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4:龍撃の学院
560:火山ダンジョンふたたび、タレットスキル解放
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「(迅雷、例の飛ぶ板を飛ばせ)」
ふぉん♪
『>ドローンは既に、火山ダンジョン上空へ到着。測量並びに索敵を開始しています』
ヴォォォゥン♪
映し出された映像を見ると、火山中腹から亀裂が走りレイド村の方へ続いていた。
シシガニャン姿のおれが、超女神像のあるガムラン冒険者支部から飛び出すと――
近頃、ガムラン町に増えてきた童どもが――
こちらへ駆け寄りそうな、動きを見せた。
迅雷、特撃型を一体――ちょっとだけ子供の相手をするようには出来んかぁ?
ヴッ――ぽこん♪
猫の魔物風の奴を、一匹取り出す。
コイツには〝演算単位〟がねぇから、動かねぇ。
精々、誰かの後を付け、真似をするくらいしか出来ん。
ふぉん♪
『>ならば、私のサブユニットを一つ使用し、ギルドの案内役でもさせておきましょう』
おい、そんな真似が出来るならSDKが無くても、もう一匹分どうにか工面出来たってことじゃぁねぇのかぁ!?
ふざけんなよ、おまえぇ!?
ふぉん♪
『イオノ>怒らないであげてよん。マスターであるシガミーがレベルアップしたときに選択出来る、タレットスキルツリーの解放を忘れていただけなのよ?』
ぽころりとフォルダの陰から転び出た、五百乃大角アイコン。
お前さまは、その小ささなのに、どうしてそこまで、いけ好かねぇ面がぁ出来るんだぜ。
{(忘れていただぁ?)」
誰が忘れたって言うんだぜ?
おれぁそんなのは初耳で、迅雷も抜けちゃいるが――
人と比べたら、忘れることなんてまずねぇだろう!
ふぉん♪
『イオノ>もちろんわたくしさまの、仕業でしたぁー|(けろり)♪ けどさっ、ジャイアントゴーレムに襲われたときには間に合ったんだから、お咎めなしっ。『新機能※¹』のオンラインマニュアルは迅雷に見せてもらってよねぇん♪』
また雑な仕事をした、お女神さまの所業か!
ぐっ、このやろうさまめ。
「(迅雷、じゃぁそいつを特撃型に、仕込んでくれや)」
おれは、ぽきゅぽこむん♪
猫の魔物風を一匹、ギルド正面に立たせた。
ふぉん♪
『>サブユニットを特撃型四号に、セットしました。デコイモードで人間の振りをさせます』
よし、じゃぁ――ヴッ♪
「説明するのを忘れていた丸茸さまは罰として、姫さんたちをあとから連れてきてくれやぁ!」
おれは取り出した、五百乃大角御神体さまを――
ギルドの階段へ放り込んだ。
ガァン――「痛ったぁ!?」
「どなたでーすぅーのぉー! 私をコントゥル家次期当主と知ってのぉ、狼藉かしるぁぁぁぁあ゛ぁぁぁっ!?」
やべぇ! おれの後を付いて来てた姫さんが、上がってくるまでは時間があると思ったんだが――
ズダンッ――ガッシャガチャン♪
姿を現した彼女は、四つん這いで――「ぐぅわぉるるるぅ!」
甲冑の四つ足で、駆け上りやがったな!?
「痛ったぁ! お姫ちゃん、犯人は彼奴でさぁ!」
てめぇ、告げ口をするんじゃねぇやぁ!
ふぉん♪
『朱狐シリーズ【多目的機動戦闘四足歩行車両】
古より伝わる最古のアーティファクト。
攻撃力2360。防御力1854。
条件効果/前回のリセットから、186秒経過。
10秒ごとに攻撃力が1%加算。
追加攻撃/1攻撃ごとに、追加攻撃力分の物理ダメージ。
追加効果/ただし被弾しない場合、
1分ごとに防御力が1%加算される。
被弾すると追加攻撃が発生し、
すべての累積分は、リセットされる』
「ぐわぉるるぅ――――!!!」
轟く獣声――ぼっごぅわっ♪
口から吹き出した熱さのない蒼炎が、わらわらと漂ってくる。
ふぉふぉん♪
『めがみねんど・斧原イオノちゃん【非公式女神粘土】/
美の女神イオノファラー専用依代にして、イオノフ教ご祭神。
攻撃力0。防御力∞。ご利益0。
条件効果1/おめざ、朝食、間食、昼食、おやつ、夕食、間食、夜食のうち三回の満足が得られない場合、不機嫌になる。
条件効果2/上記条件を満たせない日が連日に渡る場合、MSPー1。 条件効果3/MSPが10以下になった場合、アカウント保護のため、
該当ワールド<惑星ヒース>を凍結します』
「ぐわぉるるぅ――――!!!」
腹から轟く、角笛!
狐面の耳と耳の間に鎮座した丸茸が、超うるせぇ!
貴様ぁ、合戦でも始めるつもりかぁ!
奥方さまの様子を確認したら、飯を食わせてやるから――もう少し待っとけやぁ!
おれと迅雷は最寄りの火山まで、全速力で駆け抜ける羽目になった。
猪蟹屋三号店予定地に着いたとき、そばに居たのは――
四つ足と、それに恋慕する青年。
そして巫山戯た色の子馬と、猫の魔物風だけだった。
とうとう追いつかれた、おれわぁ――
「お返しですわぁー!」と力一杯、小突かれ――
火山の岩肌に、突き刺さった。
ーーー
新機能¹/タレットスキル解放。スキルツリーは攻撃特化・防御特化・思考特化の三系統。現在解放されたスキルはLV1の『攻/戦術級砲弾〝非カー解由来空間崩壊〟』、並びに『防/サブユニット生成』と『思/デコイモード』。
ふぉん♪
『>ドローンは既に、火山ダンジョン上空へ到着。測量並びに索敵を開始しています』
ヴォォォゥン♪
映し出された映像を見ると、火山中腹から亀裂が走りレイド村の方へ続いていた。
シシガニャン姿のおれが、超女神像のあるガムラン冒険者支部から飛び出すと――
近頃、ガムラン町に増えてきた童どもが――
こちらへ駆け寄りそうな、動きを見せた。
迅雷、特撃型を一体――ちょっとだけ子供の相手をするようには出来んかぁ?
ヴッ――ぽこん♪
猫の魔物風の奴を、一匹取り出す。
コイツには〝演算単位〟がねぇから、動かねぇ。
精々、誰かの後を付け、真似をするくらいしか出来ん。
ふぉん♪
『>ならば、私のサブユニットを一つ使用し、ギルドの案内役でもさせておきましょう』
おい、そんな真似が出来るならSDKが無くても、もう一匹分どうにか工面出来たってことじゃぁねぇのかぁ!?
ふざけんなよ、おまえぇ!?
ふぉん♪
『イオノ>怒らないであげてよん。マスターであるシガミーがレベルアップしたときに選択出来る、タレットスキルツリーの解放を忘れていただけなのよ?』
ぽころりとフォルダの陰から転び出た、五百乃大角アイコン。
お前さまは、その小ささなのに、どうしてそこまで、いけ好かねぇ面がぁ出来るんだぜ。
{(忘れていただぁ?)」
誰が忘れたって言うんだぜ?
おれぁそんなのは初耳で、迅雷も抜けちゃいるが――
人と比べたら、忘れることなんてまずねぇだろう!
ふぉん♪
『イオノ>もちろんわたくしさまの、仕業でしたぁー|(けろり)♪ けどさっ、ジャイアントゴーレムに襲われたときには間に合ったんだから、お咎めなしっ。『新機能※¹』のオンラインマニュアルは迅雷に見せてもらってよねぇん♪』
また雑な仕事をした、お女神さまの所業か!
ぐっ、このやろうさまめ。
「(迅雷、じゃぁそいつを特撃型に、仕込んでくれや)」
おれは、ぽきゅぽこむん♪
猫の魔物風を一匹、ギルド正面に立たせた。
ふぉん♪
『>サブユニットを特撃型四号に、セットしました。デコイモードで人間の振りをさせます』
よし、じゃぁ――ヴッ♪
「説明するのを忘れていた丸茸さまは罰として、姫さんたちをあとから連れてきてくれやぁ!」
おれは取り出した、五百乃大角御神体さまを――
ギルドの階段へ放り込んだ。
ガァン――「痛ったぁ!?」
「どなたでーすぅーのぉー! 私をコントゥル家次期当主と知ってのぉ、狼藉かしるぁぁぁぁあ゛ぁぁぁっ!?」
やべぇ! おれの後を付いて来てた姫さんが、上がってくるまでは時間があると思ったんだが――
ズダンッ――ガッシャガチャン♪
姿を現した彼女は、四つん這いで――「ぐぅわぉるるるぅ!」
甲冑の四つ足で、駆け上りやがったな!?
「痛ったぁ! お姫ちゃん、犯人は彼奴でさぁ!」
てめぇ、告げ口をするんじゃねぇやぁ!
ふぉん♪
『朱狐シリーズ【多目的機動戦闘四足歩行車両】
古より伝わる最古のアーティファクト。
攻撃力2360。防御力1854。
条件効果/前回のリセットから、186秒経過。
10秒ごとに攻撃力が1%加算。
追加攻撃/1攻撃ごとに、追加攻撃力分の物理ダメージ。
追加効果/ただし被弾しない場合、
1分ごとに防御力が1%加算される。
被弾すると追加攻撃が発生し、
すべての累積分は、リセットされる』
「ぐわぉるるぅ――――!!!」
轟く獣声――ぼっごぅわっ♪
口から吹き出した熱さのない蒼炎が、わらわらと漂ってくる。
ふぉふぉん♪
『めがみねんど・斧原イオノちゃん【非公式女神粘土】/
美の女神イオノファラー専用依代にして、イオノフ教ご祭神。
攻撃力0。防御力∞。ご利益0。
条件効果1/おめざ、朝食、間食、昼食、おやつ、夕食、間食、夜食のうち三回の満足が得られない場合、不機嫌になる。
条件効果2/上記条件を満たせない日が連日に渡る場合、MSPー1。 条件効果3/MSPが10以下になった場合、アカウント保護のため、
該当ワールド<惑星ヒース>を凍結します』
「ぐわぉるるぅ――――!!!」
腹から轟く、角笛!
狐面の耳と耳の間に鎮座した丸茸が、超うるせぇ!
貴様ぁ、合戦でも始めるつもりかぁ!
奥方さまの様子を確認したら、飯を食わせてやるから――もう少し待っとけやぁ!
おれと迅雷は最寄りの火山まで、全速力で駆け抜ける羽目になった。
猪蟹屋三号店予定地に着いたとき、そばに居たのは――
四つ足と、それに恋慕する青年。
そして巫山戯た色の子馬と、猫の魔物風だけだった。
とうとう追いつかれた、おれわぁ――
「お返しですわぁー!」と力一杯、小突かれ――
火山の岩肌に、突き刺さった。
ーーー
新機能¹/タレットスキル解放。スキルツリーは攻撃特化・防御特化・思考特化の三系統。現在解放されたスキルはLV1の『攻/戦術級砲弾〝非カー解由来空間崩壊〟』、並びに『防/サブユニット生成』と『思/デコイモード』。
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