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5:大森林観測村VSガムラン町
606:大森林探索行、おにぎり半分?
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「この猫の乗り物《もの》に乗っていくのかい? かわいい♪」
特撃型改1番にひょいと、持ち上げられるジューク村長。
「そうだぜ……けど本当に大申……じゃなくてミスロットさまを、置いてっちまって良いのかぁ?」
絶対、あとで「こらっ、高貴な私を置いていくなんて、どういうおつもりですの!?」とか言われるだろ?
「村の中で魔法を使った罰として、皿洗いをさせられてるから、仕方が無いさね♪ けどなんだい、そのミスロットって?」
女将さんも特撃型5番に揺られて、ご満悦だ。
生徒やリオレイニアたちが揺られているのを見て、心地良さそうだと思ったらしくて――
村の大食い勝負に、かり出された大食らい……ビステッカの分散型強化服を借りたのだ。
他にも、ここまでの行軍で疲れた生徒や教師は、置いていく。
当然、無人の特撃型改を多数、引き連れることになる。
「ご本人さまに言われたんだぜ。「ご令嬢なんて呼ぶのは止してくだせぇ、あっしはただのミスロット・厘手でござる」ってな!」
たしかこんな風に言ってた……ぜ?
「ござる!?」
「ござる!?」
生意気な子供と、まるで気後れしねぇ豪胆な子供が同じく極所作業用汎用強化服(11番、7番)に揺られてやってきた。
ふぉん♪
『ホシガミー>シガミーさん』
ふぉん♪
『シガミー>何でい?』
ふぉん♪
『リオレイニア>「何でしょう、カヤノヒメさん?」でしょう? さんはい♪』
ふぉん♪
『シガミー>あー、一行表示に<リオ>を入れたままだったぜ』
この辺は、迅雷が上手い事してくれてたんだが――
ふぉん♪
『リオレイニア>「あら、一行表示にリオレイニアさんを追加したままでしたわ。うふふ♪」でしょう? さんはい♪』
やかましぃ、小姑か。
「わー、わかったよ。一行表示の側でも言葉遣いに、気をつけるようにするわぜ」
くそぅ、迅雷が居ねぇおかげで、お叱りを受けちまったわよぜ。
七面倒なことに、なったぜわよ。
ふぉん♪
『シガミー>それで何のようだわぜ? ホシガミーさまわあ?』
ふぉん♪
『ホシガミー>この捜索対象の片角のお嬢さんなのですけれど』
ふぉん♪
『リオレイニア>ファロコさんと、仰るようですよ?』
ふぉん♪
『ホシガミー>はい、そのファロコさんが首から提げている物の形に見覚えはありませんか?』
ふぉん♪
『シガミー>首から提げただわぜ?』
ヴォォォゥゥン♪
ふぉん♪
『リオレイニア>三角の形をしていますね』
さっきのチラシの映像が、リオにも見えている。
あー? たしかに何か見覚えが無くもねぇーかぁ?
ふぉん♪
『シガミー>ああ! こりゃまさか』
「酢蛸かっ!?」
裏天狗や女神像の元になる、演算単位の元になる――
(はい、評価用女神像キットである可能性が高いです。女神像OSが実行可能な、FATS開発環境です)
そう、確かそんな!
ふぉん♪
『リオレイニア>スダァコ?』
細首を傾げる、メイドの中のメイド。
ふぉん♪
『ホシガミー>簡単に言うと、おにぎりさんの頭脳であり、情動の源となる物です』
ふぉん♪
『リオレイニア>おにぎりの、中身ということでしょうか?』
思案し反対側へ細首を傾げる、メイドの中のメイド。
「そういうことだぜ……わよ。此奴……このおにぎりみてぇなのが二つ有りゃ、〝おにぎり〟をもう一匹、拵えられる……わぜ?」
おにぎりや女神御神体が、動く仕組み。
その辺は別に隠し立てするようなことじゃなくて、神々の叡知と修験の技の賜と説明してある。
実際、神々の叡知である女神像OSと、強化服を組み合わせたのは天狗だからな。
「拵える……作ると言うことですよね? イオノファラーさまの御神体を作成したときのようにですか?」
そうだぜ。五百乃大角の御神体を作ったとき、レイダとリオレイニアが一緒だった。
「そんなようなもんだぜ……わぜ」
懐から丸茸だか、分からん姿形の――御神体像さまを取り出す。
御神体に関しては……なんか更に、ややこしかったような?
(F,A,T,S,との再接続まで〝キャラ作成粘土〟の在庫が、補充されることはありませ――)
絵で板の中には五百乃大角が叡知を駆使しても、MSPを使っても、どうやっても増えない材料があった。
つまり根菜が壊れる(吹っ飛ぶ)と、五百乃大角が飯を食えなくなり――
ひいては世界の安寧が、脅かされるってことじゃんか。
ふぉん♪
『おにぎり>みゃにゃぎゃぁー?』
一行表示に、本猫風味が混じってきやがったぜ。
強化服一号自律型おにぎりは、村の若い衆と一緒に……踊り狂ってやがる。
ふぉん♪
『シガミー>おにぎりは増えたら困るが、あの酢蛸はあればあるだけ猪蟹屋の為になるのは間違いねぇ』
ふぉん♪
『リオレイニア>なるほど、承知致しました。それでイオノファラーさまたちは、どうなさるおつもりですか?』
そうだぜ。迅雷も根菜も居ねぇーと、全部の話が始まらん。
ふぉん♪
『ホシガミー>一刻も早い復旧を臨みますが、猪蟹屋一味としては、このファロコさんの所持する三角形の物体にもとても興味があります』
ふぉん♪
『シガミー>そうだな。おにぎり形の正体を確認してからでも良いか』
ふぉん♪
『リオレイニア>オルコトリアが来ました』
リオが見た方を、おれも見た。
「あのさシガミー?」
オルコトリアが立っていた。
「どーしたぁ……のでごぜぇますわぜ?」
「ござってるよ」「ござってるね」「ござござ?」「あっしもでさぁ」
なんだか余計なのまで、引き連れてやがるぜわよ。
「あたしも、それ乗ってみたいんだけど、駄目か?」
あー、オルコトリアは一人だけ、乗せる側だったなぁ。
「私も、みんなと同じのに乗ってみたい!」
あー、うん。タターは一人だけ、違うのに乗せられてたからなぁ。
§
「ちょっと! なんであたしだけ二匹に、抱えられてるのっ!?」
藻掻く、大柄な体――パリッ♪
一本角に雷光が、這ってやがるぜ。
「しゃぁねぇだろうが、一匹じゃ上手く運べねぇんだからよ――わぜ」
そうなのだ。ぎっしりと詰まった筋肉に、釣り合いが取れず――
真っ直ぐ歩けなかったのだ。
「うふふふ♪」「オルコトリアさん♪」「かわいい♪」
子供らが、小声ではやし立てる。
やめとけ、お前ら。
「くすくす♪ 近頃は神域食堂のおいしいご飯を、たらふくと――召し上がってましたものね?」
やめろリオ。そんなに煽るもんじゃねぇ。
ごきりっ――膨れ上がる鬼娘《おに》の腕。
「そーだね♪ 魔導騎士団の連中と殺試合……訓練に励んだ帰りに、食堂に入り浸ってたからねぇ」
女将さんまで、止めてやれや。
「オルコトリアさんは、私を持ち上げていたから、いつもよりお腹が空いただけだよ!」
少女タターに気遣われる鬼の娘。
(タター嬢の発言内容では、オルコトリアを擁護出来ていません)
やめんか、おれの頭の中の迅雷まで――!
「うぅううぅう……」
自分の腹を、ぎゅっと押さえる鬼の娘。
この恥じらいを、五百乃大角に見せてやりてぇ。
おれは女神御神体を落とさねぇように、懐にぎゅっと押し込んだ。
特撃型改1番にひょいと、持ち上げられるジューク村長。
「そうだぜ……けど本当に大申……じゃなくてミスロットさまを、置いてっちまって良いのかぁ?」
絶対、あとで「こらっ、高貴な私を置いていくなんて、どういうおつもりですの!?」とか言われるだろ?
「村の中で魔法を使った罰として、皿洗いをさせられてるから、仕方が無いさね♪ けどなんだい、そのミスロットって?」
女将さんも特撃型5番に揺られて、ご満悦だ。
生徒やリオレイニアたちが揺られているのを見て、心地良さそうだと思ったらしくて――
村の大食い勝負に、かり出された大食らい……ビステッカの分散型強化服を借りたのだ。
他にも、ここまでの行軍で疲れた生徒や教師は、置いていく。
当然、無人の特撃型改を多数、引き連れることになる。
「ご本人さまに言われたんだぜ。「ご令嬢なんて呼ぶのは止してくだせぇ、あっしはただのミスロット・厘手でござる」ってな!」
たしかこんな風に言ってた……ぜ?
「ござる!?」
「ござる!?」
生意気な子供と、まるで気後れしねぇ豪胆な子供が同じく極所作業用汎用強化服(11番、7番)に揺られてやってきた。
ふぉん♪
『ホシガミー>シガミーさん』
ふぉん♪
『シガミー>何でい?』
ふぉん♪
『リオレイニア>「何でしょう、カヤノヒメさん?」でしょう? さんはい♪』
ふぉん♪
『シガミー>あー、一行表示に<リオ>を入れたままだったぜ』
この辺は、迅雷が上手い事してくれてたんだが――
ふぉん♪
『リオレイニア>「あら、一行表示にリオレイニアさんを追加したままでしたわ。うふふ♪」でしょう? さんはい♪』
やかましぃ、小姑か。
「わー、わかったよ。一行表示の側でも言葉遣いに、気をつけるようにするわぜ」
くそぅ、迅雷が居ねぇおかげで、お叱りを受けちまったわよぜ。
七面倒なことに、なったぜわよ。
ふぉん♪
『シガミー>それで何のようだわぜ? ホシガミーさまわあ?』
ふぉん♪
『ホシガミー>この捜索対象の片角のお嬢さんなのですけれど』
ふぉん♪
『リオレイニア>ファロコさんと、仰るようですよ?』
ふぉん♪
『ホシガミー>はい、そのファロコさんが首から提げている物の形に見覚えはありませんか?』
ふぉん♪
『シガミー>首から提げただわぜ?』
ヴォォォゥゥン♪
ふぉん♪
『リオレイニア>三角の形をしていますね』
さっきのチラシの映像が、リオにも見えている。
あー? たしかに何か見覚えが無くもねぇーかぁ?
ふぉん♪
『シガミー>ああ! こりゃまさか』
「酢蛸かっ!?」
裏天狗や女神像の元になる、演算単位の元になる――
(はい、評価用女神像キットである可能性が高いです。女神像OSが実行可能な、FATS開発環境です)
そう、確かそんな!
ふぉん♪
『リオレイニア>スダァコ?』
細首を傾げる、メイドの中のメイド。
ふぉん♪
『ホシガミー>簡単に言うと、おにぎりさんの頭脳であり、情動の源となる物です』
ふぉん♪
『リオレイニア>おにぎりの、中身ということでしょうか?』
思案し反対側へ細首を傾げる、メイドの中のメイド。
「そういうことだぜ……わよ。此奴……このおにぎりみてぇなのが二つ有りゃ、〝おにぎり〟をもう一匹、拵えられる……わぜ?」
おにぎりや女神御神体が、動く仕組み。
その辺は別に隠し立てするようなことじゃなくて、神々の叡知と修験の技の賜と説明してある。
実際、神々の叡知である女神像OSと、強化服を組み合わせたのは天狗だからな。
「拵える……作ると言うことですよね? イオノファラーさまの御神体を作成したときのようにですか?」
そうだぜ。五百乃大角の御神体を作ったとき、レイダとリオレイニアが一緒だった。
「そんなようなもんだぜ……わぜ」
懐から丸茸だか、分からん姿形の――御神体像さまを取り出す。
御神体に関しては……なんか更に、ややこしかったような?
(F,A,T,S,との再接続まで〝キャラ作成粘土〟の在庫が、補充されることはありませ――)
絵で板の中には五百乃大角が叡知を駆使しても、MSPを使っても、どうやっても増えない材料があった。
つまり根菜が壊れる(吹っ飛ぶ)と、五百乃大角が飯を食えなくなり――
ひいては世界の安寧が、脅かされるってことじゃんか。
ふぉん♪
『おにぎり>みゃにゃぎゃぁー?』
一行表示に、本猫風味が混じってきやがったぜ。
強化服一号自律型おにぎりは、村の若い衆と一緒に……踊り狂ってやがる。
ふぉん♪
『シガミー>おにぎりは増えたら困るが、あの酢蛸はあればあるだけ猪蟹屋の為になるのは間違いねぇ』
ふぉん♪
『リオレイニア>なるほど、承知致しました。それでイオノファラーさまたちは、どうなさるおつもりですか?』
そうだぜ。迅雷も根菜も居ねぇーと、全部の話が始まらん。
ふぉん♪
『ホシガミー>一刻も早い復旧を臨みますが、猪蟹屋一味としては、このファロコさんの所持する三角形の物体にもとても興味があります』
ふぉん♪
『シガミー>そうだな。おにぎり形の正体を確認してからでも良いか』
ふぉん♪
『リオレイニア>オルコトリアが来ました』
リオが見た方を、おれも見た。
「あのさシガミー?」
オルコトリアが立っていた。
「どーしたぁ……のでごぜぇますわぜ?」
「ござってるよ」「ござってるね」「ござござ?」「あっしもでさぁ」
なんだか余計なのまで、引き連れてやがるぜわよ。
「あたしも、それ乗ってみたいんだけど、駄目か?」
あー、オルコトリアは一人だけ、乗せる側だったなぁ。
「私も、みんなと同じのに乗ってみたい!」
あー、うん。タターは一人だけ、違うのに乗せられてたからなぁ。
§
「ちょっと! なんであたしだけ二匹に、抱えられてるのっ!?」
藻掻く、大柄な体――パリッ♪
一本角に雷光が、這ってやがるぜ。
「しゃぁねぇだろうが、一匹じゃ上手く運べねぇんだからよ――わぜ」
そうなのだ。ぎっしりと詰まった筋肉に、釣り合いが取れず――
真っ直ぐ歩けなかったのだ。
「うふふふ♪」「オルコトリアさん♪」「かわいい♪」
子供らが、小声ではやし立てる。
やめとけ、お前ら。
「くすくす♪ 近頃は神域食堂のおいしいご飯を、たらふくと――召し上がってましたものね?」
やめろリオ。そんなに煽るもんじゃねぇ。
ごきりっ――膨れ上がる鬼娘《おに》の腕。
「そーだね♪ 魔導騎士団の連中と殺試合……訓練に励んだ帰りに、食堂に入り浸ってたからねぇ」
女将さんまで、止めてやれや。
「オルコトリアさんは、私を持ち上げていたから、いつもよりお腹が空いただけだよ!」
少女タターに気遣われる鬼の娘。
(タター嬢の発言内容では、オルコトリアを擁護出来ていません)
やめんか、おれの頭の中の迅雷まで――!
「うぅううぅう……」
自分の腹を、ぎゅっと押さえる鬼の娘。
この恥じらいを、五百乃大角に見せてやりてぇ。
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