけぇどぉー
 背中せなかに〝菱形・・〟と〝ロットリンデさま〟を貼り付けてるがなぁ。

 菱形ひしがたつまり、おにぎり二個分にこぶんSDKすだぁこは――
 シシガニャンの毛皮けがわおなふくろで、しっかりとつつんである。

 ここは間借まがりりしてる集会所しゅうかいじょ
 ヴッ――がたん。
 まるくてあしみじかい、食台つくえを取り出し――とんと乗る美の女神めがみ

「こらっ、お待ちなさいなっ♪」
 そして、うでから逃げ出した〝ねがみめんど・美の女神めがみ〟をつかまえんとする――

「ロットリンデちゃん! あなたには、このぉあたくしさま直々じきじきにぃー大切たいせつなっ、おはなしがありまーすぅ!」
 くるりと振りかえり、突きつけられたちいさな手。
 それをいつくしむように、「つ・か・ま・え・たぁー♪」と。
 根菜こんさいまるごと、やんわりと捕獲ほかくする――悪逆令嬢あくぎゃくれいじょうにして吸血鬼きゅうけつきと呼ばれるおんな
 そうわるやつにはおもえんが、あの腕力わんりょくには気をつけないと。

 ふぉん♪
『ヒント>ちゃぶ台/足が短い食卓。座布団を使う和室に最適。収納時に足を折りたためる物もある』
 案内ヒントも、ちゃんと出るな。ふむ、ちゃぶだいてのわぁ、みょうにしっくりとくる名だぜ。

 ふぉん♪
『>>この際、ここで話を済ませておきましょう。リオレイニアと子供たちと、ミギアーフ氏が接近中です』
 迅雷ジンライ機械腕ほそうでを伸ばし、そのさきに〝長い箱・・・〟をぶら下げている。

 おれやみんなが着る、猪蟹屋制服ししがにやせいふくのメイドふく
 その裏地うらじに敷き詰められてる、作り置きの・・・・・機械腕プロダクトアーム
 堅牢けんろう防御力DEFもととなるソレを、補充ほじゅうするための――
 〝機械腕弾倉プロダクトアームマガジン〟と、形状かたちおなじ。

 ただ迅雷ジンライが、ぶら下げたほうは――
 メイドふくのとくらべて、とてもおおきかった。

 そして五百乃大角いおのはら背負せおった菱形ひしがたくらべても、三倍さんばいおおきさがあった。
 なかに組み立て済みのSDKすだぁこを、三個さんこも詰め込んでいるからだ。

大申おおざるじゃねぇや……ロットリンデさまよ。おれたちはおそらく、同郷どうきょうの生まれだ。くわしいこたぁ、その〝ねがみめんど〟に聞いてくれや!」
 おれは『◄◄◄ピピピッ♪』と、急接近きゅうせっきんするやつらをむかえ撃つため、そとへ飛び出す。

 ふぉん♪
『シガミー>>迅雷は、そっちに付いててやってくれ。根菜だけだと、また持って行かれちまいかねん』

 ヴォヴォヴォォゥォォン♪
『>>了解しました。我々の目的が〝世界の存続〟であることを、重点的に説明します』
 カチャカチャカチャチャチャッ――ふぉん♪
 浮かぶぼうから機械きかいうでが、生え伸びるおとが聞こえた。

「ミス・ロットリンデ。わたしはインテリジェン――――」
 まかせたぞー。

  §

 おれは集会所しゅうかいじょに向かってきた連中れんちゅうを、女神像設置めがみぞうせっち下見したみしょうして連れ出した。
 ロコロむらほぼ中央ちゅうおうの、騎士像きしぞう目指めざしてあるくと――
 ほどなくれいの、切りかぶ大舞台だいぶたいに着いた。
 此処ここなら切りかぶ土台どだいを、そのまま利用出来りようできる。

「となると、まずは此奴こいつだが――おい、そろそろ降りてくれんか?」
「やだよ」
 おれのかたうえ正座せいざするようにすわり込んだ、ファロコが「やだよ」と言った。

「シガミーばっかりずるい! わたしもファロコちゃんをかつぎたい!」
 ファロコはリオレイニアと、そう変わらない立端たっぱが有る。
「ばかやろう。レイダじゃおもさで、つぶれちまわぁ――どっせぇぇいっ!」
 うでを引き相手あいてを投げる組討くみうちわざを、一発いっぱつ見舞みまいしてやった!
 途中とちゅうでひらりとかわすだろうとおもってたら――ッゴィィィィィィンッ!

「ぎぎゃー!」
 脳天のうてんからくだん大舞台だいぶたいに、たたき付けちまった!

「「ぎゃっ、大丈夫!? シガミー、ひどい!」」
「「「「「そうだね、ひどいね」」」」」
 切りかぶゆかつのを突き刺し、藻掻もがくファロコ。

「なんだとっ! いやまぁ、たしかにひどかったな――ほら、此奴こいつをくれてやる。飲ませてやってくれ」
 ヴッ――ちゃぽん♪
 取り出したのは、緑色みどりいろ小瓶こびん
 それをレイダに持たせ、「よい――しょっ!」
 あしを持ちスポンと引っこ抜き、めくれたすそを直して――ヴッ♪
 人数分にんずうぶん座布団ざぶとんを、敷き詰め――
 レイダのそばに、すわらせてやった。

「ぅににる~?」
 本当ほんとうに目を、まわしてやがるぞ。
わるい、ゆるせ、やり過ぎたぜ」
 もりなかで会ったときの、すさまじいうごきは――見るかげも無ぇ。
 女将おかみさんが言ってた〝野生化ヤセイカ〟。
 あのときは本気ほんきで、自然に返っていた・・・・・・・・のだろうなぁ。

 ヴッ――ごとん、ガタタン♪
 いつもの平机テーブル、そしてギルド支部出張所しぶしゅっちょうじょようの、女神像台座めがみぞうだいざを取り出した。

「いや、どうせなら、ちゃんとした女神像めがみぞうを建てたほうが良いかぁ?」
 折角せっかく女神像めがみぞうもとになるSDKすだぁこが、やまのように有るんだからよ。

 ふぉん♪
『シガミー>なんなら、大森林開拓村の全部に女神像を建てても良いくらいだぜ』
 なんせ大森林だいしんりん開拓村かいたくむらは、①から③まで有るらしい。
 ①がファンキー・フカフむら。②がグランジ・ロコロむら……だったか?
 ③は知らん。
 けわしいもりなかを、そこそこあるかないと行き来出来きできないなら――
 転移陣てんいじんであるとびら出番でばんは、いくらでも有る。

「うぅうむ」
 ここへは僧草そっそうっていう茶葉ちゃばを、買い付けに来たはずなんだが――
 なんだか相当そうとう、ややこしいことになってきたぜ。

   §

「にゃんやにゃー、にゃにゃにゃぁやーん。みゃぎゃぎゃやにゃみゃんやー、みゃぎゃぎゃぎゃやー♪」
 ふぉん♪
『ロォグ>ホシガミーさまに、イオノファラーさま。女神像の大きさは大きければ大きい程、沢山の扉を取り付けられるから、大きい方が良いニャァ♪』
 リオレイニアに抱きかかえられた、ねこ精霊せいれい魔物まもの魔導技師まどうぎしさまが、そうのたまう。

「この切り株ぶたいに乗せられるなら、どんなおおきさでもかまわないよ……かまわぬのじゃ、ふぉっふぉっふぉっ♪」
 フカフ村村長むらそんちょうさまも、そうのたまっている。

「わがコッヘル商会しょうかいとしてわぁ、おおきいのとちいさいののふたつのとびらが、ほしいですねぇ♪」
 ほほに手を当て、もう片方かたほうの手にゆび二本立にほんたてる、おっとりとした見た目とは裏腹うらはらに――
 魔導阿痛まどうあつうという組討くみうちわざを持つ、コッヘル商会しょうかい商会長しょうかいちょう

「じゃぁ、みながそう言うなら――飛び切りでかいのを、建てるとしようか♪」
 ちらりと、リオレイニアを見た。
 彼女リオにはおれが、烏天狗からすてんぐと知られちまったことだし――
 すこしくらい全力で物を作っても・・・・・・・・・なんとかなるだろゥカカカカッ♪

 上品じょうひん眼鏡めがね色形いろかたちが、一瞬いっしゅんだけ揺らいで――
 まるでルガばちを、彷彿ほうふつとさせるような――
 おそろしい姿すがたに見えた……気がする。

 程々ほどほどにしとかねぇと、あとで折檻せっかんされそうだぜ。
 じゃぁ、どうする?
 おれはぐるりと、周囲しゅうい見渡みわたした。

「シガミー! 切りかぶ直径ちょっけいなぁんだけどさぁーあー、やく20バーテルだよーん♪
 大陸標準たいりくひょうじゅん基準値きじゅんちで言うならぁー、なななぁんとぉ、20・45メートルも有るぞぉぉおぉっぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉっぅぉぇぇっ、げっへごっはっ!」
 やかましい!

 張り扇ハリセンを取り出して、おもいっきり引っぱたいてやりたくなったが、ぐっとこらえた。
 ここは我慢がまんしておく。おっさんは、ああ見えても、そこそこ有名ゆうめい冒険者ぼうけんしゃらしいからな。
 子供がきなりをしたおれに、ぽんぽんあたまたたかれちゃ――
 立つ瀬も無いだろうしよ。

 切り株ぶたいおおきさは、おれで言ったら――15シガミーくらいか。
 うぅーむ、切りかぶからはみ出すと、みちふさいじまうから――
 はばはソレが限度げんど
 女神像めがみぞうは、決まったかたちをしてるから――結構けっこうたかさになる。

女神像めがみぞう使つかひとのことをかんがえると、あまざらしってわけにもいかんだろうし――かといってぞうを入れる建物ってものおおきさをかんがえると、そこまでおおきな女神像めがみぞうは建てられんし」
 魔導騎士団まどうきしだん訓練場くんれんじょうに有った女神像めがみぞうも、東屋あずまやなか設置せっちされてた。

 絵で板エディタを立ち上げる――ヴュワワワワッ♪
 そういやものおおきさを五百乃大角いおのはらは、すみに有る目盛り・・・に書き込んでいたな。
 さっきおっさんが言ってたのは、えっと?
 20・45メートルだったな――カチカチカチッ♪

 絵で板エディタの向こうに見える、切り株ぶたいおおきさに――ヴユユユーゥ♪
 から格子こうしおおきさが、勝手かってそろった。

「「「「「「「「「「「なにそれっ、超面白ちょうおもしろそうっ♪」」」」」」」」」」」
「ぎぎるにー♪」
 おれが作業さぎょうはじめると、子供らがきどもが寄ってきた。
 わいわいわいわい、がやがやがやがや♪
 ここに居ねぇのは大食らいビステッカに、メイド少女タターに、星神さまカヤノヒメくらいか。
 生徒たちがきどもは、ほぼ全員集ぜんいんあつまってるなー。

 そしてリオレイニアも、寄ってきた。
 やり過ぎるなと、くぎを刺しに来たのかとおもったが、ちがった。
 やおらかかえていたねこを、ほうり投げた!
 黒板くろいたをつかんだ、お猫さまロォグが――くるくる、すたん♪
 おれの目のまえに、華麗かれいに降り立ち――

「にゃぎゃにゃにゃにゃぁぁぁん、みゃんにゃんにゃぎゃん♪」
 ふぉん♪
『ロォグ>じゃぁ、大きな女神像を建てて、その中を建物のように使ったらどうかニャァ?」
 そりゃぁ――良さそうだな。
 流石さすがは、おねこさまだぜ!
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