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5:大森林観測村VSガムラン町

616:大森林探索行、虎柄って何色?

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「ザザッ――みゃにゃやぁーまったくもうっみゃにゃにゃにゃやーシガミーは女性の扱いにゃぎゃにゃぁーがなっていません!――」
 まだ、おいかりの〝着る強化服シシガニャン虎ふ号・・・〟。

 ふぉん♪
『ホシガミー>プークス♪』
 わらってる場合ばあいかっ!

「むぎゅうーつ、ぷはぁ!」
 生意気なまいき子供こどもこえが聞こえる。

 こうしてる間にも捜索対象ファロコとやら相当そうとう、引きはなされてるぞ――ふぉん♪
『シガミー>そっちは大丈夫か!?』

 ふぉん♪
『ホシガミー>何人か目を回していますけれど、みなさん外傷は有りませんわ』
 なら良かったぜ。
 おれはうえから、みな見渡みわたす――

▼▼▼ピピピッ♪――▼▼▼ピピピッ♪――▼▼▼ピピピッ♪――▼▼▼ピピピッ♪――▼▼▼ピピピッ♪
 動体検知どうたいけんち次々つぎつぎと――生徒たちがきども見習い教師リオレイニアの、心音こどうとらえていく。

 此処ここに居ねぇのわぁ――――
 村長そんちょう女将おかみさんと、タターとオルコトリアか。
 5匹分ひきぶん特撃型改とくげきがたかいころがってるから、たぶん――
 村長そんちょう女将おかみさんが、タターはオルコトリアが、かついで行ったんだろう。

 ガッキュウゥゥゥン!
 ガッチャコ!
 おれはひざを突いて、みなはなしかける。

「おれは女将おかみさんたちを追うぜ。リオレイニア、みなのことをたのむぜ――ニャァ
 おにぎり騎馬きばが居ねぇのも、すこし気になるし。

「えーっ、わたしも行きたい! 村長そんちょうさんが、このさきにはまたべつむらがあるって言ってたし!」
 そうなのか?

一緒いっしょには連れて行けん。あとから付いて来たいなら、そこに居る番号ばんごうなしの強化服2号シシガニャン中身なかみがリオ……レイニア先生せんせいだから、おねがいしてみろやぁ――ニャァ
 ふぉん♪
『シガミー>引き離されるわけには行かねぇから、全部任せて良いか?』
 片手かたてさき柄違がらちがいで、いささ不格好ぶかっこう毛皮がらの――虎型ふ号リオレイニア

「「「「「えっ、リオレイニア先生せんせいなの!?」」」」」
「かわいい!」「こっちの子たちを、着ることは出来できないの?」
 わいわいがやがやや。
 子供こどもらに飛びつかれ、身動みうごきが取れなくなる――
 とら……というには、ちとなさけねぇなぁ。

「にゃみゃぎゃぁ、みゃぎゃぎゃにゃやーぁ?」
 ヴッ――『』
「ザザヴュ――ああもう貴方たちときたら、学院の生徒としての行動を――」
 ぽぽぽい、ぽぽぽいっす♪
 子供こどもらの襟首えりくびをつかんでは、投げ捨ててやがる。
「「「きゃいきゃい♪」」」「「「わはぁーい♪」」」
 ああもぅ、あそばれてんじゃんかよぉ。

みゃにゃぁはぁはぁはぁやっと外れてみゃやぎゃにゃぁーくれましたがにゃぁやぁにゃぁ――」
 子供こどもらを引き剥がし、身軽みがるになったリオが――背中しりを向けてきた。

「ははぁーひゃぁー♪」
 やいおっさん。子供がきども以上いじょうたのしそうだな?
 奥方おくがた……あの張り扇ハリセン使つかいのよめさんに告げぐちするぞ、こらぁ――!?
 おれがやっとこで、おっさんのド派手な色の革鎧かわよろいをひっつかんで、ころがる特撃型とくげきがたうえほうり投げた――

「うっひょろはぁぁっ――――♪」
 ぽっぎゅむ、ぐるぅん――どがぁん!
 はずんだ特撃型シシガニャンに跳ね提げられ、絶壁ぜっぺきにぶち当たる、おっさん。
 ざつあつかっちまったが、うごいてるから平気へいきだろ。
 蘇生薬エリクサーも、わたしてあるし。

 虎型ふ号リオレイニアみだれた毛皮けがわ猫手ねこてはらい、〝ふう、やれやれ〟みたいな仕草しぐさをした。
 ……とてもいかずちのような鳴きごえはなつ、おそろしくて獰猛どうもうけだものには見えんぞ。

 ねこ姿すがたがらはいった、夏毛の獣リオレイニア
 しかも片手かたてが、柄違がらちがいと来た。

 おいにせ迅雷ジンライ、ありゃ駄目だめだろ?
 やい? んぁ?
 返事へんじがねぇっていうか、返事なんかそんなことをかんがえてる場合ばあいじゃねぇやな。
 かりにもおれぁ――〝とら〟の字が付く、虎鶫衆とらつぐみしゅう弐番隊にばんたい隊長たいちょうだぜ!
 気になっちまったらもう、放っとけねぇやな――ガッキュゥゥゥンッ♪

「そいつの毛皮けがわ折角せっかくだからょ――――ヴヴヴヴッ♪」
 轟雷おれてつうでをかざし、絵で板エディタ起動すたちあげる――ヴォゥン♪

 ヴゥオォォォゥン♪
 絵で板エディタなかに、そっくり同《おな》じ猫の魔物風シシガニャンが浮かび上がる。

 取り込んだ、極所作業きょくしょさぎょう用汎用ようはんよう強化服きょうかふくシシガニャン特撃型とくげきがた10号改ごうかい
 その名前なまえが、ひとりでに――『極所作業用汎用強化服シシガニャン虎型ふ号』へと書き換わった。

 ふぉん♪
『INCLUDE>リオレイニア・サキラテ』
 なんていう表示ひょうじも出たから中身そっちほうは、すぐさま消しておいた。
 のこしておくと、たぶんおこられるからだ。

 エディタすみの、格子こうしなか――グルン、カチリ。
 手首てくびのリングを1かいだけまわし、視線しせん指先ゆびさき虎縞とらじまもとになるかたちえがいた。

 虎型とらがたごうがらが――わさわさとうごめき、いろを変えていく。
 虎縞とらじまかたちは……猫耳族ねこみみぞく猫頭ねこあたま連中れんちゅうの、縞柄しまがらを見たこともある。
 大体だいたいところはわかるが、とら本当ほんとう色味いろみまでは見当けんとうも付かんから――
 本物ほんものとらいろは、ちがってるかもしれんがな。

 はらしろくてー、あたまから背中せなか四つ足あし尻尾しっぽを――縞模様しまもようにした。
 菖蒲色あやめいろ地色じいろに、紫鳶むらさきとび虎縞とらじまが――えがかれていく。
 ふぉん♪
『シガミー>どうだぜ、リオレイニア?』

 ちなみにおれが轟雷ごうらいしたに着てる強化服シシガニャンは、特撃型改とくげきがたかい11ばん改造かいぞうしたもんだ。
 とてもおもくて、まず常人じょうじんが着られる代物しろものじゃぁねぇ。
 おれや鬼娘オルコトリアのように〝自前じまえ金剛力こんごうりき〟が使つかえないと、立つことすら出来できんだろう。

「みゃにゃやー?」
 りょう猫手ねこてひろげて、くびかしげる猫の魔物風シシガニャン・リオレイニア先生せんせい

「「「「かわ」」」」
「「「「いい」」」」
 きゃいきゃきゃきゃい♪
 子供こどもらになつかれ身動みうごきが取れない、虎柄とらがら見習みなら先生せんせい

 かわいいような、いさましいような――どこか締まらんぞ。
 〝着る強化服とらがた〟には目鼻口めはなくちでも付けたほうが、良いかもしれんなー。

 ふぉん♪
『シガミー>その服の詳しい使い方は、茅野姫にでも聞いてくれや。茅野姫も後のことを頼むからな』
 ふぉん♪
『ホシガミー>委細承知しました。すべて、お任せ下さい、クスクスプー♪』
 ヴュゥン――〝生身のおれシガミー瓜二うりつの姿すがた〟が、大写しズームになった。

 ニヤニヤと笑って、手を振ってやがる?
 こんな渓谷けいこくそこじゃぁ守銭奴しゅせんど真似まねも、出来できないだろうに?
 ちと気になるが――さきいそぐんだったぜ!

しからば、ごめん!――ニャァ
 おれは背中の大筒スラスター爆発ばくはつさせ、渓谷けいこくそらのぼっていく。

「「ござるだっ!」」
「「「「(ござ……る?)」」」」
 生徒せいとたちのこえが、とおざかる。

 断崖だんがいうえに出ると、このへんだけもり途切とぎれてた。
 にせみち一瞬いっしゅんだけ見えた、岩場いわばのような景色けしきだ。

 まずは渓谷けいこくを抜けるぞぉ――――シュドドドドゴォォォォッ!
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