滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

630:グランジ・ロコロ村、名産は石ころ?

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「ぃやっかましぃやぁぁぁぁぁっいっ!」
 おれはかみを折ってつくった、〝張り扇ハリセン〟を取り出し――
 スッパァンスッパァン、スパパァーン♪
 力一杯ちからいっぱい脳天のうてんたたいてやった!

「おぅふ!」「おぅふ!」「おぅふ!」「おぅふ!」
 大木たいぼくの切りかぶ、その壇上だんじょうくずれ落ちる、祭り囃子隊の連中そんちょうども
 切りかぶ一部いちぶかべのようにのこしてあって、おとが良くひびくようになってる。

 たたいたおとが――――ォォォォオォォォォゥゥッ♪
 火縄ひなわ残響おとみたいで――「こいつぁ、心地良ここちいやなっ♪」

「ひょろげはっはははははははぅああ――――♪」
 うるせぇ村人むらびとも、振りかえりざまに――――スパッシィィン!
 引っぱたいてやった――「ぬぉひょろはー!?」
 そしたらそれは、ミギアーフ氏おっさんだった。

「おぅぅふっ、ひょろ――――ぉっ!?」
 くずれ落ちる、地図作ちずづくりの天才てんさい
 まぁ、良いぜ――ゥカカカッ♪

「うるせぇやつぁ――――全員ぜんいん、引っぱたくからなぁっ!?」
 最後さいご一閃すぱん――――「ににるぎーっ!?」
 かおのあたりを張り扇ハリセンで、たたいてやったら――
 やっと迷子娘ファロコが、はなれてくれたぜ!

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「あはははははっはははははあはははははっははあははっははっ♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 くそう、フカフむらから付いて来た、モサモサあたまやつらも混ざって――――わらってやがるぜ。
 そういうつもりじゃ無かったんだが――げいが受けるのわぁ、とても良いやな。
 憂さ晴らし・・・・・にでもなったのか――ささくれ立った気持きもちが、落ち着いた。

「「よいしょっと!」」
 女将おかみさんがたおれたウチの、男女二人だんじょふたりかつぎ上げた。
 年齢としてとしのころ女将おかみさんよか、二回ふたまわりくらいしたか。
 その二人ふたりかお瓜二うりふたつで、双子ふたごってやつらしい。
 跡目争あとめあらそいとかに巻き込まれずに、よくまぁ元気げんきそだったもんだぜ。
 それは良いことだがぁ――

 このつらぁ……どっかで見たぞ?
 ちょっと強面こわもてに見えて、なかなかの器量好きりょうよし。

 何処どこで見たかな?
 相当そうとうむかし……っていっても、この来世らいせに生まれ落ちてから――
 まだ一年いちねんも、過ぎてねぇからなぁ。
 それこそはじめて、この地に落とされたころ――――!

「あっ、門番もんばんのおっちゃんに似てる!」
 ちょう、似てらぁ!

「そらそうさね。この二人ふたりは、うちの子だからね」
 驚愕きょうがく衝撃しょうげきの、このはなし
 女将おかみさんや門番もんばんのおっちゃんとは、古馴染ふるなじみらしい――
 工房長ノヴァドギルド長レムゾーや、それこそ辺境伯名代ルリーロさまは、知ってるんだろうか?

   §

「しかし都会育とかいそだちの、あんたたちが大森林やまおくむらで――ちゃんと村長そんちょうを、やれてるのかい?」
 舞台袖ぶたいそで正座せいざをさせられる、ややいかつくも器量好きりょうよしな村長半分ふたり
 かみながささがこしくらいまであって、どっちもおんなに見える。

「まかしてくれよ、かあさん。ふふん♪」
 ――――ギャッギャッギャァーン♪
「おまかせください、おかあさま。うふん♪」
 ――――ヴォンヴォヴォ、ヴォンヴォヴォッ♪
 それぞれうるさくてひらたい、琵琶びわかなでる。

なにをふんぞりかえって、いるんだい?」
 がみがみがみがみっ!
 はじまった、女将おかみさんの説教せっきょうを聞いていても、仕方しかたが無い。

 おれは目のまえに、積み上げられていく・・・・・・・・・――
 やまに目を向けた。

 グランジ・ロコロむら総出そうでで、かきあつめてくれたのは――

「こんなものが欲しいなんてガムランちょうひとたちは、変わってるなぁ……変わっとるのじゃぁ、ふぉっふぉっふぉっ♪」
 いや、変わってる具合ぐあいじゃけっして、引けを取っちゃいねぇーが――
 いまは言うまい。

「これマジ・・で、もらっちまっても良いのかぁ?」
 山積やまづみみにされたのは、石ころ・・・だったが――
 ただの石ころ・・・・・・……なんかではなかった。
 それは、見覚みおぼえのある三角形さんかくけい

 そう、それはなんと、おにぎりのもとになった〝酢蛸SDK〟だった。
 (おにぎり形状けいじょうの、〝演算単位えんざんたんい〟の発生装置はっせいそうちです)
 うん、凄ぇ頓知・・・・な。
 つまりそれは、猪蟹屋おれたちさがしていた垂涎すいぜんの――
 発掘魔法具アーティファクト一種いっしゅだった。

「ふぅ、うちの子がもりからひろって来ますのよ。捨てても捨てても――ギロリッ!」
「ふぉっふぉ♪ 正直しょうじきなところ邪魔じゃまで、持てあましていたのじゃよ――チラリ」
 二人ふたりの目が、三角山おにぎりやまを抱きかかえ、うなりごえを上げる――森の主の娘ファロコに向けられた。

「みなさまー、ちょぉっとお待ちを? うふふー♪」
 おそらくこの村最強むらさいきょうらしい、商会長しょうかいちょうさまの――お出ましだ。

 女将おかみさんのおやってこたぁ、そこそこのとしだろうに――
 女将さんむすめほとんど変わらん、見た目。
 ぼばぼーんとしたからだつき。

 そして悪逆令嬢あくぎゃくれいじょうゲスロットリンデを、血祭り・・・にしたあの体術たいじゅつ
 とても聞きおよんだ宮廷魔術師きゅうていまじゅつしとは、似ても似つかないべつわざ使つかう――
 おおよそ、いくさ場じゃぁ、会いたくねぇ手合てあい

 なにより、『┐(͠≖ ͜ʖ͠≖あのかお)┌』はやべぇ。
 まるでわらってねぇーぞ。

 ふぉん♪
『シガミー>星神さま、出番だぜ! 五百乃大角も迅雷も居ない今、太刀打ち出来るのは、お前さまを置いて他には居るまい』

 ふぉん♪
『ホシガミー>あらあら、クスクス? 我々にはリオレイニアさんも、いらっしゃるじゃありませんか』
 ふぉん♪
『リオレイニア>辞退させて頂きます。私もまだ命が惜しいので』
 サッと目を逸らす、給仕術免許皆伝メイドのなかのメイド

「じゃぁ、商売しょうばいはなしべつにして――この捜索そうさくクエストの報酬ほうしゅうとして、このやまから――二つ・・、分けてくれんか?」
 酢蛸こいつがありゃぁ、女神像めがみぞうつくって設置出来せっちできる。
「それはかまわないけど……かまわぬぅのじゃが」
 よぉーし、おゆるしが出た。

 やまに手を延ばすと――――がぶり!
「痛ってぇ――――!?」
 またかじられた。

「ニャギャにゃぁ!」
 二足歩行うしろあしで――すたたたたっ♪
 猫の魔物おねこさまにして、魔法具の精霊ケットーシィ
 そのちいさなからだが伸びて、おにぎり山・・・・・に手を掛けた。

あぶねぇ、止めとけ! いま手を出すと、かじられるぞ!?」
 ちいさなねこからだだ。下手へたしたら、いのちあぶねぇ。
 蘇生薬エリクサーを――ヴッ♪

「みゃにゃん?」
「ぎぎるにぃ?」
 なんて言ったのかはわからんが、一瞬いっしゅん会話かいわ

 お猫さまロォグかじられも引っ掻かれもせず、りょう猫手ねこて一個いっこずつ――
 おにぎりSDKを持ってもどってきた。

「――これは神話しんわ時代じだいからある、廃棄はいきされた――カステラ――充電じゅうでんソケット――文庫本ぶんこぼん――にゃぉーん♪――」
 わからんが、おねこさまにとっても、転送魔法具てんそうまほうぐつくるのに――
 女神像めがみぞう必要ひつようになる――すぽん♪
 必要いらなかった蘇生薬エリクサーを、仕舞しまう。

「わからん――が、でかした!」
 おれはお猫さまロォグかかえた酢蛸一式おにぎりを、受け取るべく手を延ばす。
 すかっ――――ありゃ?
 ひらりと、かわされたぞ?

 ぽっきゅぽっきゅぽきゅむ――おにぎりが寄って来た。
「みゃにゃやぁーぎゃやーにゃんやー、みゃぎゃぁーにゃんやぁーむぉゃんゃぁ、みにゃやぁーん。みゃにゃぎゃがぎゃやーにゃー
 うるせぇ。
 黄緑色おにぎりは、木のいたを取り出し――ぱたん♪

『「これは神話しんわ時代じだいからある、廃棄はいきされた女神像めがみぞう心臓部しんぞうぶにゃ。これの起動きどう成功せいこうしてこそ、しん魔導工学技士まどうこうがくぎしにゃんだもの♪」って言ってるんだもの♪』
 木板いたには、そんな言葉ことばが浮かんだ。

 なんだとう?
 おれはもう一度いちどお猫さまロォグに手を伸ば――がぶり♪
いてぇ」
 くそう、おれの手に大小だいしょうふたつの歯形はがたが付いた。
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