滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
上 下
605 / 741
5:大森林観測村VSガムラン町

605:大森林探索行、分散型と火遁とドリル・ア・ホール・パイルドライバー

しおりを挟む
ってぇ!」
 かおを押さえて、ころがるおれ。

「まったくなにを、しているのですか!?」
 リオレイニアが駆け寄り――くるしむおれのひたいを、ねらい澄まし――
 ぺしぃーんと、ひっぱたいて来やがった!

ってぇ――!!」
 なんてことしやがるっ!?
「シガミーもおんなの子なのだから、自分じぶんからだ大事だいじあつかってください。でないと――」
 すっと持ち上げられる、平手ひらて

「わ、わかったよ! けどはや写し取らねぇと・・・・・・・――迅雷ジンライ寄越よこした地図ちずが、消えちまうんだよ!」
「あら? ソレは大変たいへん?」
 リオがひろい上げた黒板くろいたを見たが、なにうつし取れてなかった!

「あぁ、消えちまったぜ!?」
 あの一瞬いっしゅんじゃ、おぼえられるわけもなく。
大丈夫だいじょうぶですわ、シガミーさん♪ プププークスクス
 特撃型改シシガニャンに揺られる茅野姫ひしがみが、強化服特撃型改シシガニャンどもを引き連れてやってきた。

特撃型改シシガニャンみなさま、こちらへおあつまりください。ヴィヴィエラさんも、こちらへお越しください。わたくしがお待ちです
 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 またぞろぞろと、やかましいやつららを引き連れやがって。

「えー、なぁにぃー? あっち、みんながあつまってるところに行って!」
 ぽきゅぽきゅむ♪
 ビビビーも特撃型改とくげきがたかいあやつり、寄ってきた。
 いまシシガニャンに乗ってるのは、この二人ふたりだけだ。
 それぞれ8ぴきずつの特撃型改とくげきがたかいを、背中せなかに張り付かせていた。

 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 ぎゅみゅぎゅぎゅみゅむゅ――――♪
 出したかずと合わねぇから何匹なんびきかは、どこかそのへん落として・・・・来たんだろうが――

 星神ほしがみは、ぽきゅぽきゅうるせぇ連中れんちゅうを――ほぼ全員ぜんいん、かきあつめた。
 すると――ヴュザザザッ♪
「あっ!? また、出やがったぞ!」
 また、さっきの地図ちずが、うつし出される。

「やはり、そうですわね。女神像めがみぞうネットワーク接続せつぞくしょうじた不具合ふぐあいが、一部解消いちぶかいしょうされています。クスクス
 ふぉん♪
『ホシガミー>イオノファラーさんが居る以上、通常なら機能が限定されることはあっても接続が切れることはありませんが』
 ふぉん♪
『シガミー>現に切れちまってるじゃねーか?』
 いや、さっきの偽の道・・・魔法具箱まほぷぐばこ閉じ込められた・・・・・・・のが、原因げんいんかも知れん。

 ふぉん♪
『ホシガミー>恐らくですが、その不具合を〝分散型シシガニャン〟によって、ごく一部だけ緩和出来るようです』
 わからんが――此奴こいつらがひしめき合ってりゃ・・・・・・・・・迅雷ジンライがこうして――
 地図ちずを寄こせるくらいには、うごくってわけだな?

 ふぉん♪
『ホシガミー>坊主驚異の理解力、というわけですわね?』
 ふぉん♪
『シガミー>喧しいやい』

「クスクス。こちらでスクリーンショットを撮影さつえいしました。みなさまにも見ていただきましょう
 ヴォォォォオゥゥン♪
 切りかぶなかかべは――綺麗きれいけずられていて――
 地図ちずを、はっきりとうつし出した。

「ぎゃぁっ――――きゅ、宮廷魔導師きゅうていまどうし!?」
 外に映した・・・・・地図ちずおどろいた〝悪逆令嬢ミスロット〟が、立ち上がった!
 ボボボボッ!
 ゆびあいだから、ちいさな爆煙ばくえんを立ちのぼらせ――

「こらっ、むらなか攻撃魔法こうげきまほうは禁止きんしでぇーすぅよぉー!」
 商会長しょうかいちょう大申女ミスロットはたき込み、自分じぶんまたはさんだ。
 そして飛ぶ、絢爛豪華ボバボーンからだ――――どっがぁぁぁん!

 自分じぶんしりゆかに打ち付け、御簾路頭・厘手ミスロット・リンデあたまを――壇上だんじょうに突き刺した!

「ふにゃらぁ、ばたん♪」
 さかしまに立つ彼女リンデ姿すがたは、立ちのぼ爆煙けむりのようで――

「か、かたい木の壇上ゆかで――ぱ、パイルドライバー!?」
 ニゲルがわめいて、蘇生薬エリクサーを取り出した。

「あらロットリンデちゃんとおなじふうに、この技を呼ぶ・・・・・・ひとには、はじめてお会いしましたわ?」
 商会長しょうかいちょう興味きょうみを持たれたニゲルが、じりじりと距離まあいを取る。

「いつものことだから、蘇生薬エリクサーは要らないさね――ほら、お起き!」
 ぺしんとしりはたかれた、立ち上る爆煙ミスロットリンデが――
 ぼごごごむんっ――――けむりと化した。

「おれがやられた、火遁かとんじゅつか!?」
 けむりかぜながれ――そっくりおな姿形かたちの。
 さかしまおんなが、パタリとたおれた。

「ふぅー、かあさんの魔導まどうアーツは……まるでおとろえてないさね」
 かたをすくめた女将おかみさんが、ご令嬢ミスロット亡骸なきがた小脇こわきかつぐ。

「いつものことだから、心配しんぱいいらないよ」
 ジューク村長そんちょうが言うとおりに、女将おかみさんにかつがれたやつが――
「ふにゃぁー、い゛だい゛でーすーわぁー」
 生きてやがったか、あたまを押さえてやがる。

 火遁かとんなかには目くらましだけじゃなく、てき城攻しろぜめにあらがうような――
 轟雷おれ使つかった、〝爆発ばくはつたて使つかう、やりかちゃ〟がある。

「しゃっきりおし、吸血鬼きゅうけつきが聞いてあきれるよ!」
 また、ぺしんとしりはたかれる。
「ぎゃに゛ゃぁー!」
 うしろたまはたいたときの、おにぎりみたいなこえを出して――
 そとに運ばれていく。

「この地図ちずがあれば迷子まいごの、うちの子をさがしに行けるよ!」
 村長そんちょうが、そんなことを言う。

「なるほど、迷子まいご……事情じじょうさっしましたが。土地とち人間にんげんでしたら、周辺しゅうへん地理ちりくらいは把握はあくしているのでは?」
 リオレイニアが、村長ジュークへ問う。

「このさき大森林だいしんりんは、ちょっと一筋縄ひとすじなわではいかないというか……地図ちずつくれるような場所ばしょじゃないって言――場所ばしょではないんじゃよ、ふぉっふぉっふぉぉ♪」
 村長言葉そんちょうことばを、わすれてたな。

「なるほど? けどシガミー、この地図ちず所々ところどころ、抜けていますが?」
 リオレイニアが、空白すきまになっている部分ところゆびさした。
「おれに聞かれてもこまるぜ。茅野姫カヤノヒメ、どーなってんだぜ?」

「それは分かりかねますが村長そんちょうさんのおっしゃった、〝地図作ちずづくりがむずしいこと〟と関係かんけいがあるのでは
 村長そんちょうを見つめる、星神茅野姫ほしがみカヤノヒメ

「ハハハッハッ?」
 なんだぜ、きゅうにおっさんがわらいやがったぞ。

「こんどこそ、おれっちの出番でばんかと、ぞんじましたががが? むふぅん?」
 おっさんの目のいろが変わり――
 群れる特撃型改シシガニャン颯爽さっそうと、かかえられる。

「いざ行かん! 大森林だいしんりんなどー、おそるるに足りませんぞぉー!」
 駆けだしていく特撃型改シシガニャン――ぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅむ♪
 たぶん演算単位えんざんたんいとやらが、切れたんだろう。

 おっさんをかかえた特撃型改とくげきがた18ばんが――――ぽぎゅごろろろろっ♪
 騒々そうぞうしいおとを立てて、盛大せいだいに素っころんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界起動兵器ゴーレム

ヒカリ
ファンタジー
高校生鬼島良太郎はある日トラックに 撥ねられてしまった。そして良太郎 が目覚めると、そこは異世界だった。 さらに良太郎の肉体は鋼の兵器、 ゴーレムと化していたのだ。良太郎が 目覚めた時、彼の目の前にいたのは 魔術師で2級冒険者のマリーネ。彼女は 未知の世界で右も左も分からない状態 の良太郎と共に冒険者生活を営んで いく事を決めた。だがこの世界の裏 では凶悪な影が……良太郎の異世界 でのゴーレムライフが始まる……。 ファンタジーバトル作品、開幕!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

報酬を踏み倒されたので、この国に用はありません。

白水緑
ファンタジー
魔王を倒して報酬をもらって冒険者を引退しようとしたところ、支払いを踏み倒されたリラたち。 国に見切りを付けて、当てつけのように今度は魔族の味方につくことにする。 そこで出会った魔王の右腕、シルヴェストロと交友を深めて、互いの価値観を知っていくうちに、惹かれ合っていく。 そんな中、追っ手が迫り、本当に魔族の味方につくのかの判断を迫られる。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

処理中です...