滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

628:大森林探索行、シガミーの生態

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「むにゃぁ!? いてぇな!」
 何処どこだぜ、ここわよぉ?
 くびを持ち上げ、あたりを見渡みわたす。
 林立りんりつする木。まだもりなかだぜ。

 でもみょうそらちけぇ――
 ここわぁ……木のうえか?
 手にさわゆか感触かんしょくは、草履ぞうりのようで――

 ここは、さっきのもりなかじゃねぇ……フカフむらか?
 いや、あのむらには、こんなつるで編んだ足場あしばなんて無かったぞ。

 小突こづかれたあたまを、さわりながら――からだを起こす。
 こぶが出来できていやがるぜ――大申女ゲスロットの姿はねぇ、逃げたか!?
 ったく、回復薬かいふくやくは……えーっと?
 黄緑色きみどりいろ彼奴あいつさがすが、肝心かんじんなときには本当ほんとうに居やがらねぇ。

「ププププクスクスクススゥー♪ では、いきますわよぉー
 茅野姫ほしがみわらって、ちかづいてくる。
 まるでむしたたくように、平手ひらてを持ち上げて――

「ばかやろう、おれぁむしじゃねぇー――んぁ!?」
 身動みうごきが取れん。
なんだぜ――!?」
 見れば両脇りょうわきに、生意気なまいきなのと、どうじないやつが――
 おれのあたまを、しっかりとつかんでやがる。

「えぇーぃ
 ぐっ!? 避けると、怪我けがをさせかねねぇ――へちり♪
 ひたいに、いきおいいがまるで無ぇ――平手打ひらてうちを食らった!
 星神ほしがみ茅野姫カヤノヒメの目がチカチカと、ひかりを帯びていやがる。

 ふぉん♪
『シガミー>何をしやがった!?』
 ぶちぶちり――んぅ?
 なんあたまから、抜けたぞ?
 ごろごろろろっ、落ちたなにかが、あたりをころがる気配けはい
 おれが立ち上がると子供ら三人がきどもが、仲良なかよ尻餅しりもちをついた。

「いやぁー随分ずいぶん立派りっぱな、果物くだものが取れたねぇ♪」
 女将おかみさんのこえ
 見ればおおきな果物くだものを、かかえていやがる。

「そのでかいもも、どうしたぁ……おれにもくれ!」
 五百乃大角いおのはらがまえに、ご神木しんぼくから、もぎ取って食ってたやつくらいのおおきさがある。
 こんなわけわからん状況じょうきょうでも――有用なつかえる食材しょくざい確保かくほしときてぇ。

 (そうですね。あとで知られたら、イオノファラーの機嫌きげんいちじるしくそこねます)
 わかってらぁ。にせ迅雷ジンライ復活ふっかつしたな。
 ぎゃくに、さっきまで居た森の主母娘ファーローモたちが、あたまなかから消えちまった。

「どうしたもこうしたも、ないさね! あははははっ♪」
 女将おかみさんにあたまを、ぐりぐりと撫でられた。
 よせやぃ、おれぁガキじゃねぇんだぜ。

「シガミーのあたまから、生えてきたんだよ♪」
 なんだと、レイダめ!
 生意気なまいきつらで、わからんことを言うな!

「あははははっ、ものすごくおいしそうだけど――ちょっと気持きもわるい?」
 やい、ビビビーめ!
 歯にころもを、着せやがれやぁ!

 にがかおのビビビー……えっと、リオレイニアの縁者えんじゃである子供こども――
 〝ヴィヴィエラ……アール・サキラテ〟だっけか?
 その手にかかえたおおきなもも
 しかし、ゴロゴロりやがったな?

「「「まてまてっ♪」」」
 子供こども総出そうでで、ころがるももを追いかけている。
 おおきなかごに、山盛やまもりあるぜ?

 ふぉん♪
『シガミー>どういうことだぜ、星神さまよ?』
 おれも手近てぢかなのをひとつ、ひろい上げる。

 ふぉん♪
『ホシガミー>私が星の力で強化した、そのシガミーさんのお体には、簡易的ながら【龍脈言語/DCコンバーター】が搭載されています』
 ふーん、わからん。

 死んだおれを黄泉路さんずのかわからすくい上げるときも、はなとか仙果ももが生ったと聞いたがぁ。
 いまおれぁ、死んどらんだろうがぁ?
 それにからだがいくら星神造ほしがみづくりでも、いまの中身なかみはわぁ、ただの坊主おれだろうがよ。

 ふぉん♪
『リオレイニア>それはたしか龍脈由来の活力を〝頭から生えた木〟が溜め込み、〝果実へと変換する〟スキルのことですよね。あの時は咲いた花の片付けに追われて、とても大変でした』
 あ、迅雷ジンライが居ねぇいまは、リオにも一行表示ティッカー全部ぜんぶ、見えてるんだったぜ。
 けど、こまりはしねぇか。

 星神ほしがみさまが、おれのからだ使つかってたときのことわぁ――
 居合いあわせたリオたちのほうが、おれよりくわしいだろうしよぉぅ。

もりぬしが言うには、おれぁなんとか言う〝むし〟らしいぜ」
 おれはうでを組み、くびひねった。

「プークス♪ なるほど、〝むし〟だというなら龍脈由来りゅうみゃくゆらい活力マナを、もりの木から吸い上げるのも――うなづけなくも、ありませんね
 といいつつくびを、かたむけていく星神ほしがみ

「それより此処ここわぁ、何処どこだぜ?」
 みれば捜索隊そうさくたい全員ぜんいんが、あたりでくつろいでいる。
 おにぎり騎馬きばが居ねぇが――あっ!
 〝ゲスロット〟の野郎やろうも居ねぇ、逃げやがったか?

「ここも大森林だいしんりん開拓村かいたくむらです。シガミー、あたまを見せて下さい」
 まだいたあたまうしろから、むんずと手でつかまれた。
いてぇ! さわるなっ!」
 シシガニャンを脱ぎエプロンをはずしたリオレイニアが、おれのからだを引きたお自分じぶんひざに乗せる――ちょうやわこぃ。

「そうだぜ! 二股角ふたまたつのむすめおやが、むすめは見つかったとか言ってたぞ!?」
むすめおや……やっぱりシガミーちゃん……シガミー殿どの取り憑いてた・・・・・・ようじゃぁのぉう」
 村長そんちょうが、まるで今思いまおもい出したように、村長訛そんちょうなまりで言いなおす。

「あの山鹿山やましかやまめ、こっちのロコロむらには、ちゃんとおそなえしてるのに……ふぅ。災難さいなんでしたわね、小ぉ~ざるぅ~♪」
 大申おおざる……ロットリンデも居た。高級菓子店こうきゅうかしてんはこを、いくつもかかえてる。

「うるせぇやぃ!」
 おぉぅぃ? あたまなかおやさまよぉー?
 あたまなかで、さっきの森の主おんなおもい浮かべたが――
 なんとなくの輪郭りんかくくらいしか、形作かたちづくれなかった。

「ファロコは、いまティーナ……商会長しょうかいちょう大目玉おおめだまを食らって……しかられているのじゃよ、ふぉっふぉっふぉっ♪」
 村長訛そんちょうなまりが、うるせぇー。
 けど無事ぶじとっつかまえたなら――良かったぜ。

「まったくもう。普段ふだんはモクブートの一匹いっぴきでもつかまえたら、ジュークに見せにもどってきますのに……ぶつぶつぶつぶつ」
 大申女ゲスロットが、あおかおをしている。
 商会長しょうかいちょう……女将おかみさんの母上ははうえから、また折檻せっかんされたのかも知れんな。

 人類最強じんるいさいきょう女将さんむすめと、どっちがつよいのかわからんが――
 商会長かのじょおこらせないことを、もう一度肝いちどきもめんじておく。

 ふぉん♪
『シガミー>さっきまで頭の中の森の主母娘と話をしてたから、どうもいまいち頭がはっきりしねぇぜ。もうすこし詳しい経緯を説明してくれや、星神さまよ?』
 わいわいわいわい、がやがやがやがや。
 うるせぇ。

 ふぉん♪
『ホシガミー>そう言われましても、大森林の物理法則はファローモと呼ばれる森の主が司っているようで、私の管轄外ですわ。イオノファラーさまなら、もう少し詳しいこともおわかりになると思いますが? プププププ-クス♪』
 くそぅ、面白おもしろがりやがって。

 五百乃大角いおのはら迅雷ジンライが居ねぇと、まるではなしがわからんぜ。
 案内ヒントろくに、出ねぇしよぉ
 (まさに混迷こんめいきわみですね、シガミー?)
 やかましぃ。
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